第13話、新メンバー合流

「なあ、オーガもいけると思うんだがどうだろう」


「おじさんがいけると思うんならいいんじゃない」


こうして俺たちはBクラスの獲物であるオーガに挑んだ。

オーガを前にした俺は極限まで集中し、オネエのバフを待った。


……待ったのだが来ない。


「おい!」


そこには美女二人が手を取り合って……


「あっ、ごめんごめん」


オネエのバフに包まれながら俺は今見た状況を……いかん、今はオーガに集中だ!

俺はオーガの一撃をかいくぐり、喉を切り裂いた。

オーガは数歩歩いてズンと倒れた。


俺はオネエのほうを振り返った。


「エリス……」


オネエと手を取り合っているのは俺を捨てたエリスだった。

いや、捨てるというのは適切じゃない。置き去りにしただ。


エリスも俺に気づいていた。


「おじさんもオネエも見違えちゃった」


「知り合いだったのか」


「うん、幼馴染よ。いい女になっちゃって」


「オネエこそ、いい女……だわ」


「エリス……」


「あの時はごめんなさい……」


「俺がここまでこれたのもエリスのおかげだ。

むしろ感謝している」


「遠隔でお母さんの容体が悪化したことを感じたの。

そしたらいてもたってもいられなくて……」


「昔から体がよわかったものね。

それで、お母さんは?」


「一時は持ち直したんだけど、三日前に……」


「そうか、残念だったな」


「でも、あのお金があったから、十分な治療ができたし、何十年分も話すことができた。

悔いはないわ」


「そうだったの」


「それで、あの時突然飛び出しちゃったから、おじさんにお詫びしようと思って戻ってきたの。

もう身寄りもないし、できたら正式にパーティーを組もうと思って」


「大歓迎よ!ねっ、おじさん」


「ああ、エリスがいいんならなんの問題もない」


「でも、驚いちゃった。

あのおじさんが、こんなに逞しくなってるんだもの」


「オネエのバフがあるからな」


「そんなことないって。

今のおじさんならオーガだって単独で大丈夫だよ」


こうして、俺は新たにエリスを加えたパーティーを申請した。

エリスは元の俺のいる宿に戻り、オネエも宿を引き払って合流した。


三人で初めてギルドに顔を出したとき、俺は羨望の視線を受けた。

俺自身も、なんだか誇らしかった……一人はオネエだけど……

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