端くれ
クラスの端で密になって保護者がずらりと佇むこの日、僕は
タイムスリップしてみたい
と言った。周りは子供が選ぶ人気の職業ランキング上位の職業などを主にしてた。保護者はさすが谷川君と鬱陶しさムンムンの囁きを交わした。自分の親だけ誇らしげにしていたことが印象的だった。小学3年の頃からだ。あれから10年以上。3年の区切りを超えるたびに勉強だけに打ち込んで全国模試で上位になっていった。振り返るとあの日を境、親があの作文で熱が変わってしまったこともあったと今は思い込んでる。まるで学畜のようだ。学畜なのに同情が得れず、
(社畜は同情されるのに。)
辛い青春を過ごして無難に大学院卒となった。そして心が壊れてニートまがいになった。学畜であった故にだ。
ある日、カウセリングの先生が往診にきた。実家の一軒家の二階の一室が俺のスペースだった。とても自分では機能的で素晴らしく、片付けていたと思っていたが先生が来るなり、
"片付けて"
と声をだした。ふざけるなよと立ち向かうと
あなたのそれは思い込みで間違いなのよ。従って。
ときつく、ひつこく俺の耳が疲れるまで言われた。だんだん言われすぎて自分にそうだとう自信がなくなっていった。仕方なく先生と片付けていった。
そんなときにあの作文を見つけた。先生が
これは?
と発見して見せてきた。10年以上振りだった。そして漠然と叶えてみたいこの夢と思った。湧き上がったそれは抑えることができないと思えた。
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