第14話 契約2
いま、ゴロウしゃべったよな・・・
だけどバルシュは特に驚いていない。
いや、しかしいくら契約をしたとはいえ
従魔と話が出来るなんて聞いたことが無い。
ということは、テレパシー的な何かで
オレにだけ聞こえているのか?
と色々な可能性が頭を駆け巡った。
ふと我に返るとゴロウは近づき不安そうにこっちを見ている。
試しに俺もテレパシーで
ゴロウに話しかけてみる。
(大丈夫だよゴロウ、心配かけてごめんね)
そう念じると
(よかった!心配したよ!)
という声が頭に直接届き
ゴロウの顔もホッとした表情に変わった。
バルシュはオレを心配しながらも未知の生物も気になり
ゴロウをチラ見している。
それがなんだか面白くなってしまい、
心配している二人?一人と一匹?をよそに
思わず噴き出してしまった。
状況がわからない一人と一匹は首をかしげながら
顔を合わせている。
それがまたおかしくおなり腹を抱えて大声で笑ってしまった。
バルシュは息子が壊れてしまったのではないかと
「ダ、ダイ、大丈夫なのか!?」と今まで見たことの無い
バルシュの焦った顔を見てまた笑いが止まらなくなった。
・
・
・
俺はひとしきり笑い終えると
涙をぬぐいながら一人と一匹に謝り、
状況を説明した。
まずは、従魔契約をしたドラゴンの名前を
ゴロウと名付けたこと。
それをゴロウも受け入れたこと。
それとゴロウの伝えたいことが
俺だけに聞こえる事。
さすがにバルシュも従魔と話が出来ると聞いた時は
開いた口がふさがらないようだったが、
父としてテイマーの先輩として
取り乱さずに気丈にふるまっていた。
しばらく考えた後、
「ゴロウと話せる事はダイとゴロウと私だけの秘密にしておこう」
「え?家族のみんなにもですか?」
メリッサばれたときバルシュが怒られるのではないかと心配だ
「うむ、状況がわかるまでは必要以上の心配をかけることもない。
まずは二人で色々と調べてみよう。
そうだ、ちなみにゴロウの種族はわかるか?」
忘れていた。従魔契約をしたテイマーは
従魔のステータスがわかるようになるのだ。
先ほど契約の際に使った羊皮紙に
ステータスや種族名が記載され、
それをギルドに報告することで従魔契約をした魔獣として
従魔も街に入ることが出来るようになる。
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〈ゴロウ〉
種族名:エンシェント ドラゴン
〇ステータス:?
〇魔法:全属性
〇スキル:
神の加護付き
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エンシェントドラゴン・・・
古代のドラゴン?
まぁそうか。ドラゴンはおとぎ話にもなるくらい昔にしかいなかったんだもんな。
そうなれば古代か。
んん? 神の加護付き?
俺はバルシュにみられる前に
神の加護の記載を隠蔽スキルで消した。
そうかゴロウも転生してきているのだから
オレと同じ加護がついているよな・・・
危なかった。。。
バルシュにゴロウの種族名が
エンシェントドラゴンだったことを告げると
さすがに許容量を超えてしまったのか
卒倒した。
オレは先ほどバルシュにしてもらっていたように
バルシュをローブの上に寝かせた。
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