婚約破棄を目標に王子を罵らせて頂きます〜聡い殿下でしたら気づいてくれますよね?!〜
もあん
第1章 ヒロイン視点
1.何故殿下と出かけなければならないんですの?
「せっかくお休みをとれたのでしたら私なんかに構わず体の疲れを癒したらいかがですの?お互いに時間を有効に使った方が良く思いますわ。」
「ちなみにその有効に使うって?」
「そうですわね。ひとまずこの婚約者と出かけるという予定は有効では無いと思いますわ。私も殿下も休日を合わせてまで会う必要性なんてございませんもの。それよりも私は他国の方とお話して見聞を広めた方がずっと有効だと思いますわね。」
「そうか…とりあえずいつまでも僕の事を殿下って呼ぶのはやめてよ。リヴィって読んで欲しいかな。」
「いいえ。自分よりも位の高い方を愛称で呼ぶだなんて…それに殿下の愛称など呼びたくな…失礼いたしましたわ。殿下の愛称を呼ぶなど恐れ多いこと出来ませんわ。」
なぜ私は殿下にこんな嫌味を吐かなければ行けないのでしょうか?
それは私シャルロットがこの殿下と婚約する2年前まで戻ります。
***
「第1王子のリーヴィ殿下から婚約の申し出ですか?」
父の書斎に呼び出されたと思いましたらそう告げられました。
「嫌なら断ってもいいよ?」
優しく尋ねられますが王族からの婚約を断れるわけがありません。
「いえ、受けて頂いて大丈夫です。どうにかして破棄に持ち込みますので。」
「そ、そう?まぁたしかに…こっちも家の結婚ゴリ押ししたから断りにくいし…分かったよありがとうシャル。」
部屋から出て考えます。
第1王子との婚約…
不味いですわね…非常に。
戦争が起こりかねませんし国が壊れる可能性も…
何故こう考えたのかそれは私の両親の結婚が原因です。
この国の公爵家の力関係は今まで均衡を保ってきていました。
ですが私の両親は…
父は公爵であり公爵夫人である母は元隣国の王女。
さっき父が言ったゴリ押しとはこの結婚のことで両親は恋愛結婚を突き通しゴリ押しで結婚しました。
そのせいで公爵家の力関係が乱れに乱れ…
私の相手は最高でも伯爵位くらいの方を…むしろ平民でもいいと思っていましたのに…
よりにも撚って王族…
しかも第1王子…
この国の最高権力…
頭が痛くなりますが考えようによってはこれはチャンスかもしれません。
第1王子は大変聡い方だと聞き及んでいます。
だとすればこの婚約は危険なものだと理解されているでしょう。
あちらに破棄できる理由ができれば破棄されるのでは?
そしてそうすれば私は第1王子に婚約破棄されたとなり扱いは傷もの…
つまり少しですが公爵家の力関係の乱れが収まります。
そう考えればチャンスです。
でも…破棄される理由って……
悪口や暴行…これはダメです最悪身分剥奪までいってしまいますね。
そもそも暴行などできません。
王子と2人の時に嫌味を言い続ければ…
これです!きっと聰い王子殿下であれば気づいて破棄してくださるはずです!
***
そう思い2年…
私も殿下も16になりました。
全くめでたくありません。
嫌味を言うだけでなくわがままに振舞っても破棄してくださいません!
何故ですか?!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます