第44話 混沌とした風景

「お、おかしいですわ…。他国から借り入れたS級冒険者を含めた我が国の最高戦力が…。≪ハズレ≫ぇぇぇッ!!!一体何をしたぁぁぁあ!!」


(冷静さを失ったか。この反応を見る限り、これ以上の罠は無いと思うけど、油断せずに慎重に攻めよう。)


コウスケは、クロンを構えながら、スキルを発動していく。


…”短距離転移(時空間魔法)”…

…気配遮断、気配察知、念動力、縮地スキル発動…

…“ディメンションシャープエッジ(時空間+風+付与魔法)”…


「みんな!作戦どおりにお願いッ!」


ユニ達は頷き、ブレイブを前衛、ユニ&モンタとアーチャーを後衛にして陣形を組むと同時に、スキルを発動していく。


【ブレイブ】

…-聖剣解放-…

『さぁカカってこい!愚かな人間ドモ!』


【ユニ&モンタ】

-モンタのアイテムボックス-ミスリルインゴット排出

…土の精霊魔装…

≪ガイアゴーレムタクト≫

…ガイアミスリルゴーレム起動…

『モンタのミスリルゴーレム軍団出撃!あのキチガイ王女にひと泡ふかせてやるぞ!』


【アーチャー】

…スキル「必中」発動…

…聖弓エメラルダ固有武技発動…

『…矢の雨を降らせよ…”アローレイン”』


ユニ達が正面から攻撃を開始するなか、コウスケは、相手の背後から雷魔法を放つ。


…チェインライトニング(雷魔法)…


敵の後衛部隊を次々に感電させ動きが鈍った隙を逃さず先頭不能にしていく。


ジュゼ王国の王女部隊は、次々に繰り出される攻撃に手も足もでない状態のまま壊滅していった。


…そして、ついに王女一人となる。


(アーチャーの必中の付いた“アローレイン”はヤバいな…。兵士達がサボテンみたいになってる…。そのサボテンをモンタが指揮するゴーレム軍団がぺしゃんこにするという混沌とした風景…。ユニもゴーレム隊長機の肩の上から、≪シルフィードの弓≫で大砲のような弓術を繰り出しているし…。でも、ブレイブは、かかってこいと言ったものの、誰も来ないから一人でポツンとしている…。)


王女は、ようやく現状を理解し、帰還石で退却を試みる。


「ひぃぃぃ!!!そ、そんな…。お、覚えてなさい!退却ッ!―帰還―」


王女の足元に魔法陣が現れ光だした。


「逃げるんだったら、もっと早く逃げるべきだったね。」


…”マジックジャマー(闇魔法)”…


パリンッ!


「えっ!な…、なに!?帰還石が破壊…さ…れた…の…?一体なにが起こっているの?一体なにを相手に戦っているの?これじゃ、立場が逆じゃない。私達は狩る側で、アイツらは狩られる側の筈じゃない。なんで、私達が狩…ら…れ…て…い…る…の…よ……。い…や…さ…む…い………。」


…アイスコフィン(氷魔法)…


「さようなら。」

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