また来年

インターホンが鳴る

ドアの前には

年老いた夏がいた


話すわけでも

入ってくる訳でもない

少し寂しそうに

彼は立っていた


消えてしまいそうな夏

伸ばしてきた手を取ると

真っ赤な記憶が蘇った


気がつくと夏はいない

秋の静けさと

冷たい夜風

暑い記憶が冷めていく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る