第207話【ネタバレ有り】おしめ【入門編】

 ご覧いただきありがとうございます。

 以下、いささかのネタバレを含みます。

 ネタバレの苦手な方は、是非、第001話から第100話までの本編をお楽しみの上、再度お越しください。

 なお、第十二章~第十九章、第110話~第199話は欠番で、最初から存在しません。





――ここから――



 これ、作者の性癖を曝したいとかそういう趣味ではなくて、結構まじめにリアリティを出したかった所なんですよ。


 アニメをみていると、戦闘単位である機体と搭乗者の組み合わせは切っても切り離せないものみたいな前提になっています。

 戦前の戦記物を読み込んでみるとそんなことはなかったりします。

 まあ、そもそも数十年前の出来事ではありますが、南の島に作った飛行場の横の基地で食事をしていると警戒警報が鳴り、手柄を立てたい若手から我先に飛び出して、とにかく待機中の駐機に乗り込み搭乗していく、という姿が描かれています。


 椅子取りゲームですので、どの機体が誰のものなんてないわけですね。

 機体ごとの癖なんかはあったようですが、それも踏まえて戦うのがベテランの技だったようです。


 で、ゼロ戦は同時代の戦闘機と比べて優れた点がいっぱいあったのですが、優れていればいい、とばかりいえないこともありまして、それが人間の生物学的限界に関わってきます。

 その一つが航続時間の長さです。

 長い間滞空できるのは素晴らしいことではありましたが、乗ってる人はトイレに行きたくなる。

 どうするかというと、小はそのまましてしまったらしいのです。

 なんでわざわざそんな話しに触れたかといいますと、搭乗席の下にパラシュートが仕込んであったそうなのですが、だれもそんなもの使わなかったと。

 当然です、みんなで乗り回して、みんなで小用を済ませている席の下に仕込んであるパラシュートなんて、どんな風に傷んでるかわからない。

 そんなものに命を預けるくらいなら、最後の最後まで不時着を試みる、という姿勢だったそうです。


 徹攻兵は戦闘単位ですので、相応の時間、戦場に滞在することになる。

 そうなると当然トイレぐらいその場で済まさないといけない、と考えてその部分は敢えて描写に組み込みました。


 それと、某水族館で深海探査機の解説文を読んでいた時に、数時間におよぶ海底探査のため、搭乗者の方がおしめを着用していることに触れられていました。

 伏せていても良い内容でしょうに、敢えて触れているところにプロ根性とリアリティを感じました。

 「男女の関係なく、まじで取り組んでいるんだな」と思ったものです。


 徹攻兵もお仕事、どんなお仕事も大変なことはあるよね、という印象を与えられればいいなあ、ということと、格好いいところだけじゃない所も含めてこそバランスが取れるかなあ、と思って書いてみたわけです。


 もし、お気に止まりましたら100話までの本編をご笑覧ください。

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