第2話 異世界転生

「ここは・・・」

状況を整理する。

まず、俺は今どこにいる。いや、それよりも何をしていた。

そうじゃなくて俺は誰だ・・・


全く整理ができない・・・と焦っていると

((川口 大河様・・・ようこそ、いらっしゃいました))


そうだ!この声に応えた後この景色になったんだ。

((少々混乱をされている様ですが、無理もありませんよね))


少々?少々っていうのは少なくても今の状況には合わない。

この状況に合うのは、

「とても」と言いかけてやめる

〈とっても〉いや、もっとだ〈滅茶苦茶〉違う

〈死ぬほど〉!!!そうだ!


「死ぬほど驚いているわ!」

その後、一拍開いて


((・・・ウフフ、死ぬほどとは言い得て妙ですね))

((そうです。川口 大河様は前世でお亡くなりになりました))


「ナクナッタ?オレが?」


((そうです。あなた様は望まれました。何を捨ててもこの子に会いたいと))

((なので今まで生きてきた肉体と生活を捨てて頂きました。))


「ハハハ・・・」

オレはこの様な状況で新しい発見をした。

理解ができない状況で処理ができる前に理解できない状況が重なってくると人は笑ってしまうのだと知った。


((そして新たな世界で生まれ変わって頂きます。))

((ゴロウ様と一緒に))


「!?・・・そうだ!ゴロウと会えるのか!?」

((はい!しかしゴロウ様もあなた様も同じ姿ではこれから生きていただく場所では不都合がございます))

((その為、生まれ変わりです。))

「なるほど・・・」

なんだか一周まわってすんなりと理解ができた。

((ご安心を、あなた様は次も人間族として割と裕福な家庭で生まれて頂きます。))


そうか、少し安心した。28年間人間をやってきたからいきなり違う種族になると少し戸惑いそうだしな・・・

いや、まて・・・あなたはってことは!?

「ゴロウは違うのか!?」

((はい、これから行っていく世界にはワニという生き物自体いないのです。))

((その為、ゴロウ様には見た目が割と近い種族に生まれ変わってもらいます。))


そうか、いきなり未知の新種が生まれるとなるとゴロウにも負担がかかるしな


「わかった。それはゴロウも了承をしているのか?」


((はい!それはもう喜んでおられます!))


それならよかった。ゴロウには次の世界でも楽しんでもらいたいからな。


((そして、次の世界で川口様とゴロウ様の再開は5年後・・・))


((川口様が生まれ変わり5歳の誕生日を迎えられたその日にゴロウ様は卵の状態で川口様と再び出会うこととなります))


「そうか・・・流石にすぐにってわけにはいかないか・・・」

しかし、初めて爺ちゃんに動物園に連れて行ってもらったのもの5歳の誕生日だったっけ・・・


しばらくゴロウにお礼を言えないのは残念だけど、5年間は新しい世界を色々調べてみるか!


((それでは新たな世界でゴロウ様と自由にお過ごしください!))


「あぁ!ありがとう!」


あれ!? そうだ、この声の人の名前を聞いていなかった。





そう思っていると景色は見慣れない天井と見知らぬ男女がオレのことを覗き込んでいた。

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