創作雑記7.登場人物の描写ってどこまで?

気が付けば九月。

残暑というべきか、暑い日もまだまだありますが、朝や夜は過ごしやすくなってきましたね。

夜に聴く虫の声も秋のそれになりつつあり、ちょっと夏の終わりがさみしいような気もします。でも、暑いのは苦手なので、涼しくなるのは嬉しいような――そんな頃ごろです。



前置きはこの辺りで。さて、表題です。

登場人物の描写って、どこまでいるのかな――?


今回触れたいのは内面に関する描写などではなく、単純に外見描写です。

その人物の内面に関しては、本編内での人物の行動で示すものだと私は思っています。

物事に対してどのように行動したのか。何を感じ、何を得て活かすのか。かな、と。たとえば。


明るく元気な性格で、何事にも物怖じしないタイプだから、とにかくいろんなことに興味があって、首を突っ込まずにはいられないから、よくトラブルメーカーって言われてる存在だよ!


と内面描写(描写、かな?)されても、その物語に引き込まれるような気持ちで読むのは、私は難しいかなと思います。(上記の文は即席なので大目に見てください汗)


と。話が逸れそうなので戻すと。

以前の創作雑記で、物語を読む際には映像で浮かぶか、それとも静止画か、と話題にしたことがありますが、人物の外見描写もそこへ関わってくるのかなと思います。


これは近年の傾向なのか影響なのか、書籍の表紙に可愛らしい絵柄で人物が描かれていたり、作品がコミカライズされていたり、アニメ化されていたりの影響で、わりと細かく描写されているように思います。あくまで私個人の感覚ですが。

髪の色から瞳の色。髪型。服装はどんな色の服を着ていて、時にはインナーからアウターまで細かく。

顔の造形の描写をされているものもあったり。鼻筋はすっとしていて、唇はほんのり色付きふっくらしている、な感じ…かな……?

そのように細かい描写があるから人物が想像しやすく、助かるなと感じることもあれば、ちょっと人物多すぎて、脳内処理仕切れないよと感じることもあります。

私自身、服の知識があまりありませんので、異世界もので多い中世(と言いつつ、たぶんあれは近世な気がする)ヨーロッパ風の世界観のドレスなどの業界用語(?)も、想像できなく、そこで一旦物語に静止をかけて調べたり、ということもあったりなかったり。

物語に触れ始めたら、なるべくなら静止をかけずに読みたいなと読者な私は思ってしまうので、作者な私で考えた時に、さじ加減難しくない?となってしまったわけです。


それもあって、私は基本的には髪の色と瞳の色、場合によっては簡単な髪型(ひとつに束ねているとか、左右でわけて束ねているとか、単純に髪の長さとか)に留めるようにしています。

それでも、読者な私はよく人物の描写を忘れてしまうので、作者な私は地の文に人物の外見情報を入れる頻度は多い気もします。

たとえば、白の髪が風になびく。空の瞳が瞬いた。後ろに垂らした編み込まれた白の髪が揺れる。とか。

なるべく地の文がかさばらないように、情報が多くならないようにと気を付けてはいますが、たまに情報入れすぎて読みにくいところもあったりします…。そこは反省。


人物同士の行動でも、二者居る場面で目が合った場面があったとして、ただ「彼と彼女の目が合った」とすればそれで伝わるかと思いますが、「空と瑠璃の瞳が合った」「空と瑠璃。ふたつの視線が交わった」と、その人物の瞳の色を地の文に入れることも、私は多い気がします。

これは単純に好みかもしれませんが、その方がこの人物は空色の瞳を持っている、瑠璃の瞳しているなと覚えてもらえやすいかなと思いますし、地の文に色がはいっているのが好きなのかもしれません。


と、つらつら綴ってきましたが、やはり私の好み、趣味の域をでませんし、もしかしたら、髪色や瞳の色など、そもそもが本当は必要ないのかもしれません。

作中の展開でその外見が意味を帯びてくるのならば、印象付けの意味合いであえて描写を差し込むことにより、際立たせる手法もあるのかもしれない。

一人一人に外見描写差し込むなんて面倒だ、と作中は人物の名前しか出さない作家さんもいらっしゃると聞いたこともあります。

この問題に正解はないのかもしれませんが、どこまで描写を差し込み、そしてそれをどう自然な流れで読者さんへ受け取ってもらうのか。

もしかしたら、そこが腕の見せ所というやつなのかもしれません。


外見描写の差し込み方については、動作を取り入れると読みやすいのではないかなと私は思っています。


肩口で切り揃えられた金の髪を跳ねさせながら、元気に駆けて来る少女の姿があった。

彼女は息を弾ませながら戸口の前へ立つと、胸に手を添えながら、深く呼吸をするのに努め始める。

それにしばしの時間を要したのち、碧の瞳に決意の色を宿して大きく息を吸うと。

「あーそーぼーっ!」

と、家人に向かって叫んだ。


これもやはり、私個人の感覚なのですがね…汗

ある程度の視点での流れをつくり、そこに少しずつ情報を流し込む。それならば想像もしやすく、情報過多になりなくい。ような、気がします。私は。そう、私は。

難しいです。外見描写。どこまでするのか、どう差し込むのか。今回のは自分のを読み返して、悩んで、どツボにはまったのがきっかけでした。


話の終え時がわからず、更にまとまりもなくなってしまいましたが、いつもお読みいただいてありがとうございます。

今回はここまでにしたいと思います。

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