第4話 拒むもの
いい香りのお香を買ったので、部屋で焚いていた。優しい香りに包まれ、眠りかけていると、ボキ、ボキ、と何かを砕く音がお香のほうから聞こえてくる。
そっと目を向けた。
何者かがお香を噛み砕いていた。
毛むくじゃらの黒い影が去り、様子を見に行くと、お香は生臭い水にまみれて粉々になっていた。
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