第853話

鉄人形フードプロフェッサーがキャベツと挽肉を大量に作ってくれる。


お肉に関しては別の装置があったようだが、挽肉になれば大丈夫。


それと今回はミミウさんに作る料理ですからね、お肉も当然アースドラゴンのお肉になっております。


ちなみに魔肉ドラゴンではありません。


装置を使う事で俺の腕を酷使せずにかなりの量が作れた。


これでハンバーグを大量に作った時に動かなくなった腕の仇はとれたと思う‥


餃子の皮は水餃子用と焼き餃子用の2種類を作る。


まず水餃子は小麦粉と塩を混ぜて、口の中で食感を楽しむために水で練る


本来なら、薄力粉と強力粉を混ぜ合わせたほうがいいんだが、この世界では1種類の小麦しかない。


正確には作られた環境や製法により、さまざま物があるのだが、それらは分別することはなくひとまとめになっている。


そのため、異世界のように作る品物によって使い分けはできないのだ。


まあ食べれて美味しければ問題ないのだけど。



水を加えて手で手早くまとめて、ある程度ひとつにまとまってきたら体重をかけて耳たぶくらいの硬さになるまで練る。


少し寝かせる必要があるので、その間に焼き餃子用の皮を作る。


焼き餃子は、パリッとした皮に仕上げるため水餃子のように水ではなく熱湯で練る。


小麦粉に今度は油を入れ軽く混ぜ合わせる。


そこに熱湯を入れてかき混ぜるが、熱いので鉄人形の手を使いかき混ぜる。


粗熱が取れたら体重をかけて練り、水餃子の皮より少し長めに生地を寝かせる。



寝かせて柔らかくまとまった生地を再度体重をかけて練る。


この工程も鉄人形を使えば早くなるだろうか‥


よし。


スキル【創造士】を使い、魔道具を作る。


『鉄人形生地こねこね君』だ。


上半身のみの鉄人形で、動きは生地をこねこねするだけの魔道具だ。

何もないところで動かすと、ただ手をうにうにと動かしている気持ち悪い装置にはなるのだが‥


決して能力の無駄遣いではない。


これを使う事で、さらに効率アップするだから‥多分‥



生地を棒状にして同サイズくらいに小さく分ける。

それを小麦粉を振りながら丸い棒で伸ばしていく。


むう‥

かなりの数を伸ばす必要があるな‥

とりあえずミミウに作る分は巨大餃子にするとして、小さいものも合わせてかなりの枚数を作っていく。


餡を詰めて包むので、真ん中に少しだけ厚みを残す。

そうすると皮が破れにくくなるらしい。


よし、これで皮は完成だ。


後は中に入れる餡作りだな。


鉄人形フードプロフェッサーを使い、刻んだキャベツと挽肉にニラを入れて下味をつける。


隠し味というか、隠し食感にクワイの実を入れてみた。


サクサクとした食感が癖になるとの事だ。


混ぜ合わせた物を先程作った皮に入れて包んでいく。


そして餡を包んだ餃子をそれぞれの工程で調理していく。


「ふぁ〜、すごく美味しいそうですぅ!」


そうだろうそうだろう。


今から戦いが始まるとは言え、最初のミミウの喜ぶ顔は見ていて嬉しい。


焼いている餃子に水を入れる。

蒸す工程になるのだが、入れる水に少しの小麦粉と以前鳥から取ったスープを入れる。


まあコカトリスだから、鳥と言っていいかわからないけど、味が美味しいからいいよね!


これで羽付餃子とやらになるはずだ。


ちなみにミミウさん用のどでか餃子は、普通の鉄板では作れなかったので専用の鍋のような鉄板を作りました‥


「そら、ミミウ。できたぞ!」


ミミウの顔サイズの焼き餃子の周りに、小さな餃子を並べている。

水餃子も同じような仕様だ。


「ふぁ‥マルコイさんありがとうですぅ!」


ミミウが食べ始めた。


「わぁ!中からお肉の油が出てきてすごく美味しいですぅ!それにサクサクしたのが入ってて、お口の中が面白いですぅ!」


そうだろうそうだろう。


さて‥


続きを作るとするか‥


鉄人形たちと勝てない戦いに挑むとする‥


いや、まてよ。


今日は恵がいるじゃないか!


2人で戦えば‥


「マルコイさん、さすがです!かっこいいです!」


恵が床でビタンビタンしながら応援してくれる。


あ、君はまだ回復してないのね。


しょうがない‥

1人で戦うとするか‥


「わかりました!これ程の料理を私が作らせていただけるのであれば、是非ホット商会に入れていただきたいと思います!」


ん?


「この街の名物になるような料理やから、よろしく頼みます。材料や調理器具なんかはホット商会が格安でおろすさかい、街の復興のためにも張り切って商売してください。」


先程まで涙目だったのに満面の笑みになっている店主と、何故かキリーエが熱い握手を交わしている。


「プリカがこれから発展していくには、皆さんの力が必要や。よろしく頼みますわ!」


キリーエさん‥


もう料理をメモする段階を通り越して、目の前で契約するって仕事早すぎないですか‥










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