揚陸戦の最中に


 仮称三番教皇府宇宙要塞から二十名ほどの女奴隷を救出後、宇宙要塞は消滅しました。

 大司教区宇宙要塞より一回り小さいとしても少ない数です。


「次は二番か、統括人工知能、一挙に敵宇宙要塞を制圧するための、友鶴(ともづる)型の必要隻数を計算せよ」

「一挙に仮称二番教皇府宇宙要塞を制圧するには、友鶴(ともづる)型十五隻、小型陸戦ロボットを三千台必要とおもわれます」


「わかった、必要量をマイクロ・インフェニティ・カーゴで量産せよ」


 マイクロ・インフェニティ・カーゴは少しばかり、量産性という点ではミニ・インフェニティ・カーゴよりは落ちます。

 それでも一時間ほどで十五隻を建造したのです。


「友鶴(ともづる)型十五隻、小型陸戦ロボットを三千台、用意できました」

「では、目の前の二番に対して揚陸戦用意!」


「ガエネロン様は乗り込まれますか?」

「私が?なぜ聞くの?」

「キスキル=リラ様は統括人工知能の制止を振り切り、乗り込まれたと聞きましたので?」


「残念だけど、私はあの方のような力は無いのよ」

 このガエネロンの返事に、『ガエネロンの宝冠』号の統括人工知能は嬉しそうに、

「助かります、指揮官が乗り込まれると、警備のための小型陸戦ロボットを増強しなくてはなりません、効率が悪くなります」


 ……キスキル=リラさん、戦場が生きがいみたいな方ですからね……どうも有機体になって、このあたりの感覚が理解出来るわ……

 ……でも統括人工知能の云うように、非効率よね……

 

「友鶴(ともづる)型全艦、仮称二番教皇府宇宙要塞に、小型陸戦ロボット部隊を揚陸せよ」


 あっという間に仮称二番教皇府宇宙要塞は陥落、こちらでも五十名ほどの女奴隷を救出しました。


「さて、最後だな、かかれ!」


 仮称一番教皇府宇宙要塞の内部は、完全自動防御になっているようで、通路にはレーザー砲が配置されていたようです。

 

「女奴隷の非戦闘員がいないのが確認出来れば、『粘着榴弾』の使用も許可する」

 ガエネロンさん、宇宙要塞内で砲撃するつもりのようです。

 

「小型陸戦ロボットって宇宙空間でも関係ないでしょう?」

「関係ございません」

 

 でも内部を制圧中、小型陸戦ロボットが大変なものを見つけたのです。


「ガエネロン様……要塞内部で……戦闘サイボーグの研究施設と……試験体、およびその要員らしき少女たちを保護しました」

 

「すぐにリリス様とグレモリイ様、統合三軍司令部宛に現状の画像を送れ!どうするか、指示も仰げ!」


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