第8話 奥義 絶界



 ジレンは魔王討伐パーティーに選ばれた。

 考えてみれば何も不思議でもなんでもない。

 ジレン程の男が、今まで魔王討伐遠征部隊に招集されなかった方が不思議なくらいだ。


 二刀の英雄と呼ばれてからあっという間に剣聖とも呼ばれ、今の今までずっとヒーロー扱いされてきた男だ。


 彼は一言「光栄な事だ」そう言っただけだった。

 ジレンらしいと言えばらしい。

 色んな想いがあるだろう。

 俺達家族の想いだって気にしているはずだ。

 その気持ちを全て汲んだ上でたった一言で納める。


 それでもルイーダの心境は計り知れないだろう。

 しかし、そのルイーダもたった一度、泣き崩れてからは一度も悲しさを表に出さなかった。

 母としてなのか、ジレンの妻としてなのか、彼女は毅然としていた。


 どちらの両親も心から誇りに思うよ。


 そして俺自身【もしジレンが……】とかまだ起きてもいない事への不安など生前から考えないようにしている。

 魔王討伐は、今まで7人の勇者とその仲間達が果たせなかった大望だ。きっと8代目勇者と剣聖ジレンなら成し遂げてくれるだろう。


 そしてジレンが旅立つまで猶予は残り13日。

 ジレンは1番弟子のスヴェンに己の技の全てと奥義を会得させようとしていた。



 ◇◇◇シエーナ街の南外れの荒野◇◇◇



 俺とシャルロットは、スヴェンの修行を見届けるべく修行場に来ていた。


「なんかソワソワするね」

「がんばれー。スヴェン!」

 ジレンはスヴェンに剣の極意を教えるべく基礎から徹底的に鍛え直す考えらしい。

 

「ダメだ」

「くッ!」

「そこで体の軸をぶらせば次の動作に対応できない」

「はい!」

「どの敵も一撃で屠れると思うな」

「はい!」

「もう一度」

「はい!」

 ジレンが二刀流の理由は常に2手目を考える癖があると言う事か? なるほどな……。


 剣と剣が激しくぶつかり合う。

 この荒野に剣戟が鳴り響く。


「剣先の1ミリの狂いも逃すな」

「はい!」

「自分の神経が張り巡らされていると思いなさい」

「はい!」

 ジレンの猛攻をスヴェンが必死で塞ぐ。

「ダメだ」

 その一言と同時にスヴェンの2本の剣が、宙を舞った。

「はぁ……、はぁ……」

「もう1度」

「はい!」

 スヴェンが剣を拾い再び構える。

 ジレンの激しい猛攻が炸裂する。


「くっ!」

「刃で受けるな。刃で流せ」

「はい!」

「違う」

 再びスヴェンの2本の剣は弾き飛ばされた。

「剣を振抜いたあとに一瞬の隙ができる」

「はぁ……、はぁ……、はい……」

「その間が命取りだ。間が魔だと思いなさい」

「はいッ!」

 

 俺とシャルロットは、スヴェンの稽古をじっと見ていた。

「ボロボロだよ……」

 シャルロットが心配する。

「思っていたよりずっとハードだね」

「大丈夫かな……」

「僕達の大親友スヴェンだ。大丈夫に決まってる」

「そうだよね」


 それにしても、スヴェンは軸のブレが目立つな……。

 ジレンにも何度も注意をされている。体幹が少し弱いのだろうか?


「エレイン?」

「ん?」

「ぼーとしてどうしたのかなって」

「あぁ、ちょっとね」

 軸の強化のためにスヴェンにピッタリな筋トレ【プランク】を教えてやろう。


 ◇◇◇プランク◇◇◇

 ──プランクとは、うつ伏せになった状態で前腕と肘、そしてつま先を地面に着けその姿勢をキープするトレーニングだ。

 腹直筋・腹横筋などの深層筋(インナーマッスル)や腹斜筋といったお腹まわりを鍛えてくれる。更には二の腕、背中など全身の筋肉に刺激を与えることができる。

 やり方はシンプル。両肘を床につけ、うつ伏せになり、足は腰幅に開き、腰を浮かせその姿勢のまま1分間キープする。3セットでたったの3分、超お手軽なトレーニング。見た目と違ってかなりキツイぞ。

 ◇◇◇◇◇◇


 スヴェンは助言通りヘトヘトになっても、必ず家でプランクを続けた。天才はただ才能があるだけではなれない。スヴェンはそれをよく理解している。


 12歳でそれを知っているなんて凄い奴だよ。

 転生前の俺なんかその頃は、公園でエロ本探して遊んでたよ。

 それから2日間かけて基礎の修行を終えた。

 

「今日から次のステップに移行する」

「宜しくお願いします」

「次はいよいよ奥義を見せてやろう」

 

 猶予は残り9日。

 今日は、雨が降っている。


 俺とシャルロットは、スヴェンの修行を見届けるために木陰で見守っていた。雨の中でジレンとスヴェンは稽古を始めた。

 

「これから俺が見せる技は、俺が30年かけて編み出した奥義だ」

「いよいよですね」

「この技をあと9日で会得してもらいたいと思っている」

「はい!」

「よく見ておきなさい」

 

 ジレンはスヴェンを下がらせ居合いの様な構えを見せた。

 

「俺は普段は二刀だが、この技は一刀でのみ行う」

 深い深呼吸をし、目を閉じる。

『──はぁぁぁぁぁぁ────ッ!』

 魔力を剣先に集中しているようだ。

 俺とシャルロットは息を呑み見守る。


「え?」

 突然、辺りが静寂に包まれた。


 まるで水面の波紋のように静寂が広がっていく。音が切り取られたかのような錯覚に陥った。


【奥義 絶界】


 あれ? なんだこれ?


 時間がまるでなくなったかのように止まった。

 そう思った次の瞬間、剣先から凄まじい斬撃が閃光のように走り光が空を駆け巡ていく。

 剣を振り切った後、その衝撃波が大きな光となって、空を裂き、雲を掻き消し、前方にあった山がまるまる消し飛んでいた。


 雲をもかき消したので、さっきまでの雨がなくなっていて、空は透き通る様に晴れている。

 まるで空間そのものを切り取ったような恐ろしい技だ。


「す、すごい……。凄すぎる」

「震えが止まらないよ」

 シャルロットが俺の手を握っていた。その手は震えていた。


「な……」

 言葉を失うとはこの事なのだろう。スヴェンはただただ立ち尽くしていた。

 さすがは剣聖ジレン。

 雲をも斬り、次元をも斬る。俺は改めて父の偉大さを思い知ったのだ。


「これから9日でこの技を会得してもらいたい」

「は……はい……」

「しかし、その体で耐える事ができるのかは保証はできない」

「……」

「奥義の取得……、やるかい?」

「もちろんです」

 スヴェンの返事は心なしか弱々しかった。


 スヴェンは神童と言われるほどの逸材だが、果たして12歳の子供で出来る技なのだろうか?

 これはもう次元が違いすぎるのではないか?

 諦めを知らない俺でさえ無理の2文字が頭によぎる。

 その日から毎日、朝から晩までスヴェンは奥義会得のための修行をした。


『はぁぁぁぁぁぁぁ──ッ!』

「剣先1点にのみ集中しなさい。今のままでは剣すべてに魔力が分散している」

「──ぁぁぁぁぁぁ!──あッ!」

 集まっていた剣先の魔力がハジけた。

「集中を少しも切らしては行けない」

「はい」

「さぁ、もう1度だ」

 何度も何度も繰り返す。


 残り7日。


「集中をとくな!」

「あっ!」

「一瞬の乱れで機を逃したぞ」

「すみません」

「構えから抜刀まで集中を維持しろ」

「はい」


 残り5日。


「──絶……界……! ──あれっ!?」

「もっとイメージをするんだ。心で斬るんだ!」

「はい!」

 

 俺とシャルロットは毎日、スヴェンを見届けるべく通った。

「心で斬れか……」

「どうしたのエレイン?」

「いや、全くわからないなって」

「そうだね」

「奥義ってかっこいいよね。僕も魔力があったらポージングしてめっちゃ光ったりするんかなって……」


【奥義 モストマスキュラー】


 光るボディビルのポージングを想像する。

 ボディビルの大会なら一発で優勝確定だな!


「う、うん……。きっと色んな意味で眩しいと思うよ」

 シャルロットは苦笑いをしている。


 残り2日。


「くそぉぉぉ──ッ!」

 スヴェンは地面に手をついた。

 何度やっても、何回挑戦しても、すべて失敗に終わる。

 その苛立ちと自分の不甲斐なさに憤っていた。


「今日は、ここまでにしよう」

 ジレンはいつだって責めたりはしなかった。

 それが見放されているようでスヴェンは尚更焦っていた。時間だけは残酷に過ぎる。

 

 とうとう猶予まで残り1日をきっていた。


 明日ジレンが魔王討伐へ旅立つ。

 スヴェンは、1度も絶界を放つことはできなかった。

「くそぉ……くそぉぉぉ! ──くそぉぉ!」

 スヴェンは膝をつき何度も地面に頭をぶつけていた。


「やめなさい」

 ジレンがスヴェン止める。

「自分を責めてはダメだ。この技は俺も30年かけて会得したんだ。まだ子供の君には荷が重すぎた」

「うぅぅ……、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

「君よくやった。帰ろう。ゆっくり休みなさい」

 ジレンは肩に手を添えスヴェンを励ます。


「とうとう会得できなかった……」

 スヴェンは、座り込み落ち込んでいる。

 ジレンが先に帰ったあと、俺とシャルロットは落ち込んでいるスヴェンを励まそうと声をかける。


「スヴェンはよく頑張ったよ」

 シャルロットがスヴェンに寄り添い頭を撫でた。

「ね? エレインもそう思うでしょ?」


 確かにな……。頑張っていたよ。


「エレイン?」

 俺は確かにスヴェンを励ますつもりだった。

 本当に励まそうとしたんだ。

 何のにどうしてだろう。スヴェンを優しく起こして──。


「元気ですか!」

 とアゴをしゃくりアントニオ猪◯の真似をしながら張り手で闘魂を注入していた。


「きゃぁー!」

 シャルロットの悲鳴がこだまする。

「ぶふぉ!?」

 スヴェンは張り手を喰らい吹っ飛ぶ。

 2人とも突然の張り手に困惑している。


 俺もわからない。

 励ますつもりだったはずだったが、体が勝手に動いた。

 きっと妖怪のせいだ。


 そして意味深に空を見上げた。

 言い訳を考えていたのである。

 消していじけている男を見て引っ張ったきたくなったなんて言えない。


「ど、ど、ど、努力をした事に満足して諦めようとし、し、してない?」

 思考を張り巡らせそれっぽい事を並べてみる。


「努力や過程というものが重要なのは結果が出たときだけだ」


 おっ、それっぽいな。


「ただ努力をした自分に満足しちゃいけない」

「…………」

 大丈夫、響いてる? 後で謝ろう。


「諦めて1番、悲しいのは諦めた事より、できると自分を信じられなくなる事だよ」

「お、俺だって!」

 スヴェンは言い返そうとする。

「奥義の難易度を見た君は心のどこかで成功できないと思ってるね?」

「だって!」

「だっても腕立てもない!」

「…………」

「なんならスクワットだってない!」

 俺は理屈で畳み掛ける。


「え、エレイン……ちょっと途中から意味が……」

 シャルロットが鼻息を荒くする俺を宥める。

「本気で修行をしていたが本気で自分を信じていなかったんだよ」

「その通りだ……。言葉もない……」


 よーし! 論破ッ! 最後にまとめて切り上げよう。


「成功にばかり目を向けるから失敗する。成功ではなく成長に目を向けるんだ」

「成長に……」

「人は皆、1度失敗すると次も失敗するかもしれないと怖くなる。その結果、敵がいつの間にか昨日の自分になっているのにもかかわらずその事に気が付かない」

「なるほど……」

 スヴェンが考え込む。

 

 俺は、これを100キロの壁と呼んでいる。

 90キロのベンチプレスを上げ続けてきた人が、目標であった100キロに挑戦しようとすると100キロが本来あがるはずのステータスを持っていたとしても100キロは凄いというイメージが大きすぎて失敗すると思い込んで失敗してしまう現象だ。


 誰にでも心の中にこのベンチ台が置いてある。

 1度も成功したことが無いことにたいして、勝手な恐怖心が付き纏い自分自身がいつしか敵になってしまうのだ。

 多くのアスリートが陥る負け癖もこれに含まれる。


 そして、昨日の自分というのは意外と手強い。

 この壁を超えるか超えないかで一流と三流の差を分ける。


「君が倒さなきゃいけないのは君自身が作り出した、その壁だ」

「お、俺は、どうすればいいんだ……」

「君はできる。例えできない事であったとしても、できると信じなきゃいけない時がある」

「俺はできるのだろうか……」

「プランクをし続けたそのインナーマッスルを信じろ」

 俺は腹筋を指差す。


「そうだね!」

 シャルロットは突然スヴェンのお腹に手を当てた。

「スヴェンなら絶対できる。スヴェンは凄い」


 そ、そういう事じゃないんだが……。


「君の1番の味方は、そのしてきた努力がもたらした成長だけだ」

「成長か、そうか……。俺はちゃんと成長していたんだな……」

 スヴェンは2本の剣をじっと見つめていた。




 ──ジレン旅立ちのときが来た。

 シエーナ街入り口に住人みんなが街の英雄の見送りに集まっていた。

 せっかくの旅立ちなのに雨が降っている。


「今日はせっかくの旅立ちなのに生憎の雨ね」

「 魔王倒してこいよ!」

「かならず帰ってこいよ」

「お前が勇者だ!」

「ほら、餞別だ。これをもっていけ」

「シエーナの英雄が魔王を倒すに決まったらぁ」

「せんせーい、みんな待ってますかね」

「先生。俺、強くなる!」

「先生、帰ってきてね」

 住民みんなが激励を送る。


「あなた……体に気をつけて下さい。無事を祈り待ってますね」

「あぁ、必ず帰る。愛しているよルイーダ」

 ルイーダを抱きしめる。


「ジレンさん。エレインと帰ってくるの楽しみに待ってますね」

「シャルちゃんもエレインの事よろしく頼むね」

「はいッ!」

「父さん。僕の教えた筋トレメニューを僕と一緒にいると思ってちゃんと毎日やってね」

 俺は旅立つジレンの為に筋トレメニューを考案した。これで魔王もイチコロだ。


「約束するよ」

 ジレンは周りを見渡した。

「あの子は見送りには来なかったか、きっと責任を感じてるに違いない」

「スヴェンの事かい?」

「エレイン、シャルちゃん。彼を励ましてやってくれ」

 俺とシャルロットは目を合わせてニコッと笑った。

「僕の親友を舐めちゃダメだよ。スヴェンはまだ諦めてないのさ」


 ◇◇◇街の外れの荒野の修行場◇◇◇


 雨か……。逆に良かったよ。俺は恵まれた。

 さすがに丸1日寝ていないからもうフラフラする。

 そろそろ時間だ。

 屈伸をし、準備運動を軽くする。

 雨で体温が奪われている。

 体が冷え切っている。


「よしッ!」

 俺は景気付けに両手で顔を2度叩いた。

 足はもう棒の様だ……、立っているのも不思議なくらい。


『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーぁぁぁ!』

 腹の底から声を絞り出す。

 魔力を剣先に込める。


 集中・集中・集中、そして集中!


「ぐッ!?」

 足の踏ん張りが効かない。

 くそったれ、膝が笑ってやがる。


 何度だってやってやる。

 俺はできる。俺ならできる。

 もう1度立ちあがり再び魔力を込める。


『はあぁぁあぁぁぁぁ──!』

 何かが込み上げて来る。

「がはッ!?」

 吐血した。目が真っ赤になり、鼻血が出ている。


「まじかよ。血の涙とか……」

 弱音が漏れる。


 両足はガタガタふるえて支えるのもやっとで、剣を握る握力も弱っていく。

 目、鼻、口からは血が滴り流れるし、視界は真っ赤でぼんやりする……。

 魔力を込めると生命が削られているかのようだ。

 

 だからどうしたよ!

 ありったけをッ!


『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ──!』

 俺を信じてくれる仲間がいるんだよ!

 

 剣先に魔力の覇気が集まっては消えかけ、ろうそくの様に頼りなく揺らめいてる。


 やばい。意識が──。


 なんでだろう? エレインとの会話が過ぎる……。


「エレインはどうしていつもそんなに追い込んでいるんだい?」

「うーん」

 エレインは少し考えていた。

「好きだからかな」

「好きだからでそんなにやれる?」

「理由をしいて上げるなら人生には逃げちゃいけない見せ場が何度もあって、僕はいつもそれに備えているのさ」

「へぇー」


 エレイン。君は本当に凄い友だ。

 その見せ場が今この時なのだろう……。

 ったく、こっちの身にもなってほしいぜ。

 俺は、──君と──。


 肩を並べていたいッ!


『おおぉぉぉぉぉぉ────!』

 見せてやるぜ。

 君達の友達が凄いってところをな!

「うおおおおおおおおおー!」

 

 俺の壁は俺にしか破れない。

 ぶち壊してやる。

 誇りを取り戻すために。


 何が神童だッ! 自分にすら勝てないで何が神童だッ!


 足が踏ん張れねぇ……。

 ならもう1本足を増やすまでだ。

 もう1本の剣を地面に突き刺さし、もたれる。


『おぉぉぉぉぉぉ──ッ!』


 エレインが、シャルロットが、俺を信じている……。

 先生、俺の憧れの人……。

 ジレン先生。

 今までお世話になりましたッ!


【奥義 絶界】


「──とどけぇぇぇぇぇぇぇぇ──ッ!」


 時間が止まった様な気がした。

 波紋のように剣と魔力が空間に広がって行く。

 音もない、鼓動も、風も、雨の音も聞こえない。


 振り切った剣の残像から次元の切れ目が見えた。

 次の刹那、そこから凄まじ光が閃光となって空を切り裂いた。

 光は雲をかき消し、空には雲1つない快晴が晴れ渡った。


 なんだ、できたじゃねぇーか。


「へへ……やったぜ……」


 見たか、エレイン!

 見たか、シャルロット!

 先生、やりましたよ!


 あ──意識が、こりゃしばらく起きれそうにない。


 そのまま水溜りに倒れ込んで行く。

 足元の水溜りが顔に近づいて来る──。


 風邪ひくな……こりゃ……。


 ──シエーナ街入り口。


 スヴェンの絶界の光がジレンの上空を突き抜けた。

 雨雲をかき消し空から光がさす。


「あれは!?」

 ジレンが驚く。

 俺とシャルロット顔を見合わせた。

「「イェーイ!」」

 ハイタッチをする。


 スヴェンやりやがった。やっぱり凄いよ!


「そうか……スヴェンが……」

 ジレンが絶界の光を確認にニヤリと笑う。

「俺は皆を、この街を誇りに思う」

 ジレンは剣を抜きとり空にかざした。

「約束しよう。このジレン・グランデが、必ずや魔王を討伐しよう」


 ジレンは皆の憧れを背負って旅立っていった──。

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