移動艦長室
試験航海は十日ほど延びましたが、三軍統合司令部とマレーネさんが相談した結果、結合シェルターステーション内に張り巡らされる回廊を通れる、移動艦長室を追加することになりました。
勿論、これも量産できます。
各シェルターステーションのコンピューターには移動端末をつけ、この移動端末を束ねる移動型の人工知能が移動艦長室も管理するようにしたのです。
移動型の人工知能の管理下には、トゥイーニー・オートマトンが二台あります。
このトゥイーニー・オートマトンは移動艦長室用に一台、そして移動型の人工知能付きに一台と云う訳です。
もしホモサピエンス種族のゲストが乗り込んできた場合、使っていない移動艦長室をゲスト用に起動する、部屋付きのトゥイーニー・オートマトンが相手をすることが出来るのです。
戦闘艦艇に乗り組むトゥイーニー・オートマトンは汎用メイドロボット、一応武装もしています。
戦闘メイドと考えていいでしょうね。
移動艦長室は十八メートルx十八メートルで、高さは八メートルの三階建て、お弁当箱のような形状で館内は自由に移動できます。
勿論、回廊も自由に行き来し、各シェルターステーションコンピューターの移動端末もここに集合、全シェルターステーションはここから動かせることが出来ます。
この移動艦長室は各シェルターステーションの非常用地下居住区に格納されています。
移動艦長室の最下階は高さ三メートル、その後部には長さ五メートル、高さ二メートル、巾は三メートルの非常用の核融合炉エンジンが取り付けられており、いざというときは惑星系ぐらいなら宇宙を航行できるようです。
中央には予備としてのマグネティックセイル推進装置も搭載し、前部にはささやかなビーム砲が装備されているようですね。
最上階は十八メートルx九メートルの百六十二平方メートルで、約六十三平方メートル1LDKの艦長私室と、約三十六平方メートル1LDKの予備室、移動端末たちの控室となっております。
吹き抜けが十八メートルx九メートルとなっており、バルコニーまがいのものがついています。
中央階は指令室、作戦などの打ち合わせも出来るようにはなっています。
一応、艦長用のおトイレ、キッチンなども用意されているのです。
中央階階の各種のディスプレイは本来は不要、ただ艦長の為にあるわけです。
移動端末同士ならリンクしていますので、移動端末も起動しません。
結局、この移動艦長室には最大三名のヒューマノイドと、移動型人工知能一台、トゥイーニー・オートマトン二台、九台の移動端末が詰めることになります。
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