第130話 そうだ、王都へ行こう! 25 お城に元気に泊まろう様


「うううううううー無理ですー無理ですー……」




 お姫様がわざわざお城の来客用の部屋を俺達に解放してくれた。



 こんなところに泊まれるなんてもう一生ないだろうから、たっぷり堪能してやるぜ。



「無理ですー……無理ですぅ……」





 お城の二階にある客室。


 といってもお城に来る人用の部屋なので、身分の高い人向けだぞ。分かるな、貴族や他国の王族向けだ。


「場違いだ……」


 俺とロゼリィが部屋に入った瞬間膝から崩れ落ちた。




「無理ーるるるー無理なーもーのーは無理ー……」





 うわ、このベッド……天蓋付きっていうんだっけ。


 映画やゲームで見たことあるぞ。つーかこの部屋二階あるじゃねーか。客室に二階あるってどういうことだよ。うわ、キッチンまであるぞ……ここで料理出来るじゃん。これ広さ、設備とか普通に一軒家だ。


「ここに住みてぇ……」


「お、言ったね~社長~その願いを叶えることの出来る人物が、なんと~ここにいるのです~」


 ラビコが水を得た魚のごとく、瞬時に俺の腕を掴む。



「無ーー理ー……」





「私には~専用の研究所という~私専用の建物があって~ここなんか目じゃない大きさで~」


 そういえば以前言っていたな。本当にあるのか、研究所。


「そこにはキャベツ畑でもあるのか?」


「あるよ~家庭菜園レベルだけどね~」


 あるのかよ。


 ちょっと見てみたいぞ、そこ。






 あと、いい加減ハイラをどうにかしないとな。




「ラビコ、ハイラが元気出る方法なにかないかな」


「ん~あるよ~簡単簡単~ハイラハイラ~こっちおいで~」



 ハイラがラビコの呼びかけに、のそっと左右にふらふら揺れながら側に来る。


「はい後ろ向いて後ろ~」


 ハイラが死んだ顔で俺に背中を向ける。なんだ?




「せ~のっ! はいズバ~ン!!」



「へぁっ!?」



 ラビコがハイラのズボンに手をかけ、一気にずり下ろした。


「うわわっ! ラビコ様なにを……ひぃ!!」


「あ~ついつい間違ってパンツも一緒に下げちゃったか~めんごめんご~あっはは~これで元気出たろ~」


 ハイラはお尻丸出しで慌ててしゃがみ込む。



「み、見ました……?」



 ハイラが涙目で俺を見て来た。え、えーと。






「見たのですか? ふふ、ふふふふ」



 急速に鬼にSSR進化したロゼリィが俺の首根っこを掴む。


 さすが最高レア、握力が半端ねぇ。





 確かにハイラの顔に元気は戻ったが、逆に俺がピンチになったのはなぜか。




 不思議と俺の一部も元気になりかけ……ごめんなさい! 俺は悪くないと思うけどごめんなさい!








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