第770話

アキーエ、キリーエと別れた俺たちは、無事に教会に辿り着いた。


「ふふ。またこうやって女神像を見る事ができるとはな‥本当に助かった、ありがとうマルコイ。」


王様が女神像に祈りを捧げた後に、俺に深々と頭を下げる。


「いえ、俺たちはイェルンさんに依頼されただけですよ。礼ならイェルンさんに言ってください。そしてこれからは王様の依頼で動かさせてもらいます。」


「‥‥‥ふふ。そうか。貴公のやっている事は英雄のそれなのだがな。あくまでも依頼と言うわけか‥わかった、この依頼を無事に遂行してもらったら、それ相応の報酬を渡すとしよう。」


報酬か‥

別に報酬目的で動いてるわけじゃないんだけどな‥

王様のためなんだけど、面と向かって言うのは気恥ずかしい。

そしてくれるならお金がいいです‥


「王よ!そんな事より女神像を見てください!この女神像は何と我らのために神々しい光を放ってくれたのです!そしてタルタルソースなる神聖な食べ物を捧げましたら、それに応えるように再度光を放ってくれました!」


「ちょっ!」


何を言い出すんだこの人は!

そんな事言うと駄女神が調子に乗るって!


「な、なんだと?いや、しかしわからなくもない‥あのタルタルソースたるものは神の食べ物と言っても過言ではない美味さだからの‥」


いや、王様も何乗っかってんの!


「いや、イェルンさん!その話は全て終わってからとか言ってませんでした?」


「え?もう王も救出できたし、マルコイさん達がいるから解決したようなものでしょ?だったら早めに王に報告しないと。」


何言ってるのコイツ。

色んな事があり過ぎて頭がはっちゃけてるんじゃないだろうか?


「俺がいるからって解決できる話じゃないでしょう!今から味方を増やすために活動しないといけないんでしょ?俺たちがヨエクを爆破していいなら話は早いですが、それじゃあダメなんですよね?だったら今は女神像なんか放っておいて、建設的な話をしましょう!」


「確かにマルコイさんの言う通りです‥ですが、女神様を放っておくわけにはいきません。王と共に祈りを捧げておきます。」


「そうだな。」


王様とイェルンさんが頭を下げて祈り始めた。

女神像は2人に見えないように眼だけ光らせている。

俺に自慢するかのように。


本体がいるのであれば、ものすごいドヤ顔してるんだろうなコイツ‥


よかったな、これから定期的にタルタルソースを献上してもらえるぞ。


だけどそのためには、この王様にまた返り咲いてもらわないといけないからな。

だからちょっと静かにしてなさい。


すると女神像の眼の光が薄くなりやがて消えた。

なんだか寂しそうな様子に見える‥


はっ!

いかん、いかん。

騙されるな。


早いとこ王座を奪還してここの女神像には近寄らないようにしないと‥


「それじゃあ早速これからの動きについて話をしましょう。」


「そうだな。どうしたイェルン?」


「いえ、マルコイさんのお仲間の事が気になりまして‥アキーエさんもマルコイさんと同じくらい強いんですよね‥?」


「そうですね‥2人ともかなり強いですよ。」


ふふん。

仲間が褒められるのは自分の事のように嬉しいな。


「いや、マルコイさん‥そんなお2人に遠慮しなくていいみたいな事を言ってませんでした?」


ん?

確かに王様も救出したから、そんなに我慢しなくていいって感じの事を言ったけど‥


その時、教会が揺れる程の轟音が響く。


「なんだ!一体何が起きた!?」


えっと‥


すると続け様に鳴り響く轟音。


おそらく俺の予想が正しければ‥


「王よ‥おそらくこの音はマルコイ殿のお仲間の放ってる音と思われます‥」


あ、やっぱりそう思う?


「そ、そんな馬鹿な‥建物が揺れたんだぞ?こんなもの天災ではないか‥そ、それがあの別れた2人なのか?確かアキーエとキリーエと言っていたな‥」


「ははは‥別れる時にあんまり遠慮しなくていいって言ってしまいましたからね‥」


アキーエさんには禁句だったかも‥









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