おーばー!2〜弱小女子野球部の監督に元最強選手の男子高校生が就任してハーレムになった件〜【明鈴高校女子野球部一年生後編】

風凛咏

新チーム編【一年生】

第1話 新たな始まり

 明鈴高等学校。


 藤崎巧は怪我で野球を辞めた。

 しかし、それは明鈴高校女子野球部によって、今度は選手ではなく監督という形で野球に戻った。


 それから愛知県の水色学園、徳島県の光陵高校、京都府の鳳凰寺院学園との合同合宿や、強豪である伊賀皇桜学園との練習試合など、良いこともありながら困難もあり、それを乗り越えて夏の大会を迎えた。


 全国高等学校女子野球選手権大会三重県予選。


 藤崎巧率いる明鈴高校は、準々決勝で敗退した。

 そして対戦相手は、練習試合を行ったこともある強豪校の伊賀皇桜学園だ。


 序盤に先制されたものの、直後の攻撃で明鈴は追いつき、そこから終盤までリードは許さなかった。

 ただ、徐々に点差を詰められると最終回、七回表に逆転を許した。


 そして最後の攻撃、三点差を付けられた明鈴だったが、夜空のヒットと珠姫のホームランで一点差まで詰め寄る。続く代打の梨々香がスリーベースヒットを放つと、ワンアウトランナー三塁だ。


 その状況にもなれば、あわよくば同点、少なくともあっさりと終わるとは思っていなかった。

 ただ、伊澄の鋭い打球はサードへのライナー。サードランナーの梨々香は戻りきれずにゲッツーとなった。


 結果は九対八。

 たった一点差だが、その一点が届かなかった。


 明鈴高校はベスト8。以前までは一、二回戦止まりだったが、今年は四回戦まで進出した。

 その結果でも十分だと言う人はいるが、目標はあくまでも甲子園出場。賛辞を受けることは喜ばしいが、甲子園に出場できなかった以上、ベスト8では満足できない。悔しさが残る結果に終わった。


 そのことにいつまでも悲観してはいられない。

 明鈴はまた、来年に向けて新たなチームとしてスタートさせていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る