第10話、おっさんは頑張った
畑に行けばオーガが出てくるというものではない。
俺たちは畑に現れたオークを半殺しにして、畑の真ん中に放置した。
待つこと1時間、
やっとオーガが現れた。
オーガがオークに気を取られているスキに、俺たちは散会した。
俺とチビが呼吸をあわせてアキレス腱に切り付ける。
そこへノッポがシールドアタックを仕掛ける。
一撃ではアキレス腱を切断できなかったので、同じ場所を何度も切り付ける。
エースが左側に回り込み、十分な加速とともに首筋に切り付ける。
だがノッポが弾き飛ばされ、エースの打ち込みも十分ではない。
アキレス腱の白い筋が見えている。
オーガがノッポのほうに移動しようと力を入れた瞬間、バチンと音がしてアキレス腱が切れた。
そのまま前のめりに倒れこむオーガ。
そのすきに、エースが何度も首筋に切り付けると、オーガは沈黙した。
「やったな」
「すまない。抑えきれなかった」
「気にするな、結果オーライさ」
俺は収納にオーガとオークを格納した。
村に戻って、村長にオーガを確認してもらう。
「おお、ありがたい。
これで安心して畑仕事ができますじゃ」
「オーガの死骸はどうしますか」
「オーガじゃ食えないもんな」
「そちらで、処分していただけますか」
俺たちは依頼書に完了のサインをもらって帰路に就く。
途中で2件のオーク討伐も終え、その日は2件目の村長の家に泊めてもらう。
「おっさん、短剣でも十分な火力じゃねえか」
「オーガのアキレス腱を半分まで切るのがやっとだぞ。
これじゃあ、とてもBクラスには上がれねえよ」
「となると、もっと切れ味のいい短剣にするか、力をつけるかだな」
「短刀でもいろんな種類があるぜ。
おっさんなら収納があるんだから、いろんなのを持って使い分ければいいんじゃねえの」
「そうだな、武器屋か、帰ったら行ってみるよ」
「えっ、武器屋に行ったことないのかよ」
「ああ、この革鎧もそうだが貰いもんなんだ」
「おいおい、Cクラスのソロっていえば、いっぱしのモンだぜ。
それが、武器屋に行ったことがないとは……」
「逆に考えれば、その装備でここまで来てるってのに驚くぜ」
「俺なんか、これまでに5本ダメにしてるからな」
「俺の楯も三つ目だぜ」
「なんか、俺ってダメ出しされてる……?」
「いや、今日の動きを見れば分かるが、パーティーなら十分にBで通用すんぜ」
「お前らもな」
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