第3話 資料人物1
{アンドリュー・バス}
元「タロン」情報収集第2特殊部隊隊長
情報収集能力は非常に優秀だが、その優秀なゆえにタロン上層部から
嫉妬され、中々出世できなかったとされる男
軍事基地「ガイナス」が襲撃された際に重傷を負ったが辛うじて生き残った
当時「ガイナス」には1000人ほどの軍人とその関係者がいたそうだが、生き残ったのはわずか10人程度だったとされている
その死因のほとんどが建物崩壊の「圧死」だったという
彼は現在、故郷に帰り「雑貨店」経営している
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私は今、店の中の日の当たりの悪い部屋でその彼と机を挟んで対話している
彼は左足を失っていた
「こんなんですまんな、掃除も中々できなくてな」
「いえ、お気になさらず・・・・では」
「あぁ・・・・・
当時の俺は上層部から嫌われててね、
俺の情報を馬鹿上司は信じようとしなかった、
信じてればあんなことにならなかったものを」
「あんなこと?」
「奴らは兵士や関係者をワザと建物に「逃げさせた」のさ、それで建物を爆破して
ほとんどの人間が生き埋めになった」
「あなたはなぜ助かったのですか?」
「俺はその時、将校専用の部屋にいてな、そこだけは頑丈に作られてたらしい
しかも地下1階にいたからな・・・・でもそこで生き残ったのは俺だけだ」
「それは・・・・」
「・・・・・アリスっていう魔女だよ、完全な防音のはずの部屋に人間が叩きつけられるような音が響いた・・・・次の瞬間、ドアが粉々に壊され、彼女が現れたんだ
最初は幻か何かと思ったよ・・・・だが彼女は現れた・・・彼を求めてな
この足は彼女にやられたのさ、どういうわけかいきなり左足をねじり取られたような感じだ・・・・・ま、馬鹿上司よりはマシだがな、頭を吹っ飛ばされたんだからな」
「・・・・・・・・・アリス」
「彼女の目は殺意と怒りしかなかった、目に入った者を次々と殺していったさ
彼女はカリムを溺愛・・・いや狂愛していた彼が拷問されれば彼女は正気を失って襲ってくるのは当然だ」
「アリス・・・・カリム・・・・
この写真の中にいますか?」
私は廃屋から取って来た写真を見せた
「・・・・・銀髪の彼女だ・・・・他の2人はフィルとマリアだ」
「フィル・・・マリア・・・・今彼女たちは・・・・」
「知らない・・・・あの戦争が終わってからは消息不明だ
俺はもう関わろうとは思ってないからな、俺が知っているのはここまでだ
今はこの雑貨店で生計を立ててるからな」
「・・・・ありがとう」
「一応言っておくが、関わらない方がいいぞ」
そう言うと店の奥へと行ってしまった
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