第153話 カースドヴェノムスワンプ
『ステータスがピーキーすぎるだろ……』
【鑑定】して最初の感想がこれ。
『見た目も相まって完全にバケモノだ――ッ!』
巨大怪水の体の一部から放たれた水鉄砲が、俺の翼のすぐ
攻撃の速さはこれで大体つかめた。
念のためにもっと余裕を持って避けつつ、スキルの確認をしていくか。
ピュンッ!
次々と飛んでくる水鉄砲を躱す。
【カースドヴェノムスワンプ A-ランク】
【元はただのスライムだったが、身に余る猛毒を摂取して、死ぬギリギリで進化して命を保ち続けた結果、元の面影のないバケモノへと至ってしまった。体を構成する怪水は強力な呪いや毒で汚染されており、触れるだけで致命傷になる。体を構成する怪水を直接相手に放った場合は、魔力を消費しない。が、放ったぶんだけ本体の体積は減っていく。】
なるほど。
巨大ヤドクガエルの死体(肉)は大量にあったから(処理できないからそのまま放置してたもんな)、それを食べて死ぬギリギリで進化してというのを繰り返してここまで強くなったのか。
その過程で毒と呪いの力が使えるようになって、耐性もできたと。
【固執の魔眼】
【ロックオンした相手の居場所が、常にわかるようになる。一度にロックオンできるのは三体まで。上限を超えてロックオンすると、最初にロックオンした対象の情報が上書きされて消える。】
なるほどなるほど。
こいつが狼王のところまで一直線に来れたのは、このスキルが原因だったのか。
ストーカーには渡したくないスキルだ。
あ、こいつはすでにもうストーカーか。
というか、お前どうやって魔眼使ってんだよ!
目ぇないじゃん!
『ああそうか! 心で見てるんだな。うん。そういうことだろう。どういうことだろう?』
【腐食の呪い】
【触れたものを腐らせる呪いを体に宿す。】
だから、こいつの放った水が触れた場所が腐ったって狼王が言ったのか。
【猛毒の呪い】
【呼吸器官の働きを阻害する効果と触れた場所を腐らせる効果のある毒が、常に体に宿っている。】
こっちも洒落にならんやつだな。
とりあえず、こいつの体に触れてはいけないことがわかった。
いや、最初からわかっていたけど。
【操水術】
【本来は水魔法を自由自在に扱えるようになるスキルだが、この個体の場合は体を構成する水を自由自在に操ることしかできない。】
全長十メートル以上の超巨大な水の塊だもんな。
このスキルがなかったら動けなくて当然か。
しかし、体を構成する水しか操れないのはこちらにとって都合がいい。
攻撃手段はもともとの【水鉄砲】と【ウォーターカッター】、それから怪水の中に直接相手を取り込むくらいしかないってことだからな。
怪水にほんのちょっとでも触れてはいけないから、攻撃手段が少ないってだけでありがたい。
【水吸収】
【水魔法や池、川、海などの水を吸収して、自分の体の一部へと変えることができる。ただし、水を自由自在に操りきれる量以上まで増やすことはできない。大気中の水分を吸収することは不可能。また、水を吸収しても体力は回復しない。】
大気中の水分を吸収して回復! ってのがなくてよかったぜ。
まあそれでも充分強いスキルだが、こっちは水魔法で攻撃する気はないから関係ない。
近くに水場があるわけでもないしな。
『確認しておかなければならないスキルはこんなもんか』
怪水は相変わらず水をたくさん飛ばしてくるが、一つも俺に命中することはない。
そして、心なしかヤツの体積が減っている気がする。
『某マンガにはお前の完全上位互換がいるが、それに比べたらお前は大したことない』
こいつは体積が減っても、上位互換の邪悪な天然水とは違って大気中の水分を吸収することはできないからな。
蒸発に関しても同じだ。
邪悪な天然水は、生半可な火力じゃ蒸発よりも大気中の水分を吸収する速度のほうが早いが、こいつはそんなことはできないから蒸発させたぶんだけ体積の減りは早くなる。
『高すぎる耐性は面倒だが、水場のないこのエリアで不利なのはお前だ』
じゃあいったん離脱して……その前に【念話】を使っておくか。
確か、相手の考えていることを読み取ることもできたはずだ。
そこまで正確ではないだろうが……。
『さて……』
怪水に意識を向ける。
すると――
『強イヤツ倒ス。取リ込ム。糧ニスル……。モット強クナル……』
なるほど。
そのために強い狼王を狙ったのか。
執念深いやつだな。
『じゃあ戻るか』
怪水の放った【ウォーターカッター】を躱して、二人が待っているところまで戻った。
『どんなやつだったの?』
『成果はどうだ?』
かくかくしかじかと見てきたことを伝える。
攻撃手段、耐性、呪いなどの特徴etc……。
『うむ。思っていたよりも厄介だな。魔法の効きが悪いとなると、攻撃を避け続けて水の量を減らしていくしかなさそうだが……』
『水の量が減れば、俺の炎で焼き尽くすこともできなくはないが……』
怪水の倒し方を思案していると、親ぎつねが口を開いた。
『そのバケモノを倒せる方法……一応あるにはあるわよ?』
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