ストーリー75~78

ストーリー75:到着そして突入


登場人物

ラムル、バンズ、ポートル、ジャン、ピコ、フライ



 フライ「まもなく目標の地点に到着。」

ポートル「周囲を調べて。」

ラムル「ジャン、周囲の不審な電波異常の確認して。」

バンズ「ピコ、指定座標確認。フライに同期してマーデクトの機体安全確認。」


 水の惑星に接近したマーデクト。それぞれ確認作業の画。


 フライ「衛星軌道に達した為停止します。」

ジャン「異常無し。」

ピコ「指定座標にて停止確認。」

ポートル「フライ。ここから予定着陸地点までの状態の安全確認をお願い。」

フライ「確認します。ポートル様。」

バンズ「さまになってきたねーポートル。」

ポートル「やだぁ、からかわないで!」

ジャン「大気状態に異常ありません。」

バンズ「途中の障害が無ければ降りていいんじゃない?」

ポートル「うん。降りられそう。」

ラムル「私は初めてだから高みの見物―。」


 衛星軌道上で停止しているマーデクトの画。


 ポートルoff「フライ。大気圏突入許可。着陸予定地点上空で一旦停止よ。」

フライoff「了解、ポートル様。……マーデクトのステルス異常無し、降下します。」


 画はゆっくり下降するマーデクト。


 地球上からの見た目のマーデクトに変わる。


 ゆっくり下降してくるマーデクトの画。


 マーデクトメインルームに画が変わり、

フライ「着陸予定地点上空に到達。一旦停止。」

ラムル「ジャン、周囲の確認に移って。」

バンズ「ピコ、着陸地点周囲のサーモグラフチェックして。

フライ「いずれの解析もグリーン。着陸出来ます。」

ポートル「OK。そのまま着陸許可。」


 前回着陸した原っぱ(フィールド)に降下していくマーデクトの画。


 Fade-out。



ストーリー76:ラムル初上陸


登場人物

ラムル、バンズ、ポートル、ジャン、ピコ、フライ



 フィールドに着陸したマーデクトの足回りの画。


 画面変わってマーデクトのメインルーム。


 バンズ「はいっ、到着。」

フライ「マーデクト、ステルス異常無し。着陸地点異常無し。」

ラムル「画像の通りね。緑が多いわ。」

ポートル「変な生き物がいっぱいいるんだよぅ。」

ジャン「生体反応みられません。」

ラムル「いいじゃないポートル、それも生命の息吹よ。」

バンズ「周囲確認の報告して。」

ピコ「大気異常ありません。生体反応無し。サーモグラフ反応無し。準備出来次第出られます。」

ラムル「ちょっとちょっと。まだ外に出るのは待って。」

ポートル「変な生き物いっぱいだから?」

ジャン「この星の昆虫という生物のようです。ここから確認出来る種類はおよそ50種を超えます。ラムル様達に影響はありません。夜行性の生物がおもの様で、暗くなると80種程は確認可能。」

ポートル「もーその昆虫ってやつ嫌い!。昼も夜も確認しないでいいよぅ。」


 ラムル、バンズは苦笑い。


 ラムル「周囲の様子から調べていきましょ。」

バンズ「ちょっと……ちょっと待ってくれよぉ……。ポートル。建物が無くなってるよ。」

ポートル「えっ⁉︎場所間違ったの?」

フライ「着陸地点に間違いありません。データの座標です。」

ポートル「フライ、建物が有った地点にカメラ向けて。」


 モニターテーブルにマーデクトのカメラ画像。


 360°見たが見当たらなかった。


 バンズ「更地になってるよ。」

ポートル「物騒な連中に見つかったからかなぁ。」

ラムル「その可能性は十分あるんじゃない?狙われていたなら場所も知られているはずだし。」

ポートル「フライ。マーデクトのサーモ感度上げて建物の有った場所を調べて。」

フライ「かしこまりました、ポートル様。」


 林の合間に、別荘のスペースだけサーモ反応。


 フライ「整地したのは最近の様です。周囲と若干の違いが見られます。画像、出します。」


 モニターには、更地になった画像。別荘スペースだった所だけ色違いが見える。


 ポートル「フライ、この色違いは何?」

フライ「土壌成分の分析結果を色分けしました。一部他の地域から運んだ土壌と確認出来ます。」

ポートル「なるほど。別荘は物騒な連中にやられた訳ではなさそうね。グランは無事なのかしら?」」

ラムル「グランって人はもうここに現れないかも知れない……。」

バンズ「うん、それもある。グランって人は軍の上官って言ってた。物騒な連中は反逆軍なんだって。……狙われる身分なら、当然滞在の証拠は消すよね。」

ラムル「あー私達、無駄足―⁉︎」

バンズ「まぁまぁ、無駄足かどうかはもう少し調べて決めてよ。アタイは資料の採取もあるから少し出てくる。」

ラムル「そうね。ここを拠点に調査範囲を広げれば何か分かるかも知れないもんね。……私、どうしてもグランって人に会って話さなきゃならないから。」


 画面転換。



ストーリー77:グランの面会


登場人物

グラン、オーツマン教授



 総督室。グランは科学誌を読んでいる。


 オーツマン教授の論文が有り、読んでいた。


 オーツマン教授の論文のあとがきにこんな一節が紹介されていた。


 「……地球と似たような惑星は幾つもあると思います。当然、生命の進化が地球と似ている事も十分考えられます。地球と似た条件下の惑星なら、生命体の進化過程も似ていると考えています。太陽系外、いや、天の川銀河以外にも関心を広げたいものです。」

……と締め括られていた。


 オーツマン教授の私的な目線であるのは言うまでもないのだが、グランが感じたのはオーツマン教授の考えは仮定ではないと言う事だった。


 早速グランはオーツマン教授にアポイントを取り、訪問するのだった。


 連邦立宇宙研究所(FSL)の施設へやってきたグランの車。

正面の車寄せに停まるグランの車の画。


 正面受付カウンターのモニター。


 グランの身分証を提示する手元画面から、モニターへ。


 オーツマン教授のいる場所が指示されている画。


 エレベーターから出て来るグラン。手前に歩いて来る画まで。


 オーツマン教授は、次期探査機のプロジェクトに参加している。

その開発室である。


 入室するグラン、迎え入れる教授の画。


 オーツマン教授「総督。暫くぶりの再会ですな。」

グラン「教授、お変わり無くなによりです。」

オーツマン「総督、ここへどうぞ。」


 シートを勧めるオーツマン教授。

 2人の画。


 オーツマン「突然の連絡で驚きましたよ総督。して今日はどうされました?」

グラン「教授の論文、読ませていただきました。素晴らしい内容ですが、今日伺ったのは、論文のそれでは無く、最後のあとがきが気になりましたので……。」

オーツマン「あれですか。……あれは単なる私の独り言ですよ。夢の中の話です。」

グラン「私はそうは思っていません。だからこうして伺った。教授の話を詳しく知りたいので。」

オーツマン「総督がそこまで外宇宙に関心がお有りだとは……。」

グラン「これは理論でも何でもありません。今までの地球人が地球の物差しで考え過ぎていた結果、見えなかっただけだと思います。教授はそれをお考えになっている。」

オーツマン「悲しいかな。確証が得られない事象については、たわごとに過ぎん。誰に訴えようとも賛同する者はいなかった。だが私は私の信念としてあとがきに加えさせてもらったんだ。……編集者の苦い顔ったらなかったがな。」

グラン「いえ。あの言葉こそ地球の未来を見据えた言葉です。」

オーツマン「総督。……グラン総督といったな……。……地球の未来はあなた方、そして後世の者達に託されている。私達に寿命があるように、惑星ほしにもある。運良く今の私はまだ平穏な地球のもとで死ねそうだがね。……しかし後世の者達はどうかとよく考える。……先の地殻変動、大陸は大きな3つになってしまった……。だがそれは地球がクシャミした程度なんだよ。……そのあと、いつ巨大隕石がやってきて滅びるかもしれん、いつ太陽に飲み込まれるかもしれん。……この太陽系だって同じ事。……いつ天の川銀河に吸い込まれるか、いつ別の銀河が衝突するか……。グラン総督。あなたは考えた事が有りますかね?」


 グランは何か悟られたかの様に、オーツマン教授の言葉に耳を傾けていた。


 グラン「今一度、じっくり考えてみようと思います。……教授、またお会いしたいと思います。今日は教授にお会い出来て光栄の極み。教授のお言葉は心に刻み今後忘れないでしょう。ありがとうございました。」

 言って立ち上がるグラン。部屋を出る。


 オーツマン独り言off「今の連邦軍のおさは熱心なヤツだな。……あんなヤツが責任者だったとは……。老ぼれでももう少しの間、生きててもいいかもしれんな。」


 Fade-out。



ストーリー78:グラン現る


登場人物

グラン、秘書官、ラムル、バンズ、ポートル、ジャン、ピコ、フライ



 ある日の連邦軍総督室。


 グランはHMの訓練が終わり戻ったところだ。


 グランが秘書官に連絡。


 グラン「私の休暇日はいつからか確認を頼む。」

秘書官「分かりました。調べます。」

少しして秘書官から連絡が来る。

秘書官「急用でしょうか?総督。時間は取れますが……。」

グラン「数日間、離れたい。」

秘書官「明日から3日間、休暇に出来ます。」

グラン「分かった。そうして欲しい。いつもの場所だ。連絡は取れる様にしておく。」

秘書官「かしこまりました。」


 グランはオーツマン教授との接見も有り、また物思いにふけりたいのだろう。


 画面は変わり、別荘シェルターに向かうグランが運転する車の画。


 山間を走る数カット。


 グラン独り言off「反逆軍の行動に不審な動きが見られないのは都合がいい。少しゆっくりしよう。」


 シェルターから少し離れた場所に車を停め、歩いて向かうグラン。


 林の中を歩くグランの画。


 武器などはもちろんだが、滞在中の物をバッグに背負っている。


 マーデクト内メインルームに画面転換。


 バンズは資料採取を終えて戻っていた。


 フライ「ポートル様、生体反応有り。解析します。」

ポートル「な、何なに⁉︎急に何よっ。」


 周囲観察に気を取られていた3人だった。


 ポートル「フライ、画像出る?」

フライ「はい、ただいま。」

まだ明るい林の中、歩いて来る人。

バンズ「……この間の人……みたいだね。」

フライ「解析終了。グラン=ジョリーと同一と確認。」


 ラムル、目を見張る。


 ポートル「建物潰したんじゃなかったの⁉︎」


 シェルターの入口は、盛り土と木々でカモフラージュされていて、目では分からない。


 入口を入るグラン。重い扉が閉じる。


 フライ「追跡不能、追跡不能。」

バンズ「そこに建物は無いんじゃなかったのか⁉︎」

ラムル「レーダーはどうなの?サーモで検出出来なかったの?」

ポートル「マーデクトの画像も何も無かったよぅ。」

 

 ラムル「これは近くまで行って確認しなきゃ分からないわね。」

ポートル「すぐそこじゃん。何で反応無かったの?」

バンズ「物騒な奴らから逃れる為……じゃないのか?」

ラムル「上空からも地上からも反応無かったんだから、そこまで行かなきゃ分からないって事よ。」


 ポートル「出て行くのぉ〜〜〜?」

ラムル「対面しなければスーツのステルスは有効でしょ。」

バンズ「まぁ確かにその通りではある……。」

ポートル「昆虫っての嫌〜〜〜。」(半泣き)


 ラムル「そんなに遠いわけじゃないし、行きましょ。」

ポートル「ドア、ノックして、はぁいどなたー?ってー?」

バンズ「正解。」


 ラムル「周囲に異常があったら直ぐ教えて。ジャン、あなたはサーモでマーデクト周囲の監視。ピコ、通信傍受よ。」

バンズ「さて、行こうかね。皆んな、スーツのIDから音声メモリー頼むよ。」

ラムル「じゃ、行こ。」


 乗り気じゃないポートルを引きずりながら(?)マーデクトのハッチを出る3人の画。歩いて行く。


 バンズ「なるほど、ここか。」


 そこには、扉だけが見える場所だった。それ以外はカモフラージュされている。


 バンズ「IDカードに顔認証、虹彩認証。……凄いね、アタイらじゃ入れないや。カメラが無いのが幸いだ。」

ポートル「どうするの?ラムル?ピンポン付いてないよ?」

ラムル「探知出来なかった……。それなりの材質の扉なんだわ。」

バンズ「カメラがついてないけど、カメラ付きで私達がステルス無しだったら中から見られてバレるんだろうね。」

ラムル「ジャン、聞こえる?ここの場所メモリーお願いね。」

ジャン「了解、ラムル様。」


 バンズ「ピコ、その後どう?」

ピコ「何も異常は確認出来ません。生体反応は3人のみ。」

バンズ「ここにドアがあるだろ!」

ピコ「フィールドのみ確認。生体反応3人。」

バンズ「はぁー?。このドアは特殊な材料使ってる。つか、ドア以外も同じだね。居住スペースも探知出来ない作りなんだ。」

ラムル「もー、じれったいっ!」


 ラムルは思い切りドアを叩いた。

ポートル「隠れよー。」

バンズ「隠れたってアイツの目では見えるよ。」

ポートル「でも、木の影に隠れとこ。」


 3人は木の影に隠れる事にした。少ししてドアが開き、グランが顔を覗かせた。


 グラン「獣でも追突したのか⁉︎」


 辺りを見回すグラン。


 微かに枯葉を踏んでいる音が耳に入った様だ。


 グラン「誰だ!」


 3人はスーツの腕を指差す。


 バンズ小声「言語解析、音声マイクセット。」


 ラムルとポートルも同じく行動する。


 グランはドアの周囲を見て回っている。


 3人は木の影で、誰が最初に出て行くかを合図していた。(2、3カットで面白く見せよう)


 結局、ポートルが出ていくようだ。


 ポートルが木の影から出て行く画。


 足音に気付き振り向くグラン。


 ポートル「グラン。私です。」


 グランはステルスのポートルが一瞬見えなかったようだったが、

グラン「き、君はあの時の!」


 グランの抵抗が無いのを確認して、ラムルとバンズも出てきた。


 グラン「君達。……今日は3人……なんだね。」

バンズ「驚かせてごめん。」

ポートル「用が出来て、来ちゃったのよ。」

グラン「確か……君はポートル。君はバンズ……だったね。もう1人は?」

バンズ「アタイらの友人。」

ラムル「ラムル=カーレイです。」

グラン「俺はグラン。グラン=ジョリー。話は中でしよう。この辺でウロウロしたくないからな。さ、中へ。」


 促された3人、シェルターに入っていった。


 階段を降りて居住スペースのようだった。


 冷たい壁に囲まれている。


 グラン「中は広いんだ。部屋も分かれている。」


 リビング(?)に通された3人。


 グラン「すまん。人数分のシートが無い。カーペット敷きにラグなんだが、その辺に座ってくれ。」

バンズ「アタイは構わないよ。」言って床に腰を下ろすバンズ。

ポートル「シートは要らないわ。」


 ポートルもラムルも床に腰を下ろした。


 グランも彼女達の近くに腰を下ろす。


 グラン「あの時は……ゆっくり話も出来なかったが、ここは安全だ。少しは落ち着いて話せる。」


 彼女達3人のステルスはそのまま。


 バンズがラムルを見て、胸のステルス装置を軽く指差した。


 ラムル「やっぱり聞いていた通り。あなたは私達が見えるのね。」

グラン「その話か。スーツの君達は見えているよ。」


 ラムルは軽く息を吐くとステルスをoffにした。

バンズとポートルもそのようにする画。

 ディゾルプ。

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