第8話

「それじゃあまたいつでも来てくれよ」


「今度はほかのみんなも連れてきますね」


昼食も食べ終わり、少し食休みをした後、エルフの国の人も気になっているだろうし。

早く帰ってニーズさんと世界樹はもう大丈夫って教えてあげるべきだと思いもう帰る事にした。


この森にしかいない魔物とか食材もあるって聞いたけど今回は我慢。


「イスカちゃんもまたね。ティアナにも近い内に会いに行くって伝えておいてくれ」


「しっかり伝えておきます!」


いつも見れないティアナさんを見れる気がするから俺がいる時に会いに言って欲しいな。

アルさんとニーズさん2人同時にって言うのも面白そうだ。



ーティアナ、フェムトー

「今、すごい寒気が…。近い内に何か良くないことが起きる気がする」


「またまたそんなこと言っちゃって、気のせいだよ気のせい」


(アルとニーズが突然来たらティアナがどんな反応するか楽しみだから黙っておこう)


「そんな事より早くコマを置くところ決めてよ。何時までも僕の番が来ないじゃん」


「フェムト様よく飽きませんねオセロ。楽しいのは認めますが、オセロだけしてたら流石に飽きません?」


「不思議と飽きないんだよねーこれが。

まぁ、地球に遊びに行った時、色んなテーブルゲームを買ってこようって話をコウとしてるから楽しみにしててよ」


「それは楽しみですね。オセロが楽しいのは事実ですし、他のゲームも期待ができますから」


フェムトに話を逸らされた結果、さっきまで感じていた嫌な予感などすぐに忘れてしまい結果、酷い目にあうティアナさんであった。


ーーー


「では、ニーズヘッグ様も世界樹も無事救うことが出来たのですね」


エルフの国帰ってきてすぐに謁見の間に通された。

また俺が本来国王の居るポジションに立って

おもてをあげよをしなきゃ行けなかったけど…エルフの国ではこういう物なんだって割り切った。


ササッと終わらせて、ニーズさんと世界樹の話に移った。

ニーズさん本人が着いてきてくれれば良かったんだけど、まだ全快じゃないから今回は遠慮しておくって言われてしまったので着いていてない。

少ししたらエルフの国にちゃんと顔を出すって言ってたし大丈夫だろう。


「はい、ちゃんと助ける事が出来ました。

ニーズさんも近い内にちゃんと顔を見せに行くと言っていたので、安心してください」



ホントにここ謁見の間か?ってぐらいエルフの皆さんが歓声をあげ騒ぎ出す。

それだけニーズさんがエルフ達に信仰されてるって事だろう。

この光景を見るだけで助けたかいがあったな。


「精霊王様、ご相談が有るのですが…」


「なんですか?」


「民たちもみなニーズヘッグ様に何かあったのでは?と心配しています。精霊王様がニーズヘッグ様をお救いになられたと大々的に発表をさせて貰え無いでしょうか?」


成程、そう言う事か。発表することでエルフのみんなが安心してくれるなら別に良いだろう。


「好きに公表してくれて良いですよ」


「ありがとうございます。すぐに原文を用意しろ」


「はい!」


マルク陛下の指示を受けた貴族が足早に謁見の間から出ていった。


「原文が完成し次第、精霊王様にご確認いただき、許可がおりましたら公表させていただきます」


事前に確認をさせてくれるのは有難いな。

でも、エルフの人達が俺に関して変なこと書くとは思えないんから確認の必要は無いかも知れないけど。


謁見の間での報告は終了して謁見の間から退室した。

今回の件を発表する為の原文が完成したら確認しなきゃ行けないので、城の一室でくつろいでいる。


「コウさんとイスカさんも無事で、ニーズヘッグ様も助けられてホントに良かったです。この生春巻き?も美味しいですね。

食べやすくするためだけに巻いてあるのかと思ったら、以外にモチモチしてていいアクセントになってます」


リアはまだ昼食を食べていなかったみたいなので、生春巻きをご馳走した。


出してから思ったんだけど、これニーズさんの抜け殻って知ってたら凄い反応するんじゃ…。


「見た目も良いから貴族の食事でも問題なく出せますし、食べやすいから屋台でも人気が出そうですね。この透明な皮なにを使ってるんですか?」


やっぱり気になるよね。でも知らない方が幸せだと思うんだ。


「その…ニーズさんの抜け殻なんだその透明な皮」


「ニーズヘッグ様の抜け殻?」


そう言ってリアは固まってしまった。


「これは気絶してますね」


イスカがリアの顔の前で手を振るがぴくりとも反応しない。

やっぱりこうなるよね。


「あれ?私寝ちゃってました?それにしても変な夢を見ました。ニーズヘッグの抜け殻で野菜とお肉を巻いて食べる夢だったんですけど…」


生春巻きを見てリアが再度固まる。

夢じゃなかったとなっているだけで気絶はしていない。


「エルフからしたらなんてもの食べさせてるんだってなるかもしれないけど言い訳させて?ニーズさん本人が食べれるって教えてくれたんだよ」


「ニーズヘッグ様ご本人が?」


リアには何とか納得してもらったけど、この料理私以外のエルフには絶対出しちゃダメですよ?と言われるコウだった。




読んでいただきありがとうございます。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る