第13話 信じたくない




「早速だけど、彼女の様態が良くないのは二人とも見てわかるね。」

 

「「はい。」」

 

「そして君たちが気になっているのは今後目が覚めるのか、かな?それとも他のことかな。まぁ、どっちにしてもまず、今後目が覚めるのか、について話そう。答えはyesだ。」


 「本当に目覚めるんですか?」


 「あぁ。眠っている時間が今までよりも長くなるが、目を覚ますよ。ただし、彼女の鉱石病は君たちが思っているよりもかなり進んでいると思ってほしい。」


 「とりあえずは目を覚ますんですね。良かった。このまま目が覚めなかったらうち、後悔するところだった。」


 「でも、思っているよりかなり進んでいるってどういうことですか?まだ手足しか鉱石化はしていないですよ?」


 「鉱石病は表面だけ侵食するわけじゃないんだ。中からも外からも侵食する病気なんだ。さっき彼女のことを診察したけど中がかなり侵食されていた。たぶん中の浸食が溢れてきた分んが目に見えてるって感じだと僕は思う。彼女は最近、飯も食えていなかったんじゃないか?」



たしかに最近お母さんはご飯をあまり食べなかった。水も取らないようになっていた…

なんどか進めたけど、お腹が空かないって言われたっけ。


ちゃんと変化があったのに気づかなかったのは私たち…か。

お母さんと過ごしたい一心でちゃんとお母さんのことが見えていなくて、自分たちのことしか考えてなかった。



 「なぁ、メリス、リアン、鉱石病は表だけじゃ分からないんだ。一番見た目に出ると言われている病気だけど。彼女もそこまでは理解していなかったんだろう。でも、まだ彼女が死んでしまったわけじゃないだろ?また目が覚めたら話したり普通に過ごせばいいさ。」


 「普通に…?このことを知って普通に生活なんてしていられないよ!!」


 「メリス、落ち着いて。まだお母さんは生きているんだもん。目が覚めたらお母さんが寝ていた間の事いっぱい話してあげよう?」


 「いつ目が覚めるかもわからないのに!どうやって!?」


 「待つしかない、じゃん。」



なんでリアンはこんなに冷静になっていられるのか理解が出来なかった。


お母さんがいつ目覚めるのか分からないのに何でこんなにも落ち着いていられるのか分からなかったし、自分も怒っているのか悲しいのか何なのか分からない感情が込み上げてきて変な感じだった。


でもその感情が抑えられなかった。



 「あれ、ここ…どこだろう」



気が付くと見たことのないところまで来てしまっていた。



-つづく-





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【あとがき】


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