第9話恋ってさぁ

卒業間近の寒い日、私は小百合ちゃんという可愛い女の子と正子ちゃんという大人しい女の子との三人で、当時あった徳島市医師会の一角の喫茶に来ていた

お年頃の女の子、三人で話すと言えば、アイドル、お洒落、グルメ

そして、恋の話だった。小百合ちゃんは既に彼氏が居て、仲良くお付き合いしている、正子ちゃんは絶賛彼氏募集中、私はその頃ややずれてて、コロッケさんの物真似でリバイバルした美川憲一さんが好きだった。

あの歌声と綺麗な肌、惚れ惚れしてたっけ(苦笑)

そんな私を心配してくれてたのか、別のグループのヤンキーの平田さんから

「男、紹介したろか?あんたソコソコ可愛いけん自信持ちなよ」と冗談とも本気ともつかない事を言われたっけ

でも、私はそんな気無いから

「あとちょっと痩せたら、お願いね…」とはぐらかした

そもそも恋ってさぁ、本気で好きになってこそだよね?

紹介してもらった後、好きになるのは分かるんだよね

でもさ、寂しいから、寂しさだけ埋める為ならそれって恋とは言えないのでは?とか思ってた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る