第4話 絡まれるのは嫌だ

「あー雨降ってきたぜ」


護がそう言ってため息を吐きます。


「本当だね。さっきまで晴れてたのに」


一は空を見上げます。


ポツポツ。

トタトタ。

シトンシトン。


「梅雨だな」


「うん、再来週には明けるだろうね」


「その前に試験だな」


護の言葉に一はため息を吐きます。


「嫌だね」


「お前なら余裕だろ?」


「試験は余裕だけど。

 あの人に絡まれるのは嫌だ」


「モテモテじゃん」


護の言葉には一はなにも返しませんでした。

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