第144話 十五階層のボス

 ゴルゴンゾーラが牙をむき出しにして跳びかかってきたが、大剣と魔法であっという間に四等分にされてしまった。

 多少物理と魔法に耐性があったところで、三人組との地力の差を埋められるわけないか。


「ドロップ品は鱗か」

「魔法と物理に耐性があるんだっけ?」

『そうだぞ。ちなみに両方ともスキルレベルは2だった』

「防具とかに加工したら、それなりに強くなりそうだね」


 魔獣を倒して、価値のあるドロップ品だけを回収しつつ進む。

 毒持ちの魔獣がいたり通路の先と後ろから挟み撃ちにされたりもしたけど、問題なく倒すことができた。

 そして十五階層へ。


「キシャアアアアアアアアア!」


 全長十メートルほどのムカデのバケモノが突っ込んできた。


『害虫駆除歴三十余年。虫の悩みはお任せあれ! 【クリムゾンアロー】!』


 大きく開かれた口の中に【クリムゾンアロー】をぶち込む。


「ギジャアア!?」


 ムカデが悶えた隙に、三人組が節と節の繋ぎ目に攻撃していく。


「ジャアア゛!?」


 分断されたムカデの体を、次々と【ファイアーウォール】で燃やしていく。


『害虫駆除完了!』


 体を分断された挙句こんがりと体の中心まで焼かれたムカデは、甲高い断末魔をあげて消えていった。


「今のがB-ランクか」

『Bランク台でも低レベルならこんなもんか』

「無傷で倒せたけど、少し手間取ったわね」

「物理と魔法に耐性のある甲殻が厄介だったね。つなぎ目を狙わないと、まともにダメージを与えることもできなかったから」


 残された甲殻と牙と麻痺毒の入った瓶を回収する。


『売れば高そうだな』

「甲殻や牙は防具や武器のいい材料になるだろうな」

「あれだけ硬かったもんね」

「麻痺毒だけもらっていいかな?」

「もちろんいいぞ」

「矢に塗って撃ったら強そうね」


 巨大ムカデのあとはC+ランクの魔獣としか遭遇しなかったから、たいして苦戦することなく進むことができた。

 そして、フロアボスの部屋に到着。


「行くか」

「ええ」

「頑張ろうね」

『さーて、どんな奴が出てくるのか』


 いったん休憩をはさんでから、フロアボスのいる部屋の扉を開いた。


『ワーオ。湿地帯だな』

「かなり戦いづらそうだな」

『なら我が敵の気を引く役目を果たそうぞ』

「助かるわ。ありがとう」

「見た感じ敵は見当たらないね」


 湿地帯のどこかにフロアボスが隠れているんだろうということで、リアと一緒に上空から偵察することになった。


「いないね」

『見当たらないな』


 探すこと数分。


「あ! いたよ!」

『どこ?』

「ほら、あそこ! 池かな? それの中!」


 リアが指さしているほうを見ると、湿地帯の真ん中にある沼みたいな池の中心に何かいるのがわかった。

 目の部分だけ水面から出して辺りの様子を窺っている。

 そりゃ、なかなか見つからないわけだ。


【ジャイアントクロコダイル Bランク】

【湿地帯に棲む巨大なワニの魔物。体は分厚い鱗で覆われており、物理・魔法に高い耐性を有する。鋭い爪や牙は、並大抵のものなら簡単に砕き、引き裂くことができる。魔法は使わないが、純粋にフィジカルがとても強い。】


『よく見つけられたな』

「真ん中の池が怪しいかなって思ってよく見たら、たまたま見つけれただけだよ」


------------------------


種族:ジャイアントクロコダイル Lv59

名前:なし

状態異常:なし


体力 :1067/1067

魔力 :222/222

攻撃力:757

防御力:749

魔法力:243

素早さ:682

ランク:B


固有スキル

【水泳Lv9】


スキル

【体力自動回復Lv1】【デスロールLvMax】【ダーツフィッシュLv7】【噛みつきLvMax】【爪撃Lv6】【テイルアタックLv6】【気配察知Lv4】


耐性スキル

【水属性耐性Lv2】【毒耐性Lv2】【物理耐性Lv4】【魔法耐性Lv4】


称号

【黒い悪魔】【湿地帯の主】


------------------------


『ステータスを見たが、あれはかなり強いぞ。倒そうと思ったら全員でかかる必要がありそうだ』


 能力値では三人組のほうが上だが、クロコダイルは物理と魔法に対する耐性が高い。

 ダメージを通すのも大変だろう。

 ちなみに俺のレベルは61まで上がっていて、能力値自体はクロコダイルと同じような感じだ。


『いったん戻って情報を伝えるか』

「向こうから攻撃してくる気はなさそうだから、今のうちに作戦を立てとこうよ」


 部屋の入り口まで戻って、クロコダイルの特徴や戦闘スタイルをみんなに教えた。


『湿地帯という地形ではクロコダイルのほうが有利だ。だから俺が積極的に気を引いてヘイトを稼ぐ』

「それで俺とアリスがメインの攻撃役に回る、と」

「私は【隠密】でこっそりとワニの口の中を狙ってみるよ」

「ワニは毒耐性などは低かったんでしょ?」

『ああ。毒のほうはLv2、麻痺のほうはなし。だから蜘蛛トリオの毒を矢に塗って、口の中を狙う作戦は通じるはずだ』

「まとまったな」

「それじゃあ行きましょ」

「じゃあみんな気をつけてね。私はここぞというときに攻撃するから」

『作戦のかなめは毒矢だからな。頼んだぞ』


 とうとう出てきたBランクの魔獣。

 間違いなく強敵だろうが、今回も乗り越えて見せるさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る