心を閉ざした財閥令嬢と話し相手になった庶民?の俺が婚約する話
半魚人
第1話 帰宅、そして
「嘘だろ……」
今日は3月20日、俺こと
『修、お前ももう中学卒業だ。もう一人で生きていけるだろう。俺と母さんは旅に出てくるよ。高校一年分の学費と生活費は銀行の口座に残しといたから、それで頑張ってくれ。また会おう』
と、書かれた手紙が置かれていた。
(いや、待て待て待て!これはあれか!俗に言う夜逃げってやつか!いや、午前中の卒業式にはきてくれたぞ。まさか俺が友達と話している間に逃げたのか!?)
俺の家は決して裕福ではない、むしろめっっちゃ貧乏だ。現に俺が今いる子の家は築60年の生粋のボロ屋だ!
ここ一年、旅行はともかく、外食した記憶もない。父さん――如月
と、まぁそんなことは今は置いといて、とりあえずどうすればいいかなぁ?と、考えていて時、ふとあることを思いつきた。
(そうだ!スマホがあるじゃないか!とりあえず父さんか母さんに電話してみるか。)
「えーと、とりあえず父さんにかけてみるか。「プルルル、プルルル」まぁラノベとかだとこう言うのは既に解約したか普通に出ないかなんd」
「おう!修か?」
「って、出るんか〜い!」
「おお、どうしたんだ?いきなり大きな声出して?なんか用か?」
「いや、(なんか用か?)じゃねーよ!いきなり消えやがって!どこいんだよ!?」
「ん?ああ、言わずに行っちゃてすまんな。俺と母さんは今静岡にいる!」
「はぁ?静岡ぁ?そんなとこで何してんだよ?」
「実はなぁ。今日本一周の旅してんだわ。日本一周回ったら次は世界一周行くから、軽く
2、3年一人で暮らせよ」
いや、待て待て待て、ちょっっと待て、日本一周ぅ?世界一周ぅ?
もう呆れて文句も出ないがこれだけは聞きたい。
「……父さん?」
「ん?」
「日本一周とかで使うお金ってどっからきたの?」
「ああ、父さんの実家は裕福だって言っただろ?まぁ、俺は親父、お前の爺さんだな、
から嫌われてるんだが、お前のことは好きでなぁ。お前に結構な額のお小遣いやらお年玉やらを振り込んでくれるんだ。そこからお前の生活費以外をちょこっっとな」
……おい。お前、これでも一応親だけどもうお前でいいや。うちが貧乏なのはお前のせいじゃねえか。てか、日本一周と世界一周いける額のお小遣いくれる爺ちゃんって何者?
俺が会ったのは生まれたばかりの時らしいから記憶にねぇが、すげぇな。爺ちゃん。
「ん?なんだ変われって。ん、修〜。聞こえる?」
父さんが誰かと変わったと思ったら、スピーカーから聞こえてきたのは母さん――
如月
「母さん?聞こえるよ。」
「ごめんねぇ〜。黙って旅行に出かけちゃって〜。修も来たかったわよねぇ〜」
いやいやいや、母さんや、ちょいっとそれ間違ってやしませんかね?
「でも、修には高校は卒業して欲しいからねぇ〜」
「あ、うん。まぁいろいろ、いやめっちゃ言いたいことはあるけど、高校は卒業するつもりだよ」
「そう、よかったわぁ〜。連れて行かなかったから拗ねちゃうかと思ったわぁ〜。それじゃあ、もう父さんに返すわ〜。頑張ってね〜」
「と言うことでまぁ、頑張ってな。いつでも電話してこいよ。」
「うん。いろいろ言いたいことはあるけど頑張るよ」
と言って、電話を切ろうとして時、
「あ、そうだ!忘れてた。まぁ、でももうすぐだろうからいっか。てことで、じゃあな」
(待て待て待て、最後になんか言おうとしてたよな。何だよ。)
そう思って電話をかけるが、
『おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないためかかりません』
と流れる。
おい、いつでもかけて来いって言ってたやん。早速出ないやんか。まぁ、いいか。
と思い、ふと時計を見るともう午後6時前になっていたので、夕飯を買いに行こうとしたところ、
『ピンポーーン』
とインターホンの音が鳴り響いた。
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