第120話 Bランクへの進化

 ……どの種族も強そうだな。

 今回は明確な外れ枠がいないからすごく悩むが、とりあえずビッグドードーは除外でいいだろう。

 タンドリーチキンだっけか? あのときと同じ理由だが、空を飛べなくなるのは嫌なんだよな。

 ビッグドードーのフィジカルはすごそうだが、飛べない時点で却下だな。


 残りの三種族をひとつずつ見ていくか。


 まずはブルーファイアホークから。

 名前はカッコいいけど能力がなぁ。

 ほかの種族にしても炎魔法はより強力なものが使えるようになるから、目新しい能力みたいなのが欲しいんだよな。強いのは確かなんだろうけど。


 次はスカーレットコンドルだな。

 攻撃力は低くなく、魔法力は今回の進化先四種族の中でもトップクラスのはず。

 コンドルだから素早さも高いだろう。

 ブルーファイアホークよりはこっちのほうが全然いいはずだ。見た目はブルーファイアホークのほうがかっこよさそうだけど。

 青い炎をまとった猛禽類とか絶対カッコいいって。


 最後はクリムゾンファルコンか。

 攻撃面ではスカーレットコンドルなんかに負けているだろうが、『圧倒的な機動力を誇る独自の飛び方』っていうのがすごく気になるな。

 並大抵のAランクよりも速いってことは、ほかの三種族とはかなりの差があるってことだろう。


 この中から二択に絞るとしたら、スカーレットコンドルとクリムゾンファルコンだな。

 魔法力のスカーレットコンドルにするか、素早さのクリムゾンファルコンにするか……。


 どちらも強そうだが…………よし、決めた。

 スカーレットコンドルではなくクリムゾンファルコンにしよう。

 決め手はやはり『圧倒的な機動力・素早さ』があるという点だ。


 これまでの戦いで何度も感じたことだが、速さは強さだ。

 速く動ければ敵の攻撃を躱すこともできるし、一気に距離を詰めるのも楽になる。

 転生してからこれまで戦いでダメージを喰らう機会は少なかったが、それは俺が素早さに秀でた鳥だったからだ。


 そこに機動力も加われば、今までよりももっと有利に戦いを進めることができるだろう。

 相手の攻撃を躱し、一気に距離を詰め、倒せるまで何度も攻撃をする。

 そんな戦い方ができるはずだ。


 というわけで、クリムゾンファルコンに進化するぞ。


 いつものように体が淡い光に包まれだす。


「この光は……進化か! 成長するペース早いな」


 驚いているゼストを横目に、俺の進化は進んでいく。

 が、いつもは一分もかからずに終わっていたのに、今回は一分を過ぎても終わる気配がない。


 二分ほど光に包まれていると、今度は体が大きくなりだした。

 地球のハヤブサの体長は五十センチほどだから、今回の進化で縮むと思ってたんだけどな。

 どれくらい大きくなるのだろうか?


 さらに二分経過。

 えー、体長一メートル超えました。

 まだ終わる気配はないようです。はい。


 また一分経過。

 まだ終わりません。どうぞ。


 進化が始まって五分経ちました。

 まだ大きくなりそうです。


「なんか進化長くないか?」

「ピュウ」


 進化が始まって八分くらい経つと、やっと体を包んでいた光が収まった。

 体長はですね、なんと二メートル超えました。

 二メートル三十センチほどあります。


『なんでこんなに大きくなるねん』

「え?」

『この声誰のだ?』


 この状況既視感あるな。

 えーと、転生直後に声を出したら鳥の声しか聞こえなかった時と同じだ。


 あれ!?

 俺は鳥語で体長にツッコんだはず……。


『もしかしてこれ、俺の声なのか?』

「喋ってるの朱雀だよな?」

『多分俺……。完全に俺だわ。ありがとうございました』


 進化したら急に喋れるようになったんだが。いや、喋ってるのとはちょっと違うな。

 喋りたい内容があたりに響く感じだ。

 つまりどういうことだってばよ?


 【今回の進化で念話というスキルを獲得したからですね。このスキルの獲得条件は何個かあるんですが、そのうちの二つの『高位の魔物になる』、『人間と同等以上の知能がある』をクリアしたことで獲得したようです。】


『進化したら念話が使えるようになったみたいだ』

「念話って、一部の高位な魔物しか持ってないっていわれてるやつか」

『やっぱり念話が使えるやつは少ないのか?』

「念話を使えるやつを見たのはお前が初めてだぞ、朱雀。というか、朱雀なら念話を使えるのも納得だな。俺たちの言葉を完全に理解してたし」

『まあ、改めてよろしくな』

「こちらこそよろしくな」


 ゼストは俺が急に喋りだしたからびっくりしたみたいだが、受け入れてくれたようだな。


「それはそうと、お前のことについていろいろと教えてくれるか? 何で俺たちの言葉を理解してるのかとか、いろいろと知りたかったんだよ」

『ゼストたちなら信用できるから話してもいいけど、あの二人が起きてからでいいか? 二度話さないといけないことになりそうだし』

「確かにそっちのほうがいいな」

『あ、昨日俺が倒した鳥の魔獣は焼くとうまいみたいだぞ。あとで解体してくれるか?』

「おう。解体は任せとけ」

『じゃ、俺はステータスの確認をしとくよ』

「了解。俺は筋トレの続きするから、何かあったら声をかけてくれ」


 ゼストはそう言ってから、筋トレの続きをし始めた。


 それじゃあ、さっそくステータスを見ていくか。

 どれくらい変わったのか楽しみだな。

 というわけで、ステータス!

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