第46話 サトルの回想②
まず、必要なのは、ターゲットの選別だった。自分の家の周辺の女子小学生を標的にした場合、すぐにつかまってしまう。それゆえ、自宅から少し離れた場所にある小学校の子どもを狙うことにした。小学校周辺を自転車で走りつつ、狙いをつけた少女に関しては、帰宅ルートやその時間帯まで調べるようになり、ついに、最初の強姦未遂から一か月後、二回目の犯行に及んだ。
それは、とある少女が学校から帰り、そしてドアを閉めようとする瞬間のことだった。サトルによると、その子は前々からターゲットとして情報収集を行っていた対象の一人だったという。少女は、サトルから包丁を突き付けられ脅されたため、彼が満足するまで何をされても、黙って受け入れるほかなかったのである。
初めての性犯罪成功によって、彼が得たのは自信と高揚感だった。この感覚をまた味わいたい。そう思った彼は、それから間もなく三回目の犯行に及んだ。二回目から、三週間後のことだった。そして、その後も、次々と性的虐待を繰り返していくうちに、コツをつかんだ彼は、ターゲットを次第に中学生、高校生へと変えていった。しかし、それに伴って、彼の犯行計画はずさんなものになっていった。きっと、おごりのようなものに違いない。
そんなこともあってか、常習化していた彼の性的虐待は最終的に逮捕という形で終わりを迎えた。世間は、何が決め手となって、サトルという性犯罪者の逮捕に至ったか知りたがったが、被害者のプライバシー保護を理由に、それは叶わなかった。
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