ストーリー18~21

ストーリー18:母の優しさ


登場人物

ルイス、ラムル、カウル



 地下のメインルーム内。


 ルイスとラムルは向き合って座っている。


 ルイス「水の惑星ほしでの一部始終はカウルにデータが残っているはずなの。そして、ここの制御システムには水の惑星ほしのデータが。」

ラムル「水の惑星ほしのデータは私持ってるわ。……でもカウルの中のデータは……。」


 ルイス、立ち上がりカウルの側による。


 カウルの画、ルイスoff「多分カウルは滞在中のデータをメモリーしてあるでしょう。ただ、スカーレットさんのデータは分からない。当時カウルは宇宙船ふねで指示を受けていただけだから。」


 再び座るルイス。


 ラムル「当時の着陸地点の座標や画像が残っているのかしら……。父上はどうしてデータを消さなかったの?周辺データや位置データなら要らなくなったでしょう?」

ルイス「それは……。ブロントが消せなかったのは……きっと……あの時の思い出なのかも知れないわね。消してしまうと全てを忘れてしまう。……その後の水の惑星ほしが悪い発展をしてしまうんじゃないかと気になって……。それで消せなかったんだと思うわ。」

ラムル「もしスカーレットさんに子供がいたら……。父上はそれも心配だったのかも……。」

ルイス「ええ、そうね。ブロントが調べた限りでは、生まれてくる子供には間違いなく特殊能力が備わるだろうって。それがどういった能力かは生まれてこなければ分からない。G15の総司令の様な極悪な者になってしまったら、いずれノアーナが危なくなるかも知れない。それを度々アクセスしては様子を見ていたのでしょう。」


 ルイスは立ち上がると、

ルイス「……さて、そろそろ上がりましょうか。食事の準備をしなきゃ。」

ラムル「ありがとう母上。また連れて来て欲しいな。」


 ラムルも立ち上がる。


 ルイス「ええ、いいわよ。いつでも。……さ、行きましょ。」


 照明が落ち、扉が閉じるまでの画。



ストーリー19:疑問


登場人物

グラン=ジョリー、管制官、総司令部オペレーター



 地球連邦軍、ヒューマノイド=アーマーの格納庫。


 グラン=ジョリー機のコクピット内。


 グラン=ジョリーoff「あの時の薄っすら見え隠れしていた宇宙船、あれは何だったのだろう……。星と見間違えたのだろうか……。」


 自問自答のグラン。


 ペンダントの紋章をover-up。


 グランoff「大気圏外のパトロールを強化する必要があるかもしれないな……。」


 モニターon。

グラン「先日の訓練中のデータを全てピックアップしておいてくれ。これからそっちへ向かう。」

管制官off「了解しました総督。準備しておきます。」


 格納庫を去るグランの後ろ姿、画面fade-out。


 一方地球連邦軍総司令部……。


 オペレーター「総督、先の訓練中のデータ、抽出完了しました。地球磁場に若干の歪みが見られるものの問題無いデータでした。各ヒューマノイド=アーマー周囲に付きましても、同様のデータでした。」


 オペレーター脇に立つグラン=ジョリー総督。


 グラン「良かろう。ご苦労だった。次回戦闘訓練も周囲の警戒を怠らない様に頼む。」

Fade-out。


 ノアーナ対策軍オートメッセージ(OM)


 OM「こちらノアーナ対策軍。緊急事態、緊急事態。自立移動惑星G15接近中。ノアーナ全土の住民は、速やかに使用エネルギーを最小限に設定して暫く過ごして下さい。繰り返します。速やかに使用エネルギーを最小限に設定して暫く過ごして下さい。解除通信をお待ち下さい。解除通信をお待ち下さい。」


 ノアーナ星の平和な日常、度々この時は非日常となる。


 G15を安全な距離に回避するまで。


 当のG15はと言えば、リターナ戦役の際、ノアーナまで影響を受けて消滅したと考えられている様で、特別探知しようとまでしてこないのだった。


 暗い宇宙空間に、遠くからG15がゆっくりとやって来る画。

画面を通過して行く。


 星の瞬き、そして暫くの時間が経つ……。


 OM「こちらはノアーナ対策軍。緊急事態宣言解除、緊急事態宣言解除。オートメッセージ終わります。」


 ようやく緊張から解かれるノアーナ各都市のシーン数カット。



ストーリー20:反逆軍


登場人物

ナレーター



 ストーリー10の一部リピ。


 ナレーション「……今、新たに誕生した地球連邦国。人口は数千万人。やがて平和が戻っていた。ところが一部の反連邦国を支持する者が大陸地下へと結集、小さな戦争が度々発生する時代に変わった。……その反逆軍は、連邦国の有力者の暗殺をいくつも企て実行する。その度に連邦国軍が応戦し、辛うじて勝利している。…地球連邦国軍総督であり、軍責任者グラン=ジョリーもこの暗殺対象であるのは間違いなかった。」


 シーンに合わせた数カット(静止画でも可)希望。



ストーリー21:ロックされたカーラントへ


登場人物

ラムル、ポートル、バンズ、ジャン、ピク、ピコ、ブロント、フライ



 ジャンを連れて歩いているラムルの画。

ラムル「ジャン、ポートルに連絡して。バンズのドックに来てって伝えて。」

ジャン「かしこまりました。ラムル様。」


 ジャンの通信のモニター画面。


 ポートルoff「ジャン?待ってたわ。遅いじゃない。…ん?バンズのドックに?…。…ったく、もう居るわよってラムルに言って。早く来なさいって。」


 ジャン「ラムル様。既にバンズ様のドックでお待ちのようです。」

ラムル「やっぱ察するよねぇ…。さ、急ごジャン。」

ジャン「了解です。」


 急ぎ足のラムルとジャン、手前から奥への画。


 ディゾルプ


 画面はバンズのドック内メインルーム。


 ポートル「遅いじゃないラムル。結果はどうだった?」


 バンズ「その顔じゃ、思っていた通りって事だね。アタイは心配だからピコと聞いてたけど。」


 2人が座る側まで行くとラムルにもシートがお出迎え。


 座るラムル、ジャンはピコの横に移動。


 ラムル「やっぱり思ってた通り。暫くはカーラントで宇宙そらへ出るなって。私が先に部屋を出たけど、父は直ぐにカーラントをロックしに行ったと思う。」

ポートル「ラムルのカーラントは使えなくなった……か。」


 テーブル代わりのピク、ラムルにも飲み物を出す。


バンズ「ロックったって、たかだかパスワードだけでしょ?直ぐに飛べるように出来るって。」

ラムル「そんな事したら父に歯向かう事になるって。それはちょっと避けたいなぁ……。」

バンズ「えー⁉︎……じゃあ今後の移動、どうするつもりー?」

ラムル「うーん、それなんだよね。カーラントは最新のステルスと推進装置を装備してたから水の惑星ほしまで行けたけど、他に代わりの宇宙船ふねは無いもんねぇ…。」

バンズ「そぉねー……。ポートルの宇宙船ふねはどお?」

ポートル「私のマーデクトを?……ダメダメー。ステルスも新しくないし、水の惑星ほしまで飛べないんじゃ……。」

バンズ「そこはこのバンズ様にお任せあれ!カーラントのステルスデータが有れば移植しちゃうよーん。推進系統もグレードアップしちゃお。」

ポートル「はぁ?水の惑星ほしまで飛べるの⁉︎やだぁー冗談でしょ?」

バンズ「ジャンが居るしぃ、データ移植は問題無い!ちょっち推進系が気になる所かなー。」

ポートル「そ、そんなもんなの⁉︎」


 バンズのドヤ顔。


 ディゾルプ又はワイプ


 ポートルがマーデクトを取りに戻る間の一時。


 バンズのドックの外にラムルとジャンの姿。


 ラムル「ジャン、カーラントのステルス装備のデータを取り込んで来てくれる?」

ジャン「カーラントはロックされているのでは?」

ラムル「アクセスしてみて。ここからじゃデータを取れないと思うわ。」

 ジャンのモニターを開く。


 ジャン、カーラントにアクセス中の画。直ぐにアクセス不可の画に変わる。


 ジャン「ラムル様のおっしゃる通り、カーラントはロック中。アクセス出来ません。」

ラムル「でしょ。ここはジャンにひと役買ってもらうわ。自分のパーツを取りに来たと父上に伝えて。必要パーツを取りに中に入ったらデータを取り込んで。仮病でも使って上手にね。はい、トランク乗せて。」


 ジャン、汗は出ないが、(汗)&(苦笑)


 ジャン「仕方ありません、ラムル様の指示ならば了解です。」

ラムル「うん、ジャン。頼りになるわ、お願いね。私はここに暫く居るから。カーラントからここへは通信を避けて、終わったらここへ来て。」

ジャン「了解しました。では向かいます。」


 ジャンが表通りからカーレイ邸に向かう画。


 ラムル見上げる。


 遠くからポートルの宇宙船マーデクトが飛んでくる。


 バンズのドックに格納されるまでの画。


 バンズ「さすがポートルの宇宙船ふねね。ここまで呼べるとは、おりこうさん。」

ポートル「取りに行くより早いからさー。私のいる所になら来てくれる。フライがサポートするから。でもそれ以上は無理よ。」

バンズ「フライがも少しおりこうならポートル要らなくなる。」

ポートル「えーそれひどーい。」


 ラムルが外から戻ってきた。


 ラムル「マーデクト来たわ。……あら?ポートルが乗ってるとばかり思ってた……。へー遠隔ね、すごーい!カーラントでは出来ないから羨ましいよー。」

ポートル「で、ジャンは?」

ラムル「今カーラントに行ってもらってる。中に入れればジャンだけで十分。」

バンズ「ジャンだけで長官がロック解除してくれる?」

ラムル「そこは仮病でも使って上手く入れると思うわ。」


 ジャンの姿over-up後、ワイプ(人間ならクシャミシーンだろうが、メカなのでそれ風の画が欲しい)


 カーレイ邸、リビングのブロントに近寄るジャン。


 ジャン「ブロント様、ドックのカーラントにロックがかかっており中に入れなかったのですが、ブロント様のパスワードによるものと解析しました。」

ブロント「ジャンか、すまんな。しばらくの間カーラントには入れん。」

ジャン「あああ(困った様子を表現)、私の交換パーツを取りに来たのですが……。あいにく私はメンテフリーではないので……。」


 ジャン、背中に付いていた少し大きめのトランクを下ろし、開けて見せる。


 トランクのUP。


 ジャンの交換パーツを入れる物なのが分かる画。中身はスカスカ、パーツがほとんど入っていない。


 ジャンoff「主要パーツも含めて補充したいのです。お願いします、ブロント様。入らせてください。」


 ブロント立ち上がり、「やれやれ、お前のご主人様はメンテナンスもしてくれんのか(苦笑)。分かった。来なさい。」


 ディゾルプ


 カーラントのドック。制御盤の前のブロント。ジャンは既にカーラントのハッチが開くのを待っている。


 やがてハッチが開く。


 ジャン「ありがとうございます、ブロント様。少し時間をください。」


 ブロントの背中ナメ、中に入って行くジャンの画。


 カーラント内部、メインルーム。


 ジャンは背中からトランクを下ろす。ジャンの手元UP。


 トランクにジャンのパーツではない物を収めていく。その一つのパネルらしきに操作するジャン。


 ダウンロード中が分かる画。


 ジャンは別のパーツ入れで蓋をすると自分の交換パーツを取りに向かった。


 再びジャンの手元。パーツを収めている。


 ジャンの背中、トランクを閉じ振り向くまでの画。


 カーラントのハッチから出てくるジャン。


 ジャン「ブロント様、お待たせしました。」


 再びトランクを下ろし、ブロントに開けて見せ、

ジャン「これでしばらく交換パーツに困らなくて済みます。」

ブロント「そうか、では閉じるぞ。カーラントには乗れんから承知しておいてくれ。」

ジャン「大丈夫です。私は当分は問題ありません。では、失礼します。」


 ジャン、急ぎ足(風)でカーレイ邸を去る画。

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