2021年9月のデータをながめる章

第19話 「2021年9月 web小説サイトポジショニングマップです。

 自宅からこんにちは。

 今月から仕事に復帰しそうなきがしなくもなくもない人です。


 web小説サイトの傾向を表す「ポジショニングマップ」の9月版を作成してみました。画像はこちら。

(うっすらとしているロゴは、2021年8月のポジショニングです)


https://kakuyomu.jp/users/kanataro_/news/16816700427068155482


 改めてこれがなんなのかを説明します。

 「ポジショニングマップ」は、縦と横の軸で四分割し、その調査対象の特徴をビジュアライゼーションすることです。うん。説明したらますます判らなくなりました。


 ちなみに、web小説サイトポジショニングマッでは、

  縦軸を「恋愛ジャンル」

  横軸を「ざまぁタグ」

としています。


 こちらは、web小説サイトの最大手サイト『小説家になろう』の最大ジャンルが恋愛で、かつ「ざまぁ」というタグのサイトごとの数がかなりばらけていたことに由来します。


データに使用した数値はこちらとなります。


     恋愛優位 ざまぁ優位

小説家になろう   1.00    0.94

カクヨム      0.29    0.36

ノベルアッププラス 0.12    0.12

アルファポリス   0.59    1.00

エブリスタ     0.82    0.03


 それぞれ、


 「恋愛ジャンル」の最も多いサイトが「1.00」。

 「ざまぁ」タグが最も多いサイトが「1.00」となり、

 それ以下のサイトは、そのサイトとの割合を表示しています。


 そして、残念なお知らせがあります。

 今回のスクレイピングツールをMac環境で動かしてみたのですが、誠に残念ながら、ノベリズムのデータが取得できませんでした。

 ノベリズムのWebサービスは、JavaScriptで動的書き出しをしておりますので、なんか問題あるだろうなーと思ったのですが、案の定動きませんでした。

 ノベリズムをデータ解析した結果、なんともうしますかデータ解析とか最も縁遠いWebサービスであると痛感しておりますので、ま、いっか。と思います。


 閑話休題。


 それでは、各サイトのデータをざっとながめていきます。


□小説家になろう

・「恋愛ジャンル」が盛況で、「ざまぁ」する話がテンプレとして機能するサイトです。

・この特徴が、先月にくらべるとより顕著になってきています。

・なお、恋愛ジャンルは「68」。実はなろうは、もっとも恋愛小説が盛況なサイトです(つまりファンタジージャンルがかなり少なくなっています。)

・また、ざまぁタグは「26」から「31」に増加しています。

・主人公を落としてあげる展開が多くなっていると言える状態です。

(なお先月のポジショニングマップは、私が若干データを恣意的に見ていた事をさる有識者様にご指摘をいただき、より適切な位置に配置し直しています。先月はアルファポリスと「ざまぁ」タグの数が結構離れていたのに右に配置しすぎておりました。申し訳ありません)


□カクヨム

・恋愛が微増して、「ざまぁ」タグが減少しました。

・まだまだ異世界ファンタジーが盛況なサイトです。

・その数、実に「62」現代ファンタジーも「13」。計「75」作品。実に3/4をファンタジーが席巻しています。(ちなみになろうは「30」)

・いまやと言っても良いかもしれません。


□ノベルアッププラス

・みごとに「小説家になろう」の対極に配置されております。

・超独自サイト!!

・ちなみに2周年にデータ解析をしてらっしゃたので、読専ユーザさんの継続率を尋ねたところ、もったいなくも女神様より返答を戴きました。

 女神様曰く、

 「殆どの読専ユーザさんが、アカウント持っていない非会員ユーザなので、

  継続率の詳細はデータでは取得できない」

 とのことです。

・つまりこれは、外部動線による流入がむちゃくちゃ多いサイトである事を物語っています。ですのでTwitter宣伝がめっちゃ効果的なサイトだと言う事です。


□アルファポリス

・恋愛ジャンルが「57」→「40」と減少し、代わりに、異世界が「27」→「45」と、激増しています。

・5サイト中、唯一、第1ジャンルの逆転が発生したサイトです。

・また先月、総合ランキングを直近1ヶ月の小説に限定しているため、小説家になろうよりも、トレンドが反映されやすいサイトではないのかな? と仮説を立てたのですが、予想通り、先月アルファポリスのいた場所に、ぴったりと移動しています。

・ちょっと……いやかなりうれしい。基本、予測外しまくりマンなのでかなりうれしい。

・というわけで、来月、なろうがアルファポリスを追従し、なろうで再びファンタジーが活性化したら、この仮説にかなりの有用性を認めることができるのですが……さて。


□エブリスタ

・相変わらず、非ざまぁ最左翼に陣取っています。

・さきほど、ノベプラを超独自サイトと言いましたが、本当の意味での独自サイトは、エブリスタだと思います。

・おそらく、もっともなろうと文化が分断されているのではないでしょうか。恋愛魔境。それがエブリスタ。

(今後も、よほどのことがない限り同じこと言い続けそう)



以上、ポジショニングマップをながめた結果でした。

各サイトの詳細解析は、このあと個別にながめていきたいなと思います。

(ノベリズム除く)


*流行関係なく小説を書きたい人は、実はノベリズムがおすすめだと思います。

 ひょっとしたら、次の流行はノベリズムからおこる……かも?


 統計って……面白!



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