軍隊のアレ(その3)

 その2が長くなったので分けました。


 戦略目標がどのようなものになるかで、作戦行動も変わりますが、基本的に戦略目標は領土の拡大だと仮定できますので、そうすると重要拠点や都市などの占領が作戦目標になります。あとは防衛する側の軍事ドクトリンで防衛戦をどのような手段で行うかという事で変わってきます。侵攻軍を野戦で撃退するのか、籠城でロジに負担を強いて撤退させるのかなどです。よっぽどの自信があるかのっぴきならない事情が有るか、適当な防衛用施設が無い場合は野戦になりますが、通常、防衛する側は砦や城もしくは有利な地形に防衛陣地を築いて、なるべく野戦を行わないで防御に徹するでしょう、防衛担当司令官がお猿さんでなければ。あとは古代ギリシャみたいに何時何処で野戦にて勝敗を決しましょう、ルール(夏の農閑期だけ、飛び道具禁止、戦うのはファランクス同士とかイロイロ)はこうですよみたいな。勝った方はこれだけ食料を貰えますという、食料を掛けたゲーム(10%程度の死者は出る)のような良く分からない感じの戦争以外は、です。ロジで考察しましたが、隣国への侵攻軍は兵数10万、食料だけで1日100t(1,250俵)、水が400,000L(2,000樽)、これは、現地調達という名の略奪を行うわけだ。

 こんな、長く戦争するほど、コストが膨大になって、いくら領地を切り取っても、掛かったコストを取り戻して黒字にするのが困難なので、中世では手っ取り早く偉そうなのを捕まえて身代金を貰う方にシフトするわけです。


 そんなこんなで、我らが中世ヨーロッパ風異世界の戦争、俺TUEEEEなのが無双して戦略級の活躍できる場合、こんなに兵数の動員が必要かというと、戦略級俺TUEEEEさんが秘密兵器で相手に知られていなければ、相手の動員数より少ない数で侵攻し、野戦に引きずり出せれば、非情ではありますが敵軍を殲滅してもらって、あとは各街や砦、城の守備隊を各個撃破で守備隊を潰して、通常軍が占領していくという作戦で、順調にいけば戦略目標を達成できるでしょう。戦略級俺TUEEEEさんにとっては超絶ブラックな勤務体制になるでしょう、相手が防衛軍を再編成する前にとか、もし相手にも戦略級俺TUEEEEEさんが居る場合には素早くやり遂げないといけないので。ただ、領土の切り取りはやはり占領軍が必要なのである程度は兵数が必要になります。


 そんな、ナントカ無双のような活躍できる人がいない場合は、魔法という飛び道具があるくらいで、戦国時代や近代フランス革命時のフランス軍みたいな農民などを兵として動員するスタイルの戦争が多くみられます。まあ、合戦として見栄えが良いですよね大軍同士の戦いは。しかし、中世ヨーロッパ風の戦争として描くのであれば、騎士と従士が中心で農民兵は補助的に予備の武器や盾を持ってついていくポーターのような存在で、戦死も少なく、一騎打ちで馬から落として、捕虜にして身代金を取るタイプの映え無い戦争でチマチマやって欲しいものですね、需要は多分無いと思いますが。ちなみに日本でも源平のころは農民兵はサポートで騎馬武者である武士を中心に戦闘を行うので、云うほど大合戦ではなかったそうです。


 ところで、何故に戦死が少ないかと言いますと当時は知識階級=支配階級で、その支配階級も人数がカツカツで領地経営をしている訳です。その支配階級や聖職者でさえも、大半が読み書き算盤ができるようになるのは中世の後期から末期です。被支配階級で商人以外の文盲率は99%ですので、非常に知識層を減らせないわけです。読み書き算盤出来ないと領地経営などできませんし、出来る人材を平民から育てるなどという考えはほぼありませんでした。また殺さないで身代金を取るというルールだったので、殺しちゃうと相手の親族やらなにやらから恨まれる事が半端ないわけです。なので、結構な反逆者を殺しまくった、イベリア半島カスティリアの王であったペドロ1世は、最終的に反逆者に負けてしまったので、「残酷王」などと不意名誉な二つ名を貰いました。後世になって反逆した貴族側が大概アレだったと暴露されたので、「正義王」という二つ名でも呼ばれております。


 閑話休題、またも話が逸れまくり。

 なにか徒然なるままに書きなぐってしまい。収集がつかなくなってきました。軍制などについても書く予定でしたが、とりあえず軍隊のアレはここまでで一旦切ります。結局何が言いたいんだよとツッコミどころ満載ですが、生暖かい気持ちで読んでいただければ幸いです。軍制や軍政については別項目を立てて、またダラダラと書きたいと思います(ヲイ)。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る