第74話 専属ヘアーメイク誕生

夜になるとリモートで先輩と留美さんにつながった。


「おっ新、なんか少しアカ抜けて見えるぞ、どうしたんだ?」


「私が髪をカットしました」


綾乃ちゃんが後ろで嬉しそうに答える。


「すごい!綾乃ちゃんカットもできるんだ」


留美さんが驚いている。


「はい、今日初めてチャレンジしてみました」


買った本を見せる。


お子様用のカットの本を見て二人は一瞬固まった。


「初めてやったの?新お前勇気あるな!」


腕を組んで感心している。


「綾乃ちゃん初めてなのにうまくできたねえ」瑠美さんも感心している。


「はい、ユーチューブを何度も見たんで」ピースサインをしている。


その横で俺は両手を広げオーマイゴッドのポーズをした。


「新、お前もう一生床屋代いらないな」


「そうですね、一生いらないとなると結構な節約になりますね…………」


瑠美さんは呆れ顔で笑っている。


「綾乃ちゃん、また天空カフェでバーベキューしたいんだけど、今度の日曜とか空いてる?」


「大丈夫ですよ、そうだ、パパの会社の松本君も誘っていいですか?」


「あの新規開発課の松本君かい?」先輩も覚えていたようだ。


「そうです、彼もお二人に会いたがってるんで」


「勿論オレはOKだけど」瑠美さんを見た。


「いいじゃない、多い方が楽しいわよ」


「ありがとうございます、彼に連絡してみます」


「松本君かあ……スケジュールが合うといいなあ、俺も会えると嬉しいよ」

ニコニコしている俺を見て綾乃ちゃんはペロッと舌を出した。


「ん……」なんだろう?

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