幻惑
どこまでも続く
見渡す限りの海原に
少女が1人 立ってゐた
白い両手を差し伸べて
こちらへおいでと 微笑んでゐる。
僕がそちらへ歩を踏み出すと
海原は消えた
どこまでも続く
優しい緑の草原に
少女が1人 立ってゐた
白い両手を差し伸べて
こちらへおいでと 微笑んでゐる。
僕がそちらへ歩を踏み出すと
草原は消えた
少女はどこへ行ったのか
少女はどこへ行ったのか
どこまでも続く
黄金の険しい砂漠の中
その真ん中のオアシスで
少女は僕を待ってゐた。
白い腕が僕を手招く。
僕はそちらへ歩を踏み出さず
少女にくるりと背を向けた
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