3本目 この世界にスキルは無い
地球ではついに夏休みが始まったな。
高校生や中学生の未成年カップルは親のいない家で服を脱いで隠れてイチャつく季節だろう。許せんッ(55歳おっさんの
ちょっとカクヨム運営にも未成年のカップルたちへもう少し何とか言ってやって欲しい。
55歳の俺も15歳の若い女子高生たちとイチャイチャしたい。もちろん相手の両親公認でだ。未成年者の両親の許可がないと55歳のオッサンは15歳の女子高生と付き合う事はできない。これはどこの社会でも常識だ。
まずは55歳のオッサンである俺が、15歳の女子高生のご両親に挨拶をして、交際の許可を公式に取りつける。そこから気持ち悪い40歳差の男女交際が始まる。子作りも始まる。オッホンッ。まあ、普通55歳のオッサンが彼氏として出てくれば15歳の女子高生の普通の親御さんたちは猛反対するだろう。それはもう猛烈な反対だ。なぜなら女子高生たち(たち?)のご両親たちは55歳のオッサンよりも遥かに年下だからだッ。不条理。(しかしそれをカクヨムで文にしてもR18判定を食らう。何たる非情。はやく収益化を備えたR18の小説投稿サイトができないだろうか。女子高生とイチャイチャしたい55のオッサンである俺は非常に強く願っている)
いや、そんな話はどうでもいい。この作品はあくまでも全年齢に向けた55歳のおっさんによる異世界ファンタジーだ(加齢臭が酷い)。異世界ファンタジーは異世界ファンタジーらしく異世界ファンタジーの話を全年齢対応でしなくてはならない(辛い)。
そこで前回のエピソードの最後で俺は、このファンタジー世界にスキルはないと言っていた筈だ(言葉が不安定)。あれは本当だ。
このファンタジー世界にはスキルもレベルもステータスもへったくれも無い。お手軽な自分しか使えないスキルやレベルやステータスが大好きな君たち地球のカクヨム読者には残念だろうが、この世界の大まかな仕組みは地球といたって同じだ。ただこっちは便利な魔法とおかしなモンスターどもと壮大な部隊(舞台と書きたかった)がある、という違いしかない。羨ましいだろう。俺も地球ではなくてこのファンタジー世界に生を受けて本当に良かったと思っている。地球の人間、ざまぁ(申し訳程度のざまぁ要素)。
そんな事より、この世界にはスキルが無いと俺は言った。
ここで、この物語の第一話(一本目)を参照してくれればわかると思うが、あの時に登場したワケの分らないドラゴン。異世界転生トラックドラゴンが、スキルがどーのこーのと言ってたはずだ。
これについての説明を今回はまるまる一話を使ってしていきたいと思う。ついて来れるか文字数っ?(現在千文字。残り千文字。説明できるか俺?)
この世界にスキルなどというモノは存在しない。この事実に二言は無い。
ただし、この世界では魔法が使える。便利な魔法が使える為に疑似的にスキルが存在するように見せかけることは技術的には可能なのだ。
例えば前話に出てきた異世界転生トラックドラゴンがスキル「異世界転生」を持っていると大声で叫んでいた。あれは完全に
ここまで言えば、何が言いたいのか分かってもらえることだろう。スキル「異世界転生」などという都合の良いモノは実際には存在しないのだが、魔法で文字を出現させることによって本当にスキル異世界転生を持っているかのような錯覚と優越感と後からジワジワ来るいい知れない虚無感を同時に味わう事が出来るという事だ。
え? 何の為にそんな事をするのかって? おいおいオイオイ。ちょっと待ってくれ。君たちカクヨムの読者諸君もチートやスキルは大好きだろう?
しかもお手軽に手に入る特別なチートやスキルが大好きなのだろう。俺は知っている。皆まで言うな。ともなれば現実世界でも、そんな文字を空間に表示できたらスゴイと思うだろう?
それと同じだ。このファンタジー世界でも現在、地球の日本の異世界転移や異世界転生ブームに影響を受けて、人間やモンスターの間でもスキルやアビリティやステータスやレベルというものを表示させることがものすごい勢いで流行っているので、人間や魔物を問わずスキルやステータスの自称厨で一杯だ。カオス。
想像してくれたまえ。人間やモンスターと出くわすたびに、実際には存在しない何の効果も発揮しないスキルの名前だけを得意気に連呼する間抜けなこの世界の人間の様を。
そのスキルの名前がこれまた何の捻りも無いスキル「最強」だとか俺だけが使える神スキル「無双」だとか言って、何の効果も発揮しないスキル名だけを連呼しては、はしゃぎ回って、遥かに魔力の強いモンスターに吹き飛ばされては血反吐を吐くのだ。まさしく憐れ(でも死にはしない。モンスター側が手加減をするからな)。
これはスキル以外にも、レベルやステータスといったモノも同じで、魔法技術でそれらを表示させるだけならば比較的簡単に可能だ。とは言ってもレベルやステータスで表示される数字にはまるで意味がない。なぜなら適当に数字を表示させているだけだからだ。
経験値なんていうのはこの世界では手に入らないし、この世界には存在しない。そっちの地球にだってそんなお手軽なシステムなどないだろう? 現実を見ろ。この現実は厳しい。お手軽に手に入る力に夢を見るのもいいが、いい齢したオッサンやオバサンがいつまでもしがみついていても憐れなだけだ。おお不憫、不憫。
かといって恐らくカクヨムの読者層は、現在でも人生で辛酸を舐めさせられている中年のオッサン、オバサンどもが大半を占めているはずだ。なぜなら
そういう事を深く考えないからお前達、加齢臭のするオッサン、オバサンしかいない地球では戦争が無くならないんだぞ? 自然環境も壊れていってるよな? ざまぁ。
こっちはキレイな環境しかない異世界だ。どうだ。羨ましいだろう? だがお前たち地球人は、その下らない人生を汚れた地球で永遠に繰り返す。そういう
ちなみにこの世界では既に戦争がない。モンスターや魔族や魔王もいるが大抵の考え方は聖人ばかりだ。知ってるだろうか? 聖人ばかりしか出てこない物語は物凄くつまらないという事をッ!
さて、そんな事を言ってるうちに俺は、山奥にある自分の隠れ家の玄関の前に辿り着いた。今までこの玄関の前で突っ立ったまま、一人称の独り言を呟いていた。
軽く見て怖い変人だったのだが、これでようやく自分の家に入れる。
俺は隠れ家のドアノブに手をかけた。
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