第49話 傷痕

 自由人と地黄は感謝祭も、雪の降り積もる年末あわただしさの中のクリスマスも、教会に住む園児やシスターと共に思いの他楽しく過ごすことが出来た年末だった。自由人は園児達の隣に住む兄的な立場で係わり、地黄も園児達とすぐに打ち解けて一緒に勉強したり遊んだりと平穏で楽しい日々を過ごしていた。いざと言う時地黄を預かってもらう場所ができたことへの安心感が自由人の心に余裕を生んでいた。加えて地黄への愛情が育っていくのに従い自由人は赤羽への思いだけで生きてきた自分を振り返り、叶えられないであろう思いの痛手を少しづつ癒し始めていた。

 赤羽への思いは変わることなく自由人の中には秘められていた。しかしサイモンに赤羽を人身御供のように取られているこの状況と赤羽自身が記憶を消し去ってしまっているという現状、しかもその原因は自分への憎しみかららしいと憶測できるこれら全ての状況に自由人の気持ちは悲観的にならざるを得なかった。時には(もしかしたら記憶を取り戻し自分の気持ちも赤羽が理解して許してくれる日が来るかもしれない。)と楽観的な想いにとらわれるともあったが緑尽と青磁を殺したのが直接自分であるという事実を思い出すたびにそれもまたかなえられぬ事だと絶望的なる自由人だった。

そんな日々を唯一救ってくれるのが幼い地黄であったし、今では日々顔をあわせる孤児たちやシスターだった。忘れかけていたヤマトで暮らした頃のような人と触れ合う暖かさを自由人はしみじみとありがたく感じていた。そんな中、年が開け一月も終わろうとしていた時久々に軍の本部から自由人に戻ってくるように連絡が入ったのだった。自由人はあわてて地黄をシスターに預け飛ぶようにアメリカの軍本部へ戻って行った。


軍へ顔を出すと言うことはイコール赤羽に合えると言うことに直結する自由人にとってやはりそれは心躍るうれしいものでもあった。どんな状況であろうと赤羽に会えるーそれは暗闇に一条の光が差し込むようなものだった。自由人は赤羽へ渡すためにと幼い頃ヤマトでよく見かけた赤いアマリリスの花束を買ってアメリカの城へ向かっていた。


軍本部での呼び出しはたいした事ではなかった。自由人だけでなく同列の海外組みの少尉中尉が呼び出され形式的な新年の挨拶と連絡事項の伝達式に過ぎなかった。自由人がちょっと首をかしげたのは、その表だった場所にサイモンの姿が見受けられないことだった。いつもであれば兵士の士気を取りまとめるような場所には、必ずといっていいほどサイモンの訓辞がとどろき兵士達は皆襟を正し聞き入っていたものだった。それはサイモンの威厳を帰ってからそれぞれの持ち場の下級兵士たちへ轟かせるためにもサイモン自身が必要としていたセレモニーのはずだった。周りの海外組みに聞いてみたが、皆知らぬ存ぜぬと言うことで腑に落ちない状況に首をかしげる自由人だった。しかしながら呼び出しの内容がそれだけと言うことで自由人は赤羽に会うためそそくさとフレデリックの城へと向かったのだった。


自由人が面会の手続きを済ませると、いつもと違ってまず赤羽の担当の医師が待つ部屋へと通された。真っ赤なアマリリスの花束だけが妙に浮いてしまう白い病室に通されると自由人を待っていた医師は自分の前に腰掛けるように促した。医師はモニターに映し出される赤羽の顔写真とその横に展開される数々のデータを指し示しながら自由人に話し始めた。

「患者は今現在リリアという人格を形成し成長させすっかり一人の人格として完成させてしまいました。過去の自分を忘れた原因もちろんこれは何らかのショックな事柄から自分の精神を守るために始めた防御が原因と見られます。しかしここまで過去の自分よりもリリアという人格を完成させてしまっていてはもうかつての自分を思い出すことは難しいと言わざるを得ません。また仮に思い出したとしても、忘れなければ生きていけなかったほどのそのショックな出来事も同時に思い出してしまうことになるでしょう。そして思い出してしまった場合、過去の自分と現在のリリアというその二つの人格を同時にバランスをもって対処できるのかどうか・・・あくまで仮設ですが、その場合彼女自身、今度こそ本当にバラバラになってしまうかもしれないのです。つまり・・・あなたにはお辛い話かもしれませんが彼女にとってはこのまま現在のリリアとして残りの人生を生き抜く方が懸命であると・・・」

自由人は自分体がバラバラになっていくような気がしていた。半年近く赤羽に会っていなかった。その間自由人の中では勝手に(もしかしたら今度会うときには少しでも赤羽として話が出来るかも・・・)という安易な気持ちをかすかではあるが抱いていた。そんな考えは甘すぎるといさめながらも自分の中で逃げ道として切なく甘く想像していたのだった。その一縷の望みとしての想像すらもはや許されないその状況に自由人は膝が抜け落ちるような歯が浮き始めたような感覚を覚えていた。やっとのことで口を開いた自由人は医師の方を見るとも無くつぶやいた。

「・・・それで・・・アコ・・・彼女には会えるのですか?」

医師は辛そうに自由人の大きな肩をたたいて慰めるように言った。

「会えますよ。彼女・・リリアさんはすっかり常識ある素晴らしい女性に成長されています。彼女にとってあなたは初めて会う人なのです。そう振舞って、会ってあげてください。」

魂の抜け殻のようになって立ち上がり部屋を出て行こうとしている大きな自由人は遊園地の操り人形のように見えた。ドアを開けた自由人を医師が呼び止めて忘れている花束を自由人に手渡して言った。

「彼女へのお見舞いなのでしょう?」

自由人はボンヤリとその赤いアマリリスの花束を見詰めていたが無造作に掴み取ると部屋を後にした。残された医師の鼻先には、ほんのりとアマリリスの花の香が漂っていた。



白いバラの花が咲き誇る中庭でリリアは花を摘んでいた。右肩の上で一つに束ねられた髪の毛は緩やかなウエーブを描いて胸元へ降りていた。薄い紫色のドレスを身にまとい白いシフォン素材のショールを肩にかけている。横の次女らしき者へ摘んだ白いバラの花を一本一本手渡しながら何やら楽しそうに話をして笑い声を上げている。庭の入り口にたたずみその様子をしばらく眺めていた自由人だったがやがてゆっくりと歩いてリリアの元へ近づいていった。


自分の方へ歩いてくる大きな男に気が付いたリリアは花を摘む手を止め剪定鋏を次女へ渡すと下がるように言った。自由人はリリアの目の前に立ち少し見詰めていたがやがて深々と膝を付きお辞儀をした。顔上げリリアの顔を下から見上げて自分の手を差し出した。リリアはやさしく微笑むと自分の左手を自由人から差し出された右手の上に乗せた。自由人が何度も夢に見た瞬間だった。自由人は美しくなった赤羽の顔を下から仰ぎ見ながら次に視線を差し出された手に移した。そして白く細いその手の甲に目を閉じて口付けをした。(赤羽。愛している。)と心に念じながら。自由人が表を上げるのとリリアが手を引っ込めるのと同時だった。リリアは少し目を見開いて自由人に尋ねた。

「あなた様は・・・?」

自由人は立ち上がり今度はリリアを見下ろして言った。

「私はフレデリック大統領にお世話になったものです。アメリカ軍の少尉・自由人と申します。」

リリアは満面の笑みを浮かべると流暢に話し始めた。

「まあフレデリック様に!そうですか。よろしければこちらでお茶でもいかがですか?私は世情にうとくお話は退屈かもしれませんがフレデリック様とあなた様のお話を是非伺いとう存じます。」

コロコロと華やかに微笑みながら話をする本当に別人のような目の前の女性に赤羽の面影をどこかに見つけだそうとする自由人だったが、そのかけらすら見受けられないことに落胆と失望とを同時に感じていた。これ以上自分を傷つけることに哀れみを感じ始めた自由人は早く目の前からこのリリアの姿を消してしまいたい気持ちで一杯になっていた。

「申し訳ありません。本日は時間がありませんので。私はこれで・・・」

やっとのことで口に出来た自由人の言葉だった。

「そうですか・・・」

残念そうにうなだれるリリアの視線は自由人が掴んでいた花束の方に気が付いた。自由人はそれに気が付きその真っ赤なアマリリスの花束をリリアに渡した。

「よろしければどうぞ。」

リリアの目の前に真紅のアマリリスが差し出された。リリアは(まあっ!)という顔でその花束を見詰めた。その時一瞬リリアの顔が曇ったように見えた。花束を受け取ると右手抱え左手で左のこめかみの辺りを少し押さえて何か考え込んでいるように見えた。リリアは宙を見てまた赤いアマリリスへ目を移すと花を見詰めたまま自由人へ問いかけた。

「この・・・花は・・・何と言う花でしょうか?わたし・・・」

自由人は気分が悪そうなリリアを一瞬支えようかと一歩前に出たがやめてそのままの姿勢で答えた。

「アマリリスです。山や野によく咲く花でございます。」

眉間に皺を寄せリリアがつぶやいている。

「アマリリス・・・アマリリス・・・赤い・・・」

こめかみを押さえているそのリリアの左の中指には緑尽から預かった緑色の石がはめ込まれた指輪が輝いていた。自由人は思わず口にしていた。

「その指輪は・・・?」

ボンヤリとした様子のリリアはその自由人の言葉に促されるように自分の左手を下ろし緑の指輪を見詰めた。リリアの眼差しがボンヤリとしている。自由人は自分の心臓の音が自分で聞き取れるのではないかと思うくらい興奮していた。

(もしかしたら・・・赤羽・・思い出しているのか?)

自由人がそう思い赤羽の名を呼んでみようとした時だった。奥の建物からフレデリックが現れた。

「リリア!リリア!」

フレデリックの呼び声にはっと我に帰ったようなリリアがフレデリックの声がする方へ顔を向けた。フレデリックを見て安心した表情を浮かべうれしそうに手を振るリリアはすっかり始めに会ったリリアに戻っていた。なぜかほっとしたような落胆したような気持ちを抱えながら自由人はフレデリックの方へ向かって敬礼をした。フレデリックが近くに来たのを見てから自由人はフレデリックに敬礼の姿勢のまま言った。

「遅くなりましたが大統領ご就任おめでとうございます。」

フレデリックも敬礼で返答すると自由人へ向けていつものやさしそうな微笑を浮かべてから口を開いた。

「ありがとう。軍から呼び出しがかかったと聞いて少尉がこちらに寄るだろうと思い時間を空けて帰ってきたのだ。」

自由人は今までの感情を整理しきれない困惑した表情のままフレデリックの話を聞いていた。横からリリアが小声でフレデリックに告げた。

「フレデリック様。私はこれで・・・」

フレデリックは頷きその後ろでリリアが次女を呼び寄せ城の方へ戻っていった。リリアの小さくなる後姿をボンヤリと自由人は見送っていた。リリアの姿が消えるの待って、フレデリックは自由人に少し時間をくれないかと申し出たのだった。


珍しいフレデリックからの誘いに自由人は快く応じ案内された部屋へフレデリックに続き入っていった。そこはフレデリックの書斎のようだった。濃いこげ茶色をしたアンティーク調の家具で飾られた部屋は重厚な中にも落ち着いた雰囲気を漂わせていた。壁一面の書棚にはさまざまな書物がずらりと並べられていた。天井は高くシックな形をした大きなシャンデリアが二つほんのりとした黄色の光を照らし出していた。自由人に椅子に腰掛けるよう促すと次にフレデリックはおもむろにブランデーを勧めたが自由人は断った。自由人にとってフレデリックは赤羽の身をサイモンから保護してくれた恩人であり同時にそれゆえ自分もまだアメリカの軍に残ることが出来ているのだといつも感謝している存在だった。だからと言うわけでもないがフレデリックの前では酒をのんで話を聞くという態度を取りたくは無かったのだった。フレデリックは自分用にブランデーを注ぎ断った自由人の前にもさりげなく注いだグラスを置いてから話始めた。

「サイモンに・・・元師に会いましたか?」

自由人はそのことを説明してくれるのかと合点し身を乗り出して返事をした。

「いいえ。式の時のお姿が見えませんでしたし周りの人間も誰も知らないと言うので少々不思議に思っていました。」

フレデリックはグラスを手のひらに乗せたままテーブルを挟んで自由人の前の椅子に腰を下ろした。次にグラスをテーブルに置くと真っ直ぐに自由人を見つめて話し始めた。

「元師は、サイモンはどうやら精神を病んでいるようです。これは幹部クラスしか知らぬことですが・・・」

自由人は絶句した。(あのサイモンが・・・)宙を見据えて驚く自由人を見詰めながらフレデリックは続ける。

「病は誰をも襲うものです。残念に思っているのです。しかしアメリカの元師をそうそう変えるわけには行かない事情はあなたにも推察できるでしょう。内外への建前と何より彼が始めてしまったミコ探索への機密費の使用の問題があるからです。」

フレデリックは自由人にも解りやすく先に研究員のケネスに説明した内容とほぼ同じ事を告げたのだった。自由人は頷きながら聞いていた。聞きながら(ミコ探しが無くなると俺はお払い箱だな。)と考えていた。そう思いながら地黄の笑顔が浮かんだ。(また別の生き方もある。)とフレデリックの話を聞きながらどこかで自由人は自分を慰めていた。サイモンに絡む諸事情の説明が一通り終わるとフレデリックは背筋を伸ばして座りなおした。自由人は少し訝しく思ったがそのままフレデリックの姿を見つめていた。フレデリックは静かに語り始めた。

「少尉私はあなたに謝らなければならない。」

フレデリックの言葉に自由人は面食らった表情を浮かべただフレデリックの瞳を見つめるほか術は無かった。フレデリックは続けた。

「彼女リリアを私はあなたから預かり保護しているつもりだった。だが・・・いつしかそれは彼女への愛情へと変わっていた。ジュード少尉私は、私は彼女を愛しています。」

自由人は雷に打たれたようなショックを受けていた。まったく想像だにしていなかったことだった。どう返答していいのかどんなリアクションを取ればいいのかまったく解らないままに目を見開きフレデリックの顔を見詰めて動くことが出来なかった。そんな自由人に申し訳なさそうな表情のフレデリックが頭を下げた。

「すまない。ジュード少尉。許してもらえないことは解っている。しかしこの気持ちは止められない。リリアも・・・彼女も私のことを思ってくれている・・・そして・・・彼女は今私の子供を身ごもっている。世間に対して正式な妻として向かえることは出来ないが必ず幸せに・・・」

頭を下げたまま話を続けようとするフレデリックの言葉を自由人がさえぎった。

「フレデリック様。顔をお上げください。私ごときに・・・もったいない・・・」

フレデリックが頭を上げると握り締めた拳を震わせながら両膝の上に置き下を向いている大きな自由人の姿が目に映った。(泣いているのか?)一瞬フレデリックはそう思ったが顔を上げた自由人は泣いてはいなかった。むしろ少し無理をした引きつった笑顔を浮かべフレデリックに話し始めた。

「赤羽・・・いえ彼女に会う前に医師から今の彼女の状態を説明してもらいました。その時にこれからリリアとして生きる道を選んだ彼女に別れは告げたつもりでした。しかし同時に彼女の行く末も心配だったのです。今の彼女から見れば見知らぬ他人の私が世話を見るわけにも行かないでしょうしあのサイモン元師がそれを許して下さるとも思えなかったので・・・しかし先のお話のように元師が元の権力を発せられないとするとなおさらと言う気がしておりました。それこそ彼女をかくまっておく義務はフレデリック様には無いわけです。隠密裏に始末されてもおかしくは無いものを。失礼を申しました。そのような卑怯な手をフレデリック様が講じられると思っていたわけではありません。ただ彼女の身の安全が心配だったのです。しかも私ごときに正直におっしゃらなくとも、私がこの城に来れなくなる方法はいくらでも講じられたでしょうに。フレデリック様の実直なお人柄をまた目の当たりにして私は身のすくむ思いがしているのです・・・」

フレデリックは正直そうなしかし申し訳なさそうな瞳で自由人を見詰めてつぶやいた。

「少尉・・・それでは・・・」

自由人は頷き話を続けた。

「許すなどもったいのうございます。わたしこそアコ、いえ彼女ともども私も助けていただいた身だと思っています。どうぞ彼女を、幸せにしてやってください。」

自由人は深々とフレデリックに頭を下げた。フレデリックはほっとした表情を浮かべ少し涙ぐんでさえみせた。自由人はその後も何度か礼を言うともう彼女に会いに城には来ないことをフレデリックに告げた。フレデリックが自由人の帰り際に

「このような状況でもまだミコ探しに協力してくれるか?」

と尋ねると自由人は

「今の軍の状況も理解しているしフレデリック様のために仕事はこれまで通り遂行いたします。いつでも必要な時はおよびください。」

と言い残し城を後にしたのだった。


自由人を送り出した後にはブランデーのグラスがテーブルの上に二つ残されていた。フレデリックは自分のグラスを掴み取るとグイっと一気に飲み干した。唇の端にこぼれたブランデーのしずくを左手の甲で拭い払うとズラリと並んだ歴史書の方へ目をやった。

(JAPANが自滅した際も自国民の宗教団体によるテロによるという本当の理由を当時のアルカイダの仕業と言うことを世界へ公表すればアメリカの土地を与えようと言う交換条件をやすやすとのんだ物分りの良い民だったと言う。迎合することを得意とするのか?本当に信じきってしまうのか?滅亡への道を歩み続けた訳が今日もここで示されている。)

フレデリックの左の口端が持ち上がり冷酷なブルーの瞳がきらりと輝いた。

(サイモンが昔言っていた。彼の名は自由人・・・英語の意味はFREEDOM HUMANだがJUDEを英語読みにするとユダになると。イエスはユダに裏切られ十字架に貼り付けにされるが今回は裏切ってもらっては困るのだ。彼にはもう一働きしてもらわなければ・・・)

グラスをテーブルの上に置くとフレデリックは書斎を後にしてリリアの元に向かった。心に秘めた熱い野望をリリアの体を使って静める為だった。その自分に向けられたフレデリックの心をリリアは読んでいた。フレデリックの脳裏にリリアの声が響く。

(フレデリック様・・・お待ちしています。早く・・・はやく・・・おいでになってください。あなたの想いがどこへ向かおうとも私は、私はあなたを愛しています)

フレデリックは心で念じる。

(リリア・・・私は私の手法でお前を愛している。それは決してあの男自由人が望むやり方では無いが。お前が私のためにしてくれることを大切に思っているしお前の体も愛している。そうだろう。話さなくても嘘をつかなくともお前は私を知って受け止めてくれている。それも私は大切に思っているのだ。)

フレデリックは歩いて外廊下へでた。外はすっかり闇に包まれていた。夜空には星がきらめき高く上った丸い月がぽっかりとそこだけ黄色く切り取ったように浮かんでいた。

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