第二話:女神様
はっ!?
気が付いた。
私は一体何を‥‥‥
「って、ここ何処?」
薄暗い場所にきゃしゃな椅子に座らされていた私は目の前にいる者に気付いた。
見た目は同じ年頃の金髪碧眼の凄い美人なんだけどこめかみの横に三つずつトゲの様な癖っ毛のある女の子。
外国人かな?
彼女は何やらスマホを夢中でいじっている。
と、私に気付いた。
「あら。気付きましたわね? これって本当に難しいですわね?」
「は、はぁ? あの、ここは??」
周りを見るとうっすらと暗い何も無い所。
そこにゴージャスな椅子に座った彼女はにこやかに私に微笑みながらスマホをかかげる。
「あなたの世界のこのゲームとても面白いですわ。でも難しくてなかなかクリアー出来ませんの」
「はぁ、それでここって?」
「あなたは死にました。それはそれは盛大にトラックにはねられて」
はぁ?
何それ?
何処かの小説みたいなテンプレ!?
「い、いや、冗談を言っている場合じゃないわよ!? 死んだ? この私が!?」
「はい、それでたまたまそんなあなたを見ていた私はあなたが熱心にやっていたこのスマホのゲームに興味を持ちはまってしまいまして。でも、なかなか先に進まないのですわ‥‥‥」
いや、そんな事はどうでもいい!
私が死んだって何の冗談よ!?
「ですのであなたにはこの世界に行ってもらい私がこのゲームをクリアー出来るように手伝ってもらいますわ! この世界でうまく立ち回り卒業出来れば転生させたこの世界で最後まで人生を全うさせてあげますわ!」
「いや言ってる意味わかんないから! 何それ!? あんた誰!?」
「ああ、紹介が遅れましたわね。私は女神ですわ」
女神!?
何それっ!?
「と言う訳でよろしくお願い致しますわ! では行ってらっしゃいですわ~」
「なっ!? ちょっと、何どう言う事ぉ!? ちゃんと説明しろぉっ!!」
にこやかに手を振る女神の前から私は奈落に落ちるかのように足元からすとんと下に落ちて行く。
「うわぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!!!!」
「頑張ってですわ~。あなたは悪役令嬢になって無事に卒業出来れば私もこのゲームがクリアー出来ますわ~」
「そんなこと知るかぁっ! 返せ私のスマホぉっ!!!!」
私の最後の悲鳴はそんなモノだった。
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