第209話 休息とステータス確認

『閉じ込められたかもしれねぇな』


 空を見上げながら、俺はぽつりと呟く。


 あれが本当に結界なのかは定かではないが、少なくとも強力なスキルなのはわかる。

 珍獣島を丸々覆ってしまうなど、規模が今まで見てきたスキルと段違いだ。


 こんなことができるのなら、スキル使用者は最低でも珍獣島四天王と同格以上のステータスはあると思う。

 四天王はちょうど全員倒したところだから、珍獣王がやったと考えるのが妥当だろう。

 五人目の四天王というネタ枠がいなければの話だが。


「なんで今ごろになって結界? を使ったんだろう……」


 引っかかる点はそこだ。


 四天王を全員倒されたから……?

 いや、四天王たちに仲間意識などというものは一ミリもなかった。

 珍獣王のばらまいている珍獣菌の影響は受けているだろうが、組織だって動いているわけではない。


『となると、怪しいのはやはりあの山だな。ひとまず珍獣山と名付けるか』


 俺は島の中心にそびえたつ山を睨む。

 結界が発動したのは【デスワームビーム】で山の一部が消し飛んだ直後だし、結界発動前に黒い光が昇っていったのも山からだった。


『少なくとも、あの山に何かある……いや、いるのは間違いなさそうだな』

「どうする、お兄ちゃん? 行ってみる?」

『いや、まずはあれが本当に結界なのか、結界だった場合は脱出できるのか調べる。それでダメだったら、山に行くしかないだろう』


 俺たちはワームの肉と攻城蜈蚣の死体を回収してから、島の端に向かう。

 なお、攻城蜈蚣の死体は【次元収納】に入りきらなかったので、ジョーズの死体と交換しておいた。


 食用不可(臭くて食えたもんじゃない)で素材にできそうなのが牙と皮しかないジョーズよりは、全身が強靭な甲殻で覆われた攻城蜈蚣のほうが高く売れるだろう。

 なぜか攻城蜈蚣の背中の兵器は金属製だしな。


『到着っと』


 島の端まで来た俺たちは、至近距離から黒い壁を観察する。


『やっぱこれ、どう見ても結界だよな』


 試しにキックしてみると、俺の足はガキンッと弾かれた。

 確定だな、これは結界だ。


「魔法で攻撃してみる?」

『ああ、タイミングをそろえて放つぞ!』

「ん、わかった!」


 俺は最大出力の【フレア】を。

 ルナは最大出力の【圧縮旋風弾】を準備する。


 そして、同時に放った。




『………………ダメか……』

「……予想以上に固いね、この結界」


 傷一つつかなかった結界に驚いた、その時。

 結界の先ほど攻撃が当たった部分が光ったかと思ったら、黒い光線が俺たちめがけて放たれた。


『ヤバ──【ファイアーウォール】!』


 俺は炎の壁を発生させるのと同時に、ルナの前に躍り出る。

 翼を前に出して、光線を受け止めた。

 衝撃で爆発が起こり、俺の体に痛みが走る。


「お兄ちゃん!」

『……安心しろ、大丈夫だ。痛いけど、意外と痛くなかったな。とっさの【ファイアーウォール】で威力を落とせたんだろう』


 俺は自身に【ハイヒール】をかける。

 先ほどの攻撃で受けたダメージは、これだけで消え去った。


『今の光線だが……おそらく、この結界にはカウンター機能があるんだろう』

「じゃあ、お兄ちゃんの【エクスプロージョン】で無理やり破壊するって作戦も無理そうだね」

『ああ、大惨事になる未来しか見えない』


 必然的に俺たちは珍獣山に向かうことになった。

 けど、その前に。


『まずは休息だ。連戦で消耗した魔力と精神的な疲労を回復しないとな』

「こういう時はやっぱりあれだよね?」

『もちろんあれだ』


 毎度おなじみBBQ!

 手軽でおいしいBBQ!

 これしか勝たんBBQ!


『準備完了。さっそく焼いていくぜ』

「ルナ、今日はお肉多めがいい」

『はいよ』


 俺は【次元収納】からワームの肉を取り出すと、片っ端から焼いていく。

 【鑑定】によると、高栄養価でかつ非常に美味とのことだ。

 味に関する【鑑定】が大外れだったことはないから、食べるのが今から楽しみだ。


 しばらくすると、とてつもなく香ばしい匂いがあたりに漂い始めた。

 ワームの肉から滴り落ちた油が、炎に呑まれてジュゥゥっと音を立てる。

 スケイルワイバーンの肉もかなりうまかったが、これはドラゴン肉を超えただろ!


『完成したぜ!』

「じゅるり……」


 肉が焼き上がるなり、俺たちは速攻で食らいついた。

 限界まで沸き上がった食欲を押さえることなんてできなかった。


『ナニコレうんまぁっ!』

「今までで一番おいしいかもっ!?」


 俺たちは顔を見合わせて叫ぶ。

 こんな絶品を食べて、興奮しないわけがなかった。


 食欲をそそるジューシーな匂い!

 ほどよい柔らかさの触感!

 あふれ出る濃厚な肉汁!

 口の中いっぱいに広がるうま味!


『うぷっ、もう腹いっぱい……』

「ルナも大満足~」


 肉以外も食べる予定だったのに、気づいたら満腹になるまでワーム肉を堪能していた。

 このワーム肉、まだまだたくさんあるんだぜ?

 俺たちの食生活が充実するのは約束されたも同然だな!


『さてと、決戦前にステータス確認をするか』



------------------------


種族:鳳凰 Lv78

名前:ノア

状態異常:なし


体力 :1657/1803

魔力 :1013/1882

攻撃力:1001

防御力:809

魔法力:1204

素早さ:895

ランク:A


固有スキル

【飛翔LvMax】【鑑定】【言語翻訳】【獲得経験値倍化】【方向把握】【高速思考】【超帯電】【念話】【操炎術Lv9】【次元収納Lv8】


スキル

【体力自動回復Lv7】【魔力自動回復Lv7】【クチバシ攻撃LvMax】【電撃クチバシLv8】【爪撃LvMax】【爪炎撃LvMax】【爪雷撃Lv9】【斬撃波Lv3】【フレアタックルLvMax】【ファイアーブレスLv8】【雷属性魔法Lv8】【放電Lv9】【フェザーアローLv6】【フェザーボムLv6】【熱風Lv7】【ホーリーフレアLv4】【ハイヒールLv7】【エリアハイヒールLv4】【ホーリーLv4】【再生ノ蒼キ炎Lv8】【魔力譲渡】【ダメージカット(魔法)】【ダメージアップ(魔法)】【気配察知Lv5】【魔力制御LvMax】


耐性スキル

【炎属性無効】【雷属性耐性LvMax】【毒耐性Lv7】【麻痺耐性Lv9】【呪い耐性Lv6】【物理耐性Lv3】【魔法耐性Lv4】


称号

【突然変異】【転生者】【焼き鳥】【炎の貴公子】【釣り名鳥】【解放者】【輪廻を司る者】【雷鳥】【獄炎鳥】【聖炎鳥】


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 ステータスを詳しく見てみると、前回から変化している部分があった。

 【操炎術】に統合されていた【火炎飛爪斬】が【紅蓮斬ぐれんざん】に進化しており、ついでに【剣術】スキルの一つである【斬撃波】を獲得している。


 新スキルか!

 これはなかなか使い勝手がよさそうだ。


 次はルナの番。



------------------------


種族:カオスエレメンタルテイル Lv70

名前:ルナ

状態異常:なし


体力 :820/820

魔力 :587/997

攻撃力:489

防御力:463

魔法力:972

素早さ:675

ランク:B+


固有スキル

【鑑定】【言語翻訳】【獲得経験値倍化】【方向把握】【念話】【ダークフィールド】【人化の術Lv7】


スキル

【体力自動回復Lv3】【魔力自動回復Lv4】【噛みつきLv4】【爪撃Lv4】【テイルアタックLv4】【風属性魔法Lv9】【闇属性魔法Lv7】【グラビティLv6】【気配察知Lv7】【魔力制御LvMax】


耐性スキル

【風属性耐性Lv8】【闇属性耐性Lv6】【毒耐性Lv4】【物理耐性Lv1】【魔法耐性Lv3】


称号

【転生者】【愛され狐】【もふもふ】【半精霊】【ウィンドマスター】【漆黒の使い手】


------------------------


 ルナのほうも順調に伸びている。

 種族が魔法力特化タイプだからか、特に魔力・魔法力の伸びが凄まじいな。

 今後の成長に期待大だ。


「ルナ、あとどれくらいで進化できるかな?」

『俺が鳳凰に進化した時は……確かLv95だったか? とにかく、ルナもその辺のレベル帯で進化できると思うぞ』

「あと20レベル以上か……。レベル上げ頑張ろ」


 ステータス確認を済ませた俺たちは、一度仮眠をとる。

 目覚めた時には、すっかり全回復していた。


『さーて、何が待っているのかな?』

「どんな魔物が相手でもルナとお兄ちゃんが勝つ!」


 俺たちは結界の使用者を倒すべく、珍獣山へ向かうのであった。

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