第298話 恥部

 恥部……言葉の通りで有る。

 恥ずかしい部分や、人に隠したい・知られたくないことで有る。


 そして、それをえがいたノンフィクション作品が意外に有る!

 定番の人生談。本人の恋愛経験や仕事体験。


 更には、人生実体験から書き起こした物。他人が経験した物を書き起こすなど、人それぞれが人それぞれの物語を持っている!

 私はこの作品である『心のリミッター』で、一部の恥部を書き記しているが、本当に極一部で有る///


 ☆


 とある小説サイトで『令和の私小説』と言う、Web短編コンテストが開かれている。

 このコンテスト参加条件は『実話に基づく』と、実話に基づく条件が付けられている。

 言うまでも無いが、フィクションでは駄目で有る!


 私も『令和の私小説』にエントリーしているが……これは良い恥部話で有り、本当の恥部話はまだ書けない!///

 それが書けないのは……私が恥ずかしい部分も勿論有るが、一番の問題は昨今のコンプライアンスやプライバシーの問題で有る。


 ……


 福島第一○発の、廃炉現場作業一部を書き起こした、青年向け漫画が有る。

 とある巻で続編を匂わす形で完結して居るが、その後の続刊や新刊は出ていない。


 作者なりに、コンプライアンスに関わる部分はかなり隠したと感じるが……原発に携わる人やプラント関連の人が読めば、直ぐに理解出来てしまう内容で有る。

 企業名の東○や○芝を隠語で隠しても、誰もが直ぐに分かってしまう上、場所も福島第一○発と堂々と言い切っている。


 そして作者自身も、東○からの身バレを恐れていた……

 バレたらそれで終わらない事を、作者は理解しているからだ。


 あの当時のコンプライアンスはまだ緩かったと言えば、そうかも知れないが、昨今のコンプライアンスは非常に厳しくなった……

 その企業を退職しても、守秘義務は課せられている。

 退職したからと言って、ペラペラと喋るわけには行かないのだ。


 だが、人を寄せ付ける内容を書くには、そのコンプライアンス部分を書き記さないと、良い評価は絶対に貰えない。


『美人女子大生の私は、近所の大手コンビニでバイトを始めました♪』

『けど、面接では良い人だった店長も(?)、実際は人を命令口調で指図する店長で有り、セクハラまがいも平気でしてくる!』


『そして一番の問題は日本人スタッフが、私と店長以外いない不思議な店です!?』

『私は日本に住んでいるのに、異国の地を感じる……』


『何だか怖いし、私は女性だから……けがされる前に速攻で辞めました!♪』


 ……の様な仕事話で、絶対に高評価は貰えないだろう!(上記内容はフィクション)


 コンビニバイト物語を書くなら、もっとダークな部分やコンビニの闇。

 バイト中に起こした恥部話を書き記さないと、読者は最後まで読んでくれないし、評価もしてくれない……


 ☆


 最後は話が脱線してしまったが、恥部を堂々と書き記せる人は凄いと言いたい。

 だけど、それは同時に『諸刃の剣』で有る事も忘れては成らない。


 人や企業から訴えられない恥部話を書く事は、実は言うと非常に難しい……

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