1話

 いつもの日常が知らない誰かに壊されたらどうしますか?


 夫の転勤で私達佐倉さくら家は田舎に引っ越し夢のマイホームを買った。

 以前は私達3人家族のように「父・母・娘」が暮らしていたらしいが、事情があって引っ越してしまったらしい。こんな立派な家を手放してしまうのは私だったらためらってしまうし、勇気がいる…。だけど、前の家族も同じ気持ちだったと思うし、引っ越さなければいけない理由があったのだろう。


 「大切に住みます。」


私は前の家族と、これから住むこの立派な家に子声で感謝を呟いた。


 「何か言ったか?」

 隣に立っている夫のしゅんが聞いてきた。

 「何でもないよ。さ、早く中に入ろう。」

 「私の部屋は二階の真ん中の部屋だよね!」

 今年小学4年生になる娘の野乃花ののかは車の中でも大はしゃぎだった。


 「引っ越し屋さんがもうすぐ着くから家に入って換気をしたりして待ってましょうか!」


 私はここでの新しい生活にワクワクしながら玄関のカギ穴にカギをいれまわした。

 

 これからくる悪魔たちを知らずに…。

  

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