秘密多め令嬢の自由でデンジャラスな生活〜魔力0、超虚弱体質、たまに白い獣で大冒険して、溺愛されてる話

嵐華子@【稀代の悪女】全巻重版

プロローグ

 ここは魔法という不思議な力が溢れた世界。

以前の僕が生きていた地球とは全く異なる世界。


 この世界には人間以外の種族も存在する。

人属、獣人属、魔人属他が入り乱れて生活してて、平均寿命は順に80才、200才、300才といった感じ。

魔人属他は個体差ありすぎてちょっと怪しい。

人口比率は順に60%、35%、5%で各国の王族は人属が大半を占めてるけど、貴族や平民は入り乱れてるよ。


 ちなみに全種族ほぼ100%が魔力保持者。

程度の差はあれど魔法は使えて当たり前。

生活に必要とされる程度の魔法なら、どんな小さな子供も余裕で使う。


 ところが僕は使えない。

残念なことにほぼ100%から弾き出された魔力不保持者だ。

過去確認された魔力不保持者の3人目が僕。

これには今の僕の義理家族以外誰にも言ってない理由がある。


 300年前、この世界の1/3を荒野に変えた魔獣集団暴走スタンピードが起こった。

当時僕は生後半年ちょい。

寝返りができるようになり、どこまでゴロゴロ転がり移動ができるか挑戦していた可愛いさかりのベイビーだ。

時々魔力を使って浮遊したり、体を透明化したり、野原では火炎放射なんかで遊んでいた。

高魔力保持者だったし、僕にしか使えない特殊な魔法もあった。

将来有望だったんだろうなぁと火炎放射を見つけた時の両親の驚愕顔の記憶と共に今では懐かしい思いしかない。

になるまでは国にもんだ。


 そんな僕の住んでいた王都がスタンピードの中心地。

人々はもれなく阿鼻叫喚、僕もたまに夢でうなされるくらいには地獄絵図だった。


 でもさすが魔法の世界とでもいうのかな。

事前に察知していたから勇士が集って多大な犠牲の上で時間はかかったけど、それを

ちなみに僕はそれに強制参加。

両親は僕にいくつかの魔法を施し、いなくなった。

僕はその長くかかったいなしの間に全魔力を使い果たしたんだけど、細かい経緯は今は割愛。

僕だって思い出して気持ちの良い話じゃない。


 まぁそんな訳で世界の覇者にだって、世紀の大魔術師にだってなれる予定だった僕は、今や人並み以下の魔力0な超モブ人間だ。

ちょっぴり残念。


 魔力を長期にわたり枯渇させ、生命力を強制的に魔力転換させ続けると完全に魔力を消失させるらしい。

もちろんこれは経験則。

そんなことしたのは僕くらいだろうけどさ。

一応魔法を使う為の裏技はあるけど、僕しか知らないし後が危ないからこれだけは完全に内緒にしてる。


 ほぼ100%の人間が魔力保持者というこの世界では魔力0の僕への偏見という名の風当たりはそこそこ強い。

なかなか生きづらい魔法の世界での、そんな僕の物語。

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