第132話 そうだ、王都へ行こう! 27 リーガルと異世界騎士、俺様


「ラビコ、なんかあれだな、その……俺なりに頑張ってラビコを守ってみせるよ。微力で頼りないのは情け無いけど」




「んん~? 社長~何言って~……あ~社長って変なところでは勘がいいからな~大丈夫さ~今の私にはこうやって同じ席囲んで、同じ物食べてバカ話出来る変人がいるからさ~」


 俺の表情に何か察したらしく、ラビコがニヤニヤと笑って俺達の顔を見る。




「あっはは~それにこ~んないい物貰っちゃったし~これ付けているだけで守られている気がするんだよね~ふっしぎ~あっはは~」


 ラビコが左手の指輪を大事そうに撫でる。




 騎士達が指輪に気付き騒ぎ出す……あ、これ……。




「それ分かります。なんかもう、これ付けていないと不安になったりします。物には何かが宿るとかいう不思議なお話もありますし、そういうものなのでしょうか、ふふ」


「……私のマスターへの想いの証……初めて貰った大事な物……」


 ロゼリィとアプティも指輪を見せる。


 大事にしてくれるのは嬉しい……が、出来たらあんまり人に見せないで欲しいなぁ、なんて。





「お前達! 無礼だぞ、下がれ! ラビコ様がお優しい方だからと甘えるんじゃない!」




 一人の男の騎士が颯爽と現れ、ラビコを囲む騎士達を追い払った。


 あれ、この声リーガルか?



「失礼をいたしましたラビコ様。長旅でお疲れのところ申し訳ありません……ラビコ様、その左手に輝く指輪は……ハッ! お、おめでとうございます! ご結婚なされたのですね! このリーガル心よりお祝い……」


「っぉおおおおお! 俺の世間体を守るターァックルゥゥ!」


 俺は全力でリーガルにタックルをかました。死角からの完璧なタックルで悪者は床にうつ伏せさ。









「も、申し訳ありませんラビコ様! とんだ勘違いを……」



 リーガルにキチンと説明。


 三人に感謝の意味を込め、贈った物だよ。



「ん~別にそっちの意味でもいいんだけど~そうしたらもう変な欲まみれの男達からの求婚も来なくなるし~」


 あ、うーん。そういうのは防げるかもな、感謝の意味のリングでも。





「やぁ久しぶりだね、聞いたよ。ソルートンでの君の活躍、この王都で結構話題になっていたよ。なにせサーズ様が君を絶賛していたからね」


 リーガルが俺に笑顔で言う。王都で話題……だ、と。


「僕も見たかったなぁ……まさかあの銀の妖弧を殴り倒して追い返すとか、偉業を成し遂げた英雄じゃないか。さすがラビコ様とサーズ様が認めているだけはあるね、すごいなぁ……その話を聞いたとき、もう心がワクワクしてしまってしょうがなかったよ」


 悪いが、そんな格好いいものじゃない。予想が当たっただけのラッキーパンチだよ。




「君、この国の騎士になったらどうだい? 僕も君に能力を見破られただけじゃなく、剣を砕かれ負けてしまったし、あの時は街の人とか言っていたけど、君が騎士になってくれたら僕が負けたことにも箔がつくんだがなぁ。あはは」


 騎士、それ格好いいな。




 異世界騎士、俺。


 なんか俺物語が始まりそうなタイトルじゃないか。











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