第279話 男のパンツとか見たくないんだけど
馬車を走らせること数時間、ザックス王子の領地内に入った......が、入ったところで......
「さっさと降りな! それに身につけてる宝石類も出しな! 命が惜しかったら......な!」
馬に乗ったリーゼントで手にナイフを持った怖そうなお兄さんたちがわらわらと集まってきた。どうやら本日の最初のゲストは盗賊たちのようだ。
さすがに僕もこの展開は何度も見慣れたので怖くはない。とりあえずメイド長が居れば大体何とかなるからね。
メイド長が馬車から降りて腕まくりをする。
「お、やる気か? おめえたちこのオバサンが遊んで欲しいみたいだぜ!」
リーゼントリーダーっぽい男の一声で馬から下りる盗賊団たち。
さあ今日はどんなふうに倒してくれるのだろうか?
僕が眺めようとしたその時、キーンと金属同士がぶつかり合う鈍い音がする。
「まずは軽く遊んでやるとするか......」
「アニキ! アニキ!」
「何だよ?」
リーゼントリーダーっぽい男は不機嫌そうに呼び止めたモブリーゼントの方を振り向く。
「パンツ......見えてますぜ」
「何でパンツが見えるんだよ!? そんな訳......オ、オレの勝負パンツお披露目しちゃってるじゃねぇか!!」
今どういう状況か説明しよう......リーゼントリーダーっぽい男のズボンがずり下がってパンツが丸見えなのだ。でも、まだメイド長は何もしていないように見えたんだけどどうしてだろう? まさか某バトルアニメみたいに動きが素早過ぎて目で追えなかった!?
そんなことを考えているとまたキーンと金属同士がぶつかり合う鈍い音が何度かした。すると次々にリーゼント男たちのズボンがずり下がっていく。
「お、おいらもパンツご開帳しちまった。クマさんパンツなんてなめられちまうぜ!」
「くっそー! オレなんて今日は地味パンツなんだぜ! せめて見せるなら派手なのがよかった......」
リーゼントたちはこの奇妙な現象に触れるれることもなく自分たちのパンツを嘆く声が聞こえる。
「お、覚えていろ! お前ら! ずらかるぞ!」
リーゼントリーダーっぽい男の合図で、リーゼントたちはズボンを脱ぎ捨てて馬を走らせ逃げて行った。
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