第89話 “たかじょ”の謎
将輝社長は行きつけの店へ3人を連れて来た。
「銀座のクラブとまでは行かないが、とても良い店でね」
「「「将輝社長、いらっしゃいませ!」」」数人の女の子が駆け寄って来る。
奥のVIPルームらしき所へ通されると、それぞれに女の子が同席した。
ママらしき人が丁重に挨拶をして将暉社長の前に座る。
俺の横にはとても綺麗で利口そうな女の子が座った。
「「「乾杯!」」」の声に先輩は満面の笑みだ。
「ねえ将暉社長、もしかして……彼が噂の新さんですか?」
「そうだよ夏菜ちゃん、よろしくな」
「はい」俺の横に座った女の子は夏菜と言うらしい。
「初めまして夏菜です、私綾乃ちゃんと同じ『たかじょ』なんですよ」
「ああ、意識高い系の女子さんですね」と答える。
「えっ、何それ???」夏菜さんは不思議そうな顔をした。
「『たかじょ』って高峰女子高生の事よ!」
「えっ?」俺は目を丸くした。
それを見て松本君は引きつった「ヤバイ……」心の声が漏れる。
将暉社長と先輩はすでに楽しそうに飲んでいる。
俺はしばらく考えると「松本君、知ってたんだよねえ」少し睨んだ。
「はい……でも綾乃さんに内緒にって言われて……」うつむく。
「そうか、そう言う事だったのか…………綾乃のやつめ」
「新さんって可愛い……」夏菜さんが笑っている。
「松本君、僕が知ったことは内緒だよ、絶対にね……」
「はい、わかりました」松本君は敬礼した。
「社長、私新さん気に入っちゃった」夏菜さんはピッタリと寄り添ってくる。
俺は照れ笑いして困った顔になった。
「新さん、私を愛人にして」肩に寄りかかって来る。
「おいおい、うちのお婿さんにそんな事言っちゃあ困るなあ」社長が笑った。
「だって、いつも綾乃ちゃんが羨ましかったんだもの」
それを見た先輩が「新……いや新君、完全にモテ期が来てるな」
「先輩、今まで通り新で良いですよ」
「そうも行かなくなっちゃったよ」頭をかきむしった。
「まあ良いじゃないか、みんなでこれからの活躍を祈って乾杯しよう」
「「「はい!!!ボンペリ、オーダー頂きました!!!」」」
夏菜さんが立って拍手すると女の子達も盛大な拍手をした。
それから数件はしごしてお開きとなった。
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