二人だけの国交樹立のための会議
「インジスカンには足りないものが多いんだよなぁ~」
事実、なまじ魔法という便利な現象にどっぷりと
・電気
├発電機
├インバータ等
└バッテリー
・筆記用具
・印刷機
・本
そして、文化交流に必要なものを
・掃き出し窓の魔法
・通訳
├育成する人材
├カルチャースクール
└学校
・時間
・お金
あ、そういえばと、アントネラは思い出したことを言う。
「インジスカンの
「あぁ、それ、問題だったな。どんな方法?」
「
「すると?」
「手が触れ合ったのよ。
「共用だから、インジスカン側でタブレットを入れて、こっち側で受け取って充電すればいいって訳か。逆の手順でインジスカン側に返してやれば満充電のタブレットが手に入ると。それって、魔力消費量的にどうなのよ?」
「魔力消費量はお互い、普通の
「それスゴイじゃん!日本側で物をポンポン入れてやれば低魔力消費量でインジスカン側で取り出せるってことだろう?スゴイ発見じゃん!」
「どうよ?私が本気を出せばこんなものよ」
アントネラは
「輸送手段は確保したとして、問題はお金だな。こっちに便利道具が色々あるからといって、それを買わないと、送って使うことができない」
「それに関してはお父様と相談してみるわ。お父様の領地って、職人が多いのよ。それで、新技術については出費をあまり惜しまないから何とかなるんじゃないなか?」
「おぉ。それはありがたい。1台買って、王様に見せれば、国内に
「互いに通訳の候補者を出してもらって二人で育成しないとなぁ。通訳が二人だけだと若いだの経験が浅いだの
「インジスカン側は王様に話してみればいいんじゃない?電卓を見せたことで、
「だな。で、日本側は、”出入りはインジスカン側の魔法というこちらでは使い手がいない技術のみでしかなし得ないから通行をあちらに牛耳られてままでいいのか”とでも言えばいいかな。掃き出し窓の魔法の難易度については伏せたままにして…」
これは通訳の話を飛び越えて、もう交流の未来の話も混じっている。しかし、その点を突くような人間はこの場にいなかったので、未来予想図の話はまだまだ続く。
「カンデラ領って、大きな川、流れてない?発電機と、電気を安定させる為のバッテリーを持って行って、水車でも回せば一応電気は作れるんだけど」
「私の家、カンデラ子爵邸のある街ってメルタープっていう名前なんだけど、そのちょっと西側にちょうどカンスー河っていう大きな河が流れてるからそこに小屋ごと水車を建てればいいんじゃない?」
「おぉ。それは助かる。電気がないと説得力に欠けるからなぁ」
二人の描く、未来予想図は止まらない。その実現にどれだけの障害があるのか、やってみないと分からないのだから。
「あと、同時進行で国交も樹立させたいなぁ。さっきも言ったけど、通訳者に難あり!とかいちゃもん付けてくるヤツが
あと、
「夢ってぇのは大きい
そう、困難な道だからこそ、理想を立てて、目標に近づくために行動を起こそうという
「夢と言えば、私にとって、この国は夢のような世界だわ」
「と言うと?」
「インジスカン王国って、隣国にウーバルー帝国っていう国があって、その国がまた好戦的で、ウーバルー帝国の周辺国は、いつウーバルのヤツが攻め込んで来やしないかと、いつも危機感を持ってるの。だから、こんな進んだ世界で、それも戦争とはほとんど無縁。そんなこの国が夢のようだなって」
「この国が気に入った?」
「うん!とっても」
そうか。と言う
「あとは、まずはインジスカン側にほとんど動いてもらってその結果を
とりあえずの行動を考えてみると、あちらに動いて
「それじゃぁ、今、こちらでこれ以上話しても先に進まないわね」
そう返すアントネラ。
「それじゃぁ、第一回目の会議は終了しますか」
「そうしましょう」
まだ何も実現できていないが、実りある時間を過ごせたとご
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