第133話 魔王からの提案

「動けるのはそっちの若い男とそっちの渋いおじさんの2人だけのようだな。貴様らにチャンスをやろう......私の仲間にならないか? 私の仲間になればこれからは私の元で楽しく生きていけることを約束しようじゃないか」

 魔王は私たちに手を差し伸べてきた。

「ふっ......魔王さんよ、ここにきてそんな冗談はなしだぜ。そんな誘いに乗るわけないだろ?」

 ガリアは強気に魔王の誘いを断った。

「私だって仲間になるために来たわけじゃない!」

 私は魔王の顔を見るために来たんだからね!

「そうか......なら私のことが好きになるように調教するしかないな!」

 殺すんじゃないのか!? はっ......そう言えば魔王はイケメンが好きなんだった。

 魔王は一気にこちらとの距離を詰めてきた。

「イケメンは動くことを禁止する!」

 魔王がそう言うと私の体が動かなくなった。

「俺の体が......動かないだと!?」

 どうやらガリアも体が動かなくなったようだ。

 ......まさかこれで全滅!?

「まずは......若い男のほうから可愛がってやるとしよう!」

 魔王は私の前に立ち止まりゆっくりと私のほうに手を伸ばしてきた。

『固有魔法[オールアブノーマルレジスト]を発動します』

 体が動くように......そうか! 私に異常状態攻撃は効かないんだ!

 私はすかさず鞘から抜かずに持っているデュランダルを使って魔王の頭を殴りつけた。

「い、痛ったー!」

 魔王は頭を両手で押さえてしゃがみ込んだ。

『ご主人さまなんて使い方するんだよ。俺は鈍器じゃなくて剣なんだぜ! 使い方忘れちまったのか?』

 デュランダルがうっとおしいタイミングで話しかけてきた。

「しょうがないだろ。ピンチだったんだからそんな余裕はなかったんだよ」

 私は面倒ながらもデュランダルに説明した。

 そして私は痛がる魔王の様子を見てあること思い出したのだった。

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