第27話 愛してる


「さて、続きを話してもいいかい?」


「「「はい!」」」


「アダロもか。まいい、まず、私とティアは夫婦なんだ。」


「「え!?」」


「弟子の俺も初耳なんだけど…?」


「アダロにも言ってないからな。私らは子供ができなくてもいいって同意のうえで夫婦になったんだよ。まぁ、その馴れ初めが書いてるから読むのがこっぱずかしくてな…。」



親方さんとお母さんは夫婦だった。

馴れ初めはというと、お母さんが奇病を発症してこの町に連れて来られてしばらくたった時、親方さんが偶然この町に迷い込んできた。その時に一目ぼれした親方さんからのもうアタックでお母さんが折れて付き合い、しばらく文通にはなっていたが親方さんが再度町に来た時に結婚することになったんだって。



「まぁ、こんな感じだ。」


「ロマンチック!!」


「親方って実はやり手だったんだな。」


「私のことはいいんだよ!だから、2人とも結婚はあきらめなくてもいいんだ。子供はできないが、それでも私は幸せだったしたぶんティアもそうだと思う。あと、手紙の2枚目からは私じゃなく、2人がちゃんと読んだ方がいいと思う。ほら。」


「ありがとうございます。」





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P.S. ここからはメリスとリアンに読んでほしい。


まず、最後にって言って一緒に過ごしてくれたのは嬉しかった。突然の2人の訪問には驚いたし、言葉にはしなかったが嬉しかったよ。ありがとう。久しぶりに3人で店に立てるとは思っていなかったからね。

正直、はじめは子供2人も預かるなんて馬鹿じゃないのかと思っていたし、渋々了承したが乗り気じゃなかった。でもこんな立派に育ってくれて私はいい娘を持ったと思ったよ。

そして、こんな私を“お母さん”と呼んでくれてありがとう。二人が幼いころ必死に隠しているのを知っていたし、たまに2人の会話の中で呼んでいるのを聞いて嬉しかった。素直に喜べばよかったが、やはり恥ずかしさが勝ってしまっていた。すまない。親になれないと思っていたから、血は繋がっていないけど、お母さんにさせてくれてありがとう。

あと、私がいなくなったらリアンが暴走しそうだし、メリスも知らないところでため込みそうだから、そこをなんとか2人でうまくやって行って欲しい。いざとなれば旦那を頼っていい。あの人はいざとなれば頼りになる。

ここまで書いておいてあれだけど、やっぱり直接言いたかった。私の思っていたより病気の進行が速かったし、時間もなかった。強くあったってしまったり、照れ隠しで素直に言えないことも多かったが、メリスのこともリアンのことも大好きなことには変わりない。ずっと2人の幸せを願っている。


最後に、愛しているよ。                       母より。

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「お母さんっ…」


「直接、言ってくれなきゃわからないよ…。」


「私は2人の成長に関われてはいないから”娘”というのは違うかもしれないが、ティア同様君たちを娘だと思っているから、いつでも頼ってきてほしい。」


「「ありがとうございます。」」




お母さんが私たちの事”娘”って思っていてくれてるなんて思わなかった。

私たちが突然泊まった時もただ迷惑なだけかと思ってた。

でも、ちゃんと全部わかってくれてたし、お母さんも喜んでくれてたなら本当によかった。


こんなに思ってくれてるお母さんが今の私たちの状況を見たら悲しむかな…。

私はお店をあまり開いてないし、リアンは発作が悪化しちゃってる。

お母さんを悲しませないためにも変わらないといけないって改めて思った。





-つづく-









――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【あとがき】


読んでいただきありがとうございます!

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最後までよろしくお願いします(*‘∀‘)ノ

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