第454話
翌日。
俺たちは目的地である場所に向かっていた。
「この辺でいいかな。」
俺は空から見つけていた場所付近に到着して、みんなに声をかける。
森の入り口辺りで、中に入ってしまえば大人数でも遠目からでは見つける事はできないだろう。
「クワイス、スネタさん。この辺で野営準備をしよう。」
「了解だ。」
「はい。承知しましたわ。」
2人の団長はそれぞれの傭兵団に声をかけて野営の準備を行っていく。
これから何日かかるかわからないけど、とりあえず食事に関しては1ヶ月分はあるから大丈夫だろ。
それに食事に関しては俺がホットモールまで戻って買ってきていいからな。
あって便利な『スペース』さんだ。
ミミウ用の食材を使っていいなら1年分はあるんだけど‥
ちなみにミミウ用の食材はエンチャント:氷でしっかりと冷凍してるからまだまだ大丈夫と思われる。
よし。
待機場所も決まった事だし、次はお楽しみの魔道具お披露目の時間だ。
「それじゃあまずは『アウローラ』に木偶爆弾を配布しまーす!」
木偶爆弾と羽根人形のコンボは前から考えていたものだから、『アウローラ』の人たちも特に問題なく木偶爆弾を受け取っていく。
クワイスだけはため息をついていた。
頭のいいクワイスの事だから、先の事まで考えてしまったんだろうな!
大丈夫!
もし魔道具の出処を聞かれたら、近くの遺跡で発掘されたって言えばいいと思うぞ。
俺がちゃんとミミウに頼んで、遺跡っぽいのは作るから心配ご無用。
そしてそれを壊しておけば、あらぬ疑いをかけられる事もないだろう。
いや、そうなると新しい魔道具を作る事ができなくなるから不味いな‥
それならいっその事、侵入者防止の魔道具とか作った方がいいのかな?
それにここで目立ってしまったら、俺の秘密基地まで目をつけられるかもな。
しかし今更こんな楽しい事をやめられるわけもないし‥
しょうがない、秘密基地や遺跡への侵入者撃退と、その他魔道具なんかにも盗難防止の処置をしていた方がいいだろうな。
色んな人で実験を試してみたいけど、心ない人に使われるのは作り手としては阻止したいからな。
馬鹿みたいに魔力を使わないと起動しないような魔道具を作ったりしてみるとしよう。
あとは使用者登録とかできないかな?
登録者以外が使うと爆発して、頭をアフロになるとか。
そうだな。
その辺は一度全ての魔道具につけるとしよう。
それじゃあ今回の楽しい遠足が終わったら、遺跡作りと侵入、盗難防止の魔道具を作るとしよう。
だが今はそれより実験の準備をしなければ。
「それじゃあ次は『ガルベスト』用の魔道具を出しますね。」
「ありがとうございます。使い方もこの場で教えていただけるとの事なんですが、すぐに扱えるようになりますか?」
「『アウローラ』に渡した羽根人形みたいに空を飛ぶわけではないので、動かし方もそこまで難しくないと思います。地上移動用だからスネタさんとエルエス兄さんも使って問題ないと思います。ただ戦い難かったら外した方がいいかもしれません。」
俺はそういいながら『スペース』から魔道具を出す。
「移動用の魔道具の『脚がいっぱい速いぞ君』です。」
俺が『スペース』から出したのは、蜘蛛のような脚が6本ある乗り物だった。
脚の1本1本は人の脚の大きさくらいだ。
それが6本ついており、その中央に人が乗るようにしている。
座って乗る物ではなく、腰の周りに脚をつけたようになっており、多少は目線が高くなるが地上で戦う時に違和感があまり出ないようにしている。
「これは羽根人形のように言葉で指示して動くのではなく、使ってる人の脚の動きを真似て動きます。真ん中に乗った時に、少し身体が浮いた状態になりますが、その中での動きを外側の6本の脚が同じように真似て動く感じですね。」
6本脚があったら速いし、色んなとこでも動けるだろうって思って作ってみました!
「何か質問ありませんか?ないなら早速使ってみませんか?」
俺も動いてる所見るの初めてだ。
楽しみだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます