5話 足音
[コードネーム????視点]
「んーん。久しぶりに外に出た気がする〜。」
その少女は独り言を呟きながら、背伸びをし、艶めかしい声を出していた。
温暖化は着々と進み、夕方でも暖かい。
しかし、その少女は黒いフード付きのパーカーを身に纏い、パーカーを深々とかぶっている。パーカーの隙間からはみ出している髪は金髪で、艶があり、パーカーの影っているところから紫紺の双眸を光らせている。
ダメージジーンズで引き締められた足元はすらっとしており、布の間から見える足は健康的な色をしている。
右肩から斜めがけをしている、長い筒を揺らしながら歩いていた。
「待っててね♪ダーリン♪」
そう言いながら少女はとあるビルの反対に位置するビルの屋上に向かっていた。
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六畳半。当たり前にある空間にありえないような不気味なものが置いてある。水色の液に浸された生命体は静かにそこに鎮座していた。
「さて、どうしようかな。」
行き詰まってしまう。処分しようにもどうすればいいかわからない。聞きますかね。
「頼み事あるけどいい?」
『ん?どうしたの?軍の件はまだ終わってないけど。』
「メガネからデータを送っている。その装置についての破壊方法などを知りたい。」
『了解。あと少し。』
さて、早めに終わらせて帰りたいものだ。
『解析終了したよー。コンセントか何があるからそれを外すか壊すかしたらいいよ。そしたら、中に酸素が入らなくなるから、死んじゃうと思うよ。』
「了解。バンを置いてきたから、近づけて置いて。」
『は〜い』
よし、やるか。背中から対物ライフルを取り出し、構えながら、あたりを見渡す。そして、このキメラを何故、不完全と感じたのか。
この生命体に四肢がないことに。
肩の近くと、足の根元にうねうね動くものがある。それは少しずつ近づいてくっつく。少しずつ体を形付けていた。
そして、コンセントを見つけるが壁に溶接されている。溶接工でもいんのかな?
そんなことを考えながら狙いを定める。ほぼゼロ距離から打つ。
バンッバンッバンッ
三発打ち込む。銅線が切れ、装置がシュゥンという音をあげながら、部屋を照らしていた、不気味な光は消えていった。パソコンには心拍数がゼロと表示され死んでいることを知らせていた。
やっと、終わったと思っていた。
バゴォォォォン
俺は勘違いしていた。あの生命体が警察を襲ったやつだと。あの装置に、足と腕を失ったあれが入ることはできない。そして、通報に窓から逃げた何かがいたことを忘れていたらしい。
そして、この生命体が特異であり、裏社会に生きる俺すらも知らない生物でどんな特徴を持っているかを考えておくべきであった。
壁が破壊され、吹き抜けになり、夕日が部屋を赤く染めている。そして巨大な影がこちらを見ている。目は血走り、怒りで我を忘れているようだった。
プロとして初めてのミスだった。
だがな、やってやるさ。面倒ごとはのらりくらりとかわしてやるよ。俺の悲願ために。
そして、キメラ野郎から距離を取り、対物ライフルの弾を入れ直し、構える。
「来い。化け物。」
バンッ
この戦いの火蓋が切られたのだった。
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謝辞を。昨日はすいませんでした。ちょっとしたトラブルがあり、投稿できませんでした。次からは気をつけます。すいませんでした。
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