仮面

揺れる 草原の その奥に

もし 君の姿が あるのなら

僕は そこまで 駆けていって

つかまえてしまっても いいのだろうか



木々が 鬱蒼と 生い茂る

暗い森の その奥に

君が今でも 捕らわれて

泣いていると いうのなら

僕は そこまで 辿り着き

見つけることが できるだろうか



僕の 名前を 呼んでください

助けを 求めて 叫んでください

きっと僕は そのために

ここに 存在 するのです

君を助ける その為だけに

ここに 存在 するのです



光の中の 空の下

風の 踊る その中に

もしも 君が 飛び出して

踊って 欲しいと 言うのなら

僕は その手を 抱きしめて



飽きるくらいに 踊りましょう

倒れるくらいに 踊りましょう



踊り疲れて 君が もし

まどろみの中に 沈むなら

君が 何の 不安も無く

眠りに その身を 委ねるまで

隣にずっと いてあげます



君の その手が この僕の

汚れた その手を 求めるのなら

再び 君の 澄んだ瞳に

出会える朝まで ここにいます



でも どうか

ほんのひととき

この身の仮面を 脱ぎ捨てて

君の 側に 跪き

月の 光に 祝福された

汚れ無きその 唇に



触れるだけの 口づけを

僕の この身を 支えている

君への 想いを 許してください

君への 懺悔を させてください



再び 朝が 巡って来たなら

僕の この身は 仮面をつける



誰も 知らない 僕のこと

仮面の 下の この僕に

君は 気づいて いるのだろうか

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る